こんにちは。hanaです。
今日は、私が中学校で教師をしていたころのお話です。
放課後、ある生徒から相談がありました。
「最近、友達にLINEしても、いつもすぐに返事が返ってこないんです。私、嫌われているのかな。どうしたらいいでしょう。」
この相談を受けたときに、私が書き留めたのは
「友達にLINEをした。返事が来ない」=事実
「私、嫌われているのかな?」=あなたの考え
です。
で、「事実は紛れもないんですけど、『私、嫌われているのかな?』に根拠はある?」とその生徒にきいてみました。
そうすると「いつもなかなか返事が来ないから。」と答えました。
その時の気持ちを知りたくて、「返事が来ないとき、どんな気持ちになる?」とさらにきくと、
「不安。心配。あまりに長い時間返事が来ないと、怒りとか、いらいらも。」
と答えました。
「返事が来ない」という事実に対して、「私、嫌われているのかも?」という考えを通してしまうことで、「不安、心配、怒り、いらいら」という感情が引き起こされてしまい、「私は嫌われている」という思い込みになってしまっているようです。
ここで、「その友達との関係性」を尋ねたり、「それは思い込みだよ」と教えたりすることももちろんできたのですが、私はそうはしませんでした。
今でもそうなのですが、「自分で気が付くような問いかけ」をするように心がけているからです。
そこで、私はこう尋ねました。
「じゃあ、ちょっと見方を変えてみよう。逆の立場になって、あなたがすぐにLINEを返せないときって、どんなとき?」
その生徒は、
「部活や塾に行っているとき、家で家族と一緒にご飯を食べているとき(食事中はスマホを手放す、という決まりがある子でした)、他の子と遊んでいてLINEに気が付かなかったとき、家に帰って疲れて寝ちゃったとき」
と答えます。
自分にも「すぐに返事ができないとき」があるのです。
その子はそこで「あっ」と気が付きました。
「嫌いだからすぐに返事しないわけじゃないですね。返事、遅くなってもその日か次の日には来るし。」
これでも十分なのですが、さらに問いかけを続けます。
「じゃ、これでもしあなたが『私のこと嫌いだからすぐに返事をくれないの?」って相手に聞いたら、どうなるかな?」と尋ねました。
その子は「なんか・・・こいつ面倒だな、って思われちゃうかも・・・。自分だったら、『こいつ自分のことしか考えてないな』って思っちゃうかもしれないです。」
答え、もう自分で出せていますね。
自分のことしか考えていない人と関わるのは、ちょっと大変だな、と自分でも気が付いているのです。
もう大丈夫だな、と思いましたが、最後にこんな質問をしました。
「じゃ、今度LINEの返事がすぐ来なかったら、どうする? どんなふうに考える?」
「今忙しいのかな、スマホのそばにいないのかも。ま、そのうち返事来るでしょ、と思って、私も自分のことをやります。宿題とか、好きな動画見るとか。」
私は意地悪して、さらに質問をします。
「既読がついたのに返事が来なかったら?」
「すぐ返せない事情があるんだろうな、と思って、自分のことをやります。」
「それは、どうして?」
「だって、相手のことをあれこれ考えたって、結局全部が想像だから、本当かどうかわからないですよね。先生と今日話していたら、本当かどうかわからないことに時間をとられるのが、もったいないような気がしてきたから。」
「じゃあ、返事が返ってきたら、どう対応する?『遅いよ』って言っちゃう?」
「うーん、難しいな。相手のことを考えたら、『遅いよ』って言われたら「こっちも忙しかったんだよ」ってなっちゃいますよね?」
「でも、あなたは待ってたんだよね? 返事が来たらほっとするんでしょ?」
「はい。」
「じゃ、さらっと『返事来てよかったー』とか、言ってみたらいいんじゃない?さらっとね。」
「さらっと(笑)」
「そう。『私は返事をもらって嬉しいよ』っていうあなたの気持ちを、さらっと表現してもいいと思うよ。あなたの気持ちも大切だからね。」
「わかりました。」
その生徒は、明るい表情で教室から出ていきました。
今日は「思い込み」から脱却するための見方と、相手も自分も大切にする伝え方についてお話ししました。
まず「自分の考えが、思い込みかもしれない、ということに気づく」ことが大切です。
でも、これって、自分じゃ気が付かないことの方が多いような気がします。
だからこそ、ちょっと不安になった時に、早めに誰かに話してほしいんですね。
早めの対処が大切ですから。
「思い込みかもしれない」と気が付いたら、「今自分にできる(やっておいたほうがいい)対処」だけをやって、あとは放っておくといいです。
今回の場合だと、「相手は忙しいんだろう」「寝てるのかもね」と思って、放っておく、というところです。
今回の相談で、もう一つのポイントは「相手を尊重するあまりに、自分の気持ちを押しとどめない」ということです。
最後の「返事来てよかったー」のところですね。
あなたのことも大切、でも私も大切。どっちも大切にしてほしいですから。
では、また書きます!