「平日は何分くらい勉強できますか?」
学習計画を作るとき、この質問はよく出てきます。
ところが、保護者の方からすると、意外と答えにくい質問ではないでしょうか。
「部活がある日は疲れているので、ほとんどできないかもしれない」
「夕食後なら時間はあるけれど、実際に机に向かうかは分からない」
「本人に聞いても、“その日にならないと分からない”と言われる」
こうした状態でも、学習計画を作ることはできます。
最初から正確な勉強時間が分かっている必要はありません。
必要なのは、「毎日60分できます」という確約ではなく、生活の中にどのくらいの余地がありそうかを知ることです。
■「勉強時間」ではなく「生活の事実」を確認する
勉強できる時間を考えるとき、いきなり「何分できるか」を決めようとすると難しくなります。
まだ続けたことのない勉強時間を、正確に予測することはできないからです。
そこで、まずは次のような生活上の事実を整理します。
・学校から帰宅する時間
・部活動や習い事がある曜日
・夕食、入浴、就寝のおおよその時間
・塾や家庭教師の予定
・どうしても勉強しにくい曜日
・休日に予定が入りやすい時間帯
例えば、次のような伝え方で十分です。
✔ 月曜日と水曜日は18時ごろ帰宅。
✔ 火曜日と木曜日は部活動で19時を過ぎる。
✔ 金曜日は比較的予定が少ない。
✔ 土日はどちらか一方なら、まとまった時間を取りやすい。
✔ 平日は23時までに寝かせたい。
この情報があれば、少なくとも「どの曜日にも同じ量を入れる」という無理な計画は避けられます。
■使える時間には3つの段階があります
学習計画を立てるときは、「空いている時間」をすべて勉強に使えるものとして考えないことが大切です。
時間は、次の3段階に分けて考えられます。
1.空いている時間
予定表の上では、ほかの用事が入っていない時間です。
2.実際に使える時間
食事、入浴、休憩、翌日の準備などを除いて、机に向かえる可能性がある時間です。
3.無理なく続けられる時間
疲れや集中力も考えたうえで、継続できそうな時間です。
例えば、帰宅から就寝までに3時間あったとしても、その3時間をすべて勉強に使えるわけではありません。
夕食、入浴、学校の準備、休憩を入れると、実際に使えるのは60分程度かもしれません。
さらに、部活動で疲れている日なら、無理なく続けられるのは30分程度ということもあります。
学習計画で使いたいのは、予定表の上で空いている時間ではなく、3つ目の「無理なく続けられる時間」です。
■分からないときは「時間の幅」で伝える
「毎日45分」のように、最初から一つの数字へ決める必要もありません。
次のように、幅を持たせて考える方法があります。
・部活動がある日 20分から30分
・比較的早く帰れる日 40分から60分
・土日のどちらか 60分前後
・予定が読めない日 学習量を少なくする
このような情報をもとに、曜日ごとの負担を変えていきます。
大切なのは、理想的な時間を答えることではありません。
普段の生活から見て「このくらいなら可能性がある」と思える範囲を伝えることです。
■最初の計画は「完成品」ではなく仮説です
実際には、計画を始めてみなければ分からないこともあります。
同じ30分でも、数学の計算問題なら数ページ進む子もいれば、文章題で長く止まる子もいます。
学校行事や部活動の疲れによって、予定どおりに進まない日もあります。
そのため、最初に作る計画は「絶対に守る予定表」というより、現時点の情報から作った仮説と考えたほうが現実的です。
実際に取り組んでみて、
・予定した量を終えられたか
・時間が足りなかった曜日はどこか
・特に時間がかかった単元は何か
・勉強を始めにくかった日はいつか
などを確認すると、その子に合った量が少しずつ見えてきます。
私の学習計画作成サービスでも、計画をお渡しして終わりではなく、1週間後に進捗を確認します。
実際の進み方と計画にずれがある場合は、必要に応じて1回まで修正します。
始める前にすべてを正確に予測するのではなく、始めたあとの事実を使って調整するためです。
■ご依頼時には、分かる範囲でお伝えください
学習可能時間がはっきりしない場合は、次のような形でお知らせいただければ大丈夫です。
【学習時間の記入例】
月曜日:帰宅18時ごろ。30分程度ならできそう
火曜日:部活動で遅くなるため、ほとんどできない可能性あり
水曜日:塾があるため、自宅学習は少なめを希望
木曜日:30分から45分程度
金曜日:比較的余裕があり、60分程度
土曜日:予定が変わりやすい
日曜日:午前中なら取り組みやすい
「何分できるか分からない」という場合は、そのまま書いていただいて構いません。
学年、目標、教材の進み具合、目標日、生活上の予定などを確認しながら、無理のない分量を考えます。
■学習計画は、正確な情報がそろってから作るものではありません
勉強時間が分からないからといって、計画を立てられないわけではありません。
むしろ、実際の生活が曖昧なまま「毎日1時間」と決めてしまうほうが、計画は崩れやすくなります。
①分かっている生活上の事実から、まずは仮の計画を作る。
➁実際に取り組んだ結果を確認する。
③合わない部分を調整する。
この順番であれば、最初から完璧な情報をそろえる必要はありません。
「子どもが何分勉強できるのか分からない」
「教材はあるけれど、現実的な量の決め方が難しい」
そのような場合は、分かる範囲の情報から一緒に整理できます。
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