《カウンセラーへのモヤモヤは悪いことじゃない》その心の奥で起きていること

《カウンセラーへのモヤモヤは悪いことじゃない》その心の奥で起きていること

記事
コラム
こんばんワン🐶
《WanChance心理相談室》公認心理師のわんタロパパです!

今回は、カウンセリングを続けていく中で、必ずと言っていいほど直面する、「とても苦しい時期」についてお話ししていきますね。

「カウンセラーに対する不安や不信感が湧いてくる」という事

・何でも話を聞いてもらっていたのに、突然、先生に対してモヤモヤするようになってしまった……
・なんだか最近、自分の気持ちをちゃんと汲み取ってもらえていない気がする
・問題点はそこじゃないのに、いろいろな嫌な気持ちが湧き上がってくる
・私の状態、ちっとも良くなっていないんじゃないか……

そんな風に、次から次へとネガティブな感情が湧き上がってくると、相談すること自体がしんどくなってしまいますよね。

「カウンセラーを疑ってしまうなんて、私が悪いのかな」と、自分を責めてしまう方もいらっしゃいます。
その不信感やモヤモヤは、あなたが悪いわけでも、カウンセリングが失敗しているわけでもありません。
それは、あなたの心が次のステップへ進もうとしている合図。

カウンセリングが深まる過程で、多くの方が経験される自然な心の動きの一つなのです。


① カウンセラーの顔色を伺ってしまった、私の過去

以前のブログでも少しお話ししましたが、私自身、長い間カウンセリングを受けてきました。
その中には、本当に相性が悪いカウンセラーもいました。
勇気を出して話したことに対してネガティブな反応をされたり、
カウンセラー側の「知識を使いたい」というエゴや誘導が透けて見えたり…

結果として、カウンセラーの顔色を伺うようになってしまい、素直に話せなくなり酷い徒労感だけが残る。そんな「カウンセラージプシー」の時期を、私は長く経験しました。

だからこそ、カウンセラーに対し「信じられない」「モヤモヤする」と感じてしまう苦しさは、痛いほどよく分かります。

ただ、カウンセリングを長く続けている中で湧き上がってくる不信感には、単なる「相性の悪さ」だけではない、もう一つの「心の秘密」が隠されていることがあるんです。

② 「安心してください」と言われても、話せないのは当たり前

私たちの心というのは、本当にデリケートなものです。
「安心安全な場所ですよ」「何でも話してくださいね」と優しく言われたからといって、そう簡単にすべての鍵を開けて、何でも話せるなんてできませんよね。

今まで色々な辛くしんどい環境を生き抜いてこられた方、毎日の不安や不信感で押しつぶされそうになってきた方、あるいは育った環境(養育歴)の中で「人を信じて裏切られた経験」がたくさんあった方にとって、誰かを「信頼する」ということは、途方もなく難しく、そして怖いことです。

自分の心をさらけ出すということは、裏を返せば、「心が無防備な状態になる」ということ。

「無防備になるのは怖い。また昔みたいに傷つけられたらどうしよう……」
あなたの心が危機を察知したとき、心は自分を守るために、防衛反応を強めます。

「私のことなんて、本当は分かってくれないんじゃないの?」
「ダラダラ続けようとしているだけで、この先生にはそんな能力がないのでは…?」
カウンセラーを疑いたくなるのは、心が自分を守ろうとして、防衛反応を強めているからです。

これは、あなたがこれまで自分を守るために、精一杯頑張ってきた証拠なんですよ。

③その不信感は、心の奥からのサインかもしれない

このモヤモヤ期。
心理療法では、カウンセラーとの関係性の中で少しずつ安心と緊張の両方を感じ始めた時、これまで抱えてきた感情や対人関係のパターンがカウンセラーに対して現れてくることがあります。心理学の視点から見ると、「カウンセリングが深まっている順調な証拠」でもあります。

「本当はここに気づいて、話を聞いてほしい」
「でも、ここを触られるのは怖くてたまらない、見たくない」
あなたの心が、少しずつ安心と緊張の両方を感じ始めた時、あなたの《心の本当の核心(いちばん痛いところ)》に手が届きそうになる。
あなたの心が「この苦しさに気づいて‼︎」と叫び声を上げているとても大切な場面なのです。

その反動で、過去の関係性で感じてきた「信じてもらえなかった悲しみ」や「分かってもらえなかった怒り」が、目の前のカウンセラーという鏡を通して、あなたの心の中にブワッと溢れ出てきている。
長い間置き去りになっていた痛みが刺激をもって姿を見せ始める。

この、過去の悲しみや怒り、不安が強く揺さぶられる。
このような心の動きは、心理学では「転移(てんい)」と呼ばれています。

もしかすると、このモヤモヤした苦しさの原因を知りたくてネットでいろいろと検索してしまうかもしれません。
よければ「転移」という言葉について調べてみてくださいね。
自分の状態を理解する事で、今自分に起こっている事が少し俯瞰して見れるようになります。

ただ、ここで一つだけ大切なことがあります。
今お話ししているのは、あくまでも「カウンセリングが深まる中で起こることがある不信感(転移)」についてです。

私が経験した様に、実際には、カウンセラーとの相性が合わなかったり、関わり方に違和感があったり、十分に気持ちを受け止めてもらえていないケースもあります。
あなたが感じている違和感を無理に「これは転移で、私の課題なんだ」と決めつける必要はありません。

そのモヤモヤが、「過去の傷が反応しているサイン(転移)」なのか、それとも「今の関係性が合わないサイン」なのか。

それを一緒に丁寧に見つめていくことも、大切な時間になります。

④ 解決だけが正解じゃない。傷を無理にこじ開けなくてもいい

このモヤモヤや不信感が湧き上がるタイミングで、カウンセリングを離れたくなる方は少なくありません。
それくらい、この時期を通り抜けるのは苦しくて、エネルギーがいることなんです。

長年傷ついてきた部分に触れるというのは、本当に本当に大変なことです。

もし今、その深い部分に触れることができる環境や、あなた自身の心の準備が整っていない場合は、無理にそこに触れず、触れないまま「持ち越す」「ただそこに置いておく」という選択肢だってあります。
ただ、触れないままにしておくことが、かえって苦しく感じることもあります。
「この苦しさの正体を知りたいのに、まだ言葉にならない」
ここが本当にご本人にとって、とても苦しくもどかしいところなんです。

あなた自身の力で語れる状態になるまでは、無理に傷をこじ開ける必要はありません。

そして、必ずしもその傷付きに「触れて」「解決」しなければいけないというわけでもないんです。

「もどかしい、苦しい。自分には、触れるのが恐ろしくてどうしても触れられない。それくらい途方もない傷つきが心の奥底にあるんだな」
そう気づけること自体が、ものすごく大切なんです。

触れられないのは、勇気がないからではないんです。
話せないのは、弱いからではないんです。臆病だからでは無いのです。
皆さんそうやってご自身を責めて苦しんでおられます。

無理をしてまで触れないでいい傷つきも、この世にはたくさん存在します。
自分の何もかもを、暴かないでいいんです。

「傷つきがある」それを認めるだけでも、途方もないエネルギーが必要なんですよ。

触れられない自分を責めるのではなく、そんな自分を慈しみ、いたわるようにする。
それぐらいの傷つきを持って頑張って生きてきた。
あなたは、その痛みを抱えてここまで生きてきた強い人なんです。
もうそれだけで、100点満点🎉だと、自分を大切にしていく事もとても大切なことなんです。

⑤相談室の「安心」と、現実世界の「しんどさ」のギャップ

また、不信感が強くなる背景には、相談そのものだけではなく、現実生活とのギャップが影響していることもあります。

相談室の中でいろいろな気持ちを吐き出して、その時はホッと安心できたとしても、相談が終われば、現実と言う、職場や家庭の悪い環境がそのまま待っています。

「相談中はあんなに心が軽くなったのに、現実に引き戻されるとやっぱり苦しいまま」
「結局、何も変わっていないじゃないか」
そんな風に現実に引き戻されてしまうギャップの苦しさが、巡り巡って「カウンセリングへの不信感」として現れてしまうこともあります。

それだけ、あなたの心は今、現実のしんどさと戦いながら、必死で変わろうとデリケートな時期を過ごしています。
揺れ動くのは、あなたが今、自分の心と一生懸命に向き合っているからに他なりません。

語る場所があるからこそ、そのモヤモヤを超えていける

もし今、私に対してモヤモヤしていたり、信じられない気持ちがあったりするなら、その気持ちをどうぞ否定しないでください。
「先生を疑ってしまうんです」
「前は安心して話せていたのに、なんだか最近モヤモヤするんです」
そんな風に、湧き上がってきた不信感や不安そのものを、ぜひそのまま私に教えてください。
「こんなこと言ったら先生に嫌われるかも」
「怒られるかもしれない」
そんな心配は一旦横に置いてみてください。

「私は今何に引っかかっているんだろう」
「何が苦しかったんだろう」
「本当は何を分かってほしかったんだろう」

そんなふうに見つめていくと、激しい感情の奥にある本当の気持ちが少しずつ見えてくることがあります。

少なくとも私は、そのお気持ちを理由にあなたを責めたり、否定したりすることはありません。
むしろ、その言葉の中にこそ、今のあなたにとって大切なヒントが隠れていることも少なくないのです。

《WanChance心理相談室》は、あなたのその「言いにくいモヤモヤ」や「不信感」も含めて、すべてを丸ごと受け止めるためにあります。

その不信感の向こう側に、あなたが本当に救い出したい「大切な本音」が隠れています。

そして、もし話し合いや確認を重ねても違和感が拭えない場合は、別の相談先を探してみるという選択肢もあっていいのです。

カウンセラーとの関係は、とても個人的で繊細なもの。
「続けること」だけが正解ではありません。
今の場所で対話を続けることが助けになる場合もあれば、
ここで気付いたことや感じたお気持ちを新しい場所で改めて心を整理できる場合もあります。

どこで話すかは、その時のあなたにとって安心できる場所を選んで大丈夫なんですよ。
一度離れてみて、また話したくなった時に戻ってくる方もおられますし、そのまま新しい場所で歩まれる方もおられます。

私は、その選択を否定的に捉えることはありません。
色々な経験をして模索していく、それも「今の自分に必要な場所」を探そうとしている大切な過程なんですよ。
そして、その先で「もう一度ここで話したいな」と思われた時には、どうぞ気兼ねなく声をかけてくださいね。

一番大切なのは、その感情が何を伝えようとしているかです。

人はどうしても無意識の部分に直接触れることができません。

だからこそ心は、不信感や怒り、モヤモヤといった形で自分の状態を表現します。

心理療法では、その表現が伝えようとしている深層へアプローチしていきます。

そのモヤモヤがあなたの心に、今、何を伝えようとしているのか、私にお話ししに来てくださいね。
その言葉を一緒に探していく場として、私はここにいます。



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