その手作業、自動化する前に決めておく4つのこと

その手作業、自動化する前に決めておく4つのこと

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IT・テクノロジー
「この作業、自動化できませんか」と相談されたとき、私はすぐにコードを書き始めません。先に決めておくことが4つあって、ここを飛ばすと、動くものはできるのに半年で誰も使わなくなります。

自分の事業でも、帳簿と売上の集計をスプレッドシートとGASで自動化して毎月回しています。作った人と使う人が同じなので、設計のまずさが全部自分に返ってきました。その経験から書きます。

■1. その作業は、本当に毎回同じか

自動化が向いているのは「手順が固定されている作業」です。ここを確かめずに始めると、例外処理だらけの仕組みになります。

確かめ方はかんたんで、直近10回を思い出して、何回イレギュラーがあったかを数えてみてください。

・10回中0〜1回 → 自動化に向いています
・10回中2〜3回 → 自動化できますが、例外は手作業に逃がす設計にします
・10回中4回以上 → まだ早いです。先に作業そのものを整理するほうが効きます

意外と多いのが3つ目です。「毎月やっている面倒な作業」のつもりでも、よく見ると毎回判断が入っていて、実は定型作業ではなかった、ということがあります。

■2. どこまでを自動にして、どこから人が見るか

全部を自動にしたくなりますが、おすすめしません。最後の確認だけは人が見る形にしたほうが、結果的に長く使えます。

私の帳簿の集計も、データの取り込みと仕分けまでは自動で、最終的な確定は自分で見て押しています。全自動にすると、間違いが起きたときに気づくのが「ずっと後」になるからです。

決めておくのは、この2つです。

・自動でやってよい範囲(集める、整える、転記する、通知する)
・人が判断する範囲(確定する、送る、金額を決める、例外を処理する)

送信・公開・支払いのように「取り消せない操作」は、人が押す形にしておくと安全です。

■3. 壊れたときに、気づける形になっているか

自動化の失敗は、止まることではありません。止まったのに誰も気づかないことです。

毎朝動いているはずの処理が3週間前から止まっていた、というのが一番こわいパターンです。データは古いまま、でも画面にはそれらしい数字が出ているので、気づくきっかけがありません。

最低限、これだけは入れておきます。

・エラーが出たら通知を送る(メールやチャットに1通)
・最後に成功した日時を、見える場所に残す
・0件や異常値のときは、正常終了ではなく警告にする

地味ですが、ここを入れるかどうかで信頼できる仕組みかどうかが決まります。

■4. 作った人以外でも直せるか

仕組みは必ず変わります。商品が増えた、項目が増えた、運用が変わった。そのたびに手を入れる必要が出てきます。

このとき、中身が追えないと「誰も触れないから、結局また手作業に戻す」ことになります。実際によく見る終わり方です。

直せる状態にしておくための最低ラインは、この3つだと思っています。

・何をしている処理なのかが、名前とコメントで分かる
・設定値(シート名、送信先、しきい値)がコードの中に埋まっていない
・手順を1枚のメモに残してある(どこを直せば何が変わるか)

半年後の自分は他人です。自分のために作る場合でも、ここは省かないほうがいいです。

■自動化しないほうがいいもの

ついでに、やめておいたほうがよいものも書いておきます。

・年に1〜2回しかやらない作業(作る時間のほうが長い)
・判断そのものが仕事の中心にある作業
・相手のシステムにログインして操作する作業(規約と安全性の問題が出ます)
・データの元が毎回バラバラで、形式が安定しないもの

■着手前のチェックリスト

 ・直近10回のうち、イレギュラーは何回あったか
 ・自動にする範囲/人が確認する範囲の線引き
 ・エラー時の通知先
 ・最後に成功した日時をどこに残すか
 ・設定値をどこにまとめるか
 ・手順メモを誰が持つか

■まとめ

自動化でつまずく原因は、たいてい技術ではありません。「毎回同じ作業ではなかった」「止まったのに気づかなかった」「直せる人がいなくなった」のどれかです。この4つを先に決めておくと、作ったものが運用に残ります。

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