♦︎❤︎7♠︎♣︎ “ちょっとラクになる”

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土曜日の昼下がり。

馴染みの喫茶店にはコーヒーの香りとゆったりした音楽が流れていた。
窓際の丸テーブルではふみたち4人がランチのあともそのまま話し込んでいる。

テーブルにはケーキとカフェラテ。
話題は気づけば“最近買ってよかったもの”になっていた。

「なんかさ、保育の人って便利グッズめっちゃ知ってない?」

ふみがゆきをみて言った。

明るくて話しやすいふみは“これ便利だった!”の話になるとすぐテンションが上がるタイプだった。

向かいのなつも微笑む。

第一子妊娠中のなつは最近“赤ちゃん用品”だけじゃなく、“生活ラクになるもの”を見るとすぐ保存してしまう。

「それ思います。なんか知らない道具いっぱいある」

すると、あさひがスマホを取り出した。

保育プランナーのあさひは“ラクになる工夫”を探すのが好きだった。
家でも便利グッズを調べ始めると止まらない。

「例えばこれ」

画面に映ったのは“移動式ティッシュケース”。

ショルダー付きでバッグやワゴンにつけられるタイプだった。

「保育園にはよく置いてありますね。これ地味に便利なんだよね」

なつがすぐ反応する。

「え、これベビーカーにつけられそう!」

「つけられますよ。外遊びの時も重宝してます」

あさひもうなずく。

「壁にかけられるから“ティッシュどこ!?”減るだけでかなりラク」

ふみが壁にかかっているティッシュを想像して、

「書類の下とかに埋もれる事も減りそう。私探し物、“探す”多いもん」

その流れであさひは次の画像を見せる。

「あとこれ、“ハコボード”」

「なにそれ?」

ふみが画面をじっと見つめる。

画面には取手付きの浅めのトレイが映し出されていた。

「これも探し物に便利ですよ」

「仕切りとかもあるから、ペンとかハサミとか付箋とか入れて、持ち運べるから」

ふみが感心する。

「え、普通に欲しい」

その横でゆきがバッグをごそごそし始めた。

やわらかい雰囲気のゆきは“持ち物がきれいに整理されてる人”という感じだった。

「そうだ、私これ持ってます」

テーブルに置かれたのは“こまごまファイル”。

透明ポケットが細かく分かれている。

「シール、付箋、絆創膏、予備カード……細かいの全部これに入れてます」

なつが目を丸くする。

「めっちゃ整理されてる!
絶対“あれどこ?”減るやつ」

ゆきもうなずく。

「探す時間って、地味に疲れるので」

その言葉にあさひがすぐ反応する。

「わかる。“探す疲れ”ってあるんだよね」

そう言いながら、自分のバッグから別のファイルを取り出した。

「私はこれ」

“多機能ファイル”。

ポケット、バインダー、ペン差しまで付いている。

「母子手帳、おたより、病院の紙、仕事のメモ、全部これ」

ふみはあさひが出した方に関心を寄せた。

「そっちもいろいろ入れられるね」

ゆきがファイルをじっと見る。

「え、それいいなぁ……」

「ほしくなるでしょ?」

あさひが少し嬉しそうに笑う。

「こういうの、“全部まとまる”だけで気持ちラクになる」

その流れで、あさひがまたスマホを見せる。

「あと、“ウカンムリクリップ”」

本を開いたまま固定するクリップ。

ふみが反応する。

「え、それレシピ本で使いたい!」

「保育の本とかも固定できるんじゃない?」

なつがゆきに向けて言うとスマホで早速検索していた。

「これ楽譜を開いて置けるからピアノ弾く時、最高」

窓から差し込む昼の光がテーブルの上のファイルを照らしていた。

店員さんが近くを通過する際、小さく笑う。

「今日もまた盛り上がってますね」

4人は顔を見合わせて吹き出した。

でも、本当に楽しかったのは――
“ちょっとラクになる工夫”を共有している時間そのものだった。


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