「今日は数学のワークを3ページ進める」
一見すると、具体的な予定に見えます。
教材も範囲も決まっているので、すぐに勉強を始められそうです。
しかし、実際に取り組もうとすると、まだ決まっていないことがあります。
・3ページ分の答えを書けば終わりなのか。
・答え合わせまで行うのか。
・間違えた問題の解説まで読むのか。
・それとも、解説を閉じて解き直せるところまで行うのか。
「3ページ」という言葉で決まっているのは、取り組む量だけです。
どの状態になったら今日の勉強を終えてよいのかまでは、決まっていません。
学習を安定して進められる子は、この「終わってよい状態」を頭の中で自然に決めていることがあります。
本人は特別な工夫をしているつもりがないため、周囲からは見えにくい行動です。
今回は、この見えにくい行動を「終了条件」という言葉で整理します。
1.同じ3ページでも、終了地点は違う
学校ワークを3ページ進める場合でも、終了地点にはいくつかの段階があります。
①すべての問題に取り組む
②答え合わせをする
③間違えた問題の解説を読む
④解説を閉じて、もう一度解く
⑤自力で解けなかった問題を次回の課題として残す
どこまで行うかによって、必要な時間も学習効果も変わります。
ところが、予定表には「数学3ページ」としか書かれていないことがよくあります。
これでは、本人が勉強中に終了地点を決めなければなりません。
答えを書き終えた時点で、
「答え合わせは今日するのか」
「間違い直しまで必要なのか」
「ここで終わってよいのか」
と、再び考えることになります。
勉強が途中で止まりやすい子は、問題が解けないところだけで止まっているとは限りません。
どこまで行えば今日の課題が完了なのか分からず、区切りをつけられないこともあります。
2.勉強が進む子は「終わった」を自分で判定できる
学習を安定して進められる子は、無意識のうちに終了条件を持っています。
例えば、
「答え合わせまで終われば、今日の分は完了」
「間違えた問題に印をつければ、今日は先に進んでよい」
「この公式を使う問題を、自力で一問解けたら終わり」
というように、自分で完了を判定しています。
そのため、勉強の途中で何度も「次はどうするか」を考える必要がありません。
勉強量が多いから進んでいるのではなく、何をもって完了とするかが分かっているため、次の行動へ移りやすいのです。
これは、計画を立てるのが苦手な子でも、形を見せればまねできます。
3.終了条件は一文で書く
複雑な計画表を作る必要はありません。
勉強を始める前に、ノートや付箋へ次の一文を書きます。
「今日の終了条件は、( )」
空欄には、次の3つを入れます。
①取り組む範囲
➁最後に行う作業
③次回のために残す情報
例えば、数学なら次のように書けます。
「数学ワーク42~44ページを採点まで行い、間違えた問題番号をノートの右上に残したら終了」
これなら、答えを書いただけでは終わりません。
一方で、間違えた問題をすべてその日のうちに解き直す必要もありません。
どの問題を次回確認するのかを残せば、その日の課題は完了です。
英単語なら、次のように書けます。
「英単語(1)~(30)を日本語が言えるか確認し、答えられなかった番号を明日の欄に書いたら終了」
理科なら、次のように書けます。
「学校ワーク18~20ページを採点まで行い、解説を読んでも分からない問題に『?』をつけたら終了」
重要なのは、完璧になるまで続けることではありません。
今日行う作業と、次回へ残す作業の境目を決めることです。
4.「終わらなかった」が具体的になる
終了条件を決めると、予定どおりに進まなかった場合も状況を確認しやすくなります。
例えば、
「42~44ページの問題は解いたが、採点が残った」
「採点は終わったが、間違えた問題番号を整理していない」
というように、残っている作業が具体的になります。
「数学が終わらなかった」という曖昧な状態ではありません。
何が残ったのかが分かれば、次の日に行う作業も決めやすくなります。
反対に、終了条件がないと、問題を途中まで解いた日も、答え合わせまで終えた日も、同じように「数学を少しやった」という記録になってしまいます。
これでは、本人も保護者も進み具合を正確に把握できません。
5.まずは一教科だけ試してみる
すべての教科で一度に始める必要はありません。
まずは、現在最も進んでいない一教科を選びます。
そして、勉強を始める前に次の一文を書きます。
「今日の終了条件は、範囲を( )まで進め、( )まで行い、次回のために( )を残すこと」
最初は保護者や先生と一緒に書いても構いません。
何度か繰り返すと、本人も「今日はどの状態まで進めればよいか」を考えられるようになります。
「勉強する」
「ワークを進める」
「復習する」
このような言葉を、実際に手を動かせる作業へ変えることがポイントです。
学習計画表は、予定を書くだけの表ではありません
学習計画表には、日付とページ数を記入するだけでなく、その日に何をもって完了とするかを考える役割があります。
同じ教材、同じ3ページでも、学年、目標、現在の理解度によって必要な終了条件は異なります。
提出を優先する時期なのか。
間違い直しまで行う時期なのか。
まずは一周して、分からない問題を集める時期なのか。
ここを整理すると、手持ちの教材を進めやすくなります。
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「何ページやるかは決めても、結局続かない」
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