レイキの伝授を受け、レイキ・マスターとなった。
計画していたというより、
気がついたらその場所に立っていた、という感覚に近い。
後から振り返ると、あの時点で流れはもう決まっていたのだと思う。
レイキは日本で生まれたヒーリング技術だ。
「靈気」という文字が示す通り、目に見えないエネルギーを扱う。
けれど日本では、その存在は驚くほど知られていない。
名前を聞いたことがあっても、
スピリチュアルな話として距離を置かれることがほとんどだろう。
ところが海外では、まったく違う扱いを受けている。
伝授後すぐ、私は仕事でインドへ向かった。
そこで知ったのは、インドではレイキ・マスターが国家資格として認められ、
医療行為の一部として扱われているという事実だった。
ホテルのスパやリラクゼーション施設には、
レイキを用いた施術メニューが自然に並んでいる。
それを見て、以前タイを訪れた際にも、
同じようにレイキのマッサージがあったことを思い出した。
日本発祥でありながら、
日本よりも海外のほうが当たり前に使われている。
アメリカやイギリス、オーストラリアでは、
レイキは補完療法として医療機関に導入されている。
自然治癒力を引き出し、痛みや不安を和らげ、
メンタルケアや治療のサポートとして役割を果たしている。
アメリカの大学には、レイキを学ぶ講座や学科もある。
近年では、大学病院やがん研究所などで、
レイキや東洋医学に関する研究も進められている。
科学的な評価はまだ発展途上かもしれない。
それでも「研究対象として扱われている」こと自体が、
日本との大きな違いを物語っている。
その背景には、歴史的な事情がある。
戦後、GHQによって多くの日本の伝統文化や技法が制限され、
レイキもまた、その流れの中で表舞台から姿を消した。
その後、ホノルル生まれの日系女性・高田ハワヨ氏によって、
レイキは西洋社会へと広まっていった。
現在、日本で一般的に知られているレイキの多くは、
いわゆる「西洋レイキ」と呼ばれるものだ。
世界へ広がったレイキが、日本に戻ってきた形とも言える。
もともと口伝が中心だったため、
今では伝統レイキと西洋レイキの違いを明確に区別することは難しいとも言われている。
私は、こうした背景を詳しく調べる前に、
直感でレイキの伝授を申し込んだ。
最初はセカンドまでのつもりだった。
けれど学びを進める中で、
サードにこそ本質があることを知った。
そしてもう一つ。
レイキは、知識として持つものではなく、
使う人が増えてこそ、生きた技術になると感じた。
そうして私は、マスターになる道を選んだ。
レイキは、一度きりのヒーリングとして受けることもできる。
けれど本質は、レイキの回路を開くことにある。
その回路を開通できるのは、レイキ・マスターだけだ。
回路が開くと、
まるでレイキのシャワーを常に浴びているような状態になる。
これがファーストの段階。
セカンドでは、レイキを応用し、
日常生活の中で使えるようになる。
サードでは、レイキを最大限に扱い、
その核心に触れていく。
ただし、段階や技法以上に大切なのは、
レイキがもたらす変化そのものだ。
レイキの本質は、
本来の自分の人生を生きられるようになること。
言い換えるなら、
人生の主人公が、自分に戻るということだ。
その道は、穏やかで順風満帆とは限らない。
思いがけない出来事や、
避けてきたテーマが次々と現れることもある。
けれど、物語の主人公には必ず転機が用意されている。
ピンチの場面には、発想や助けが差し込まれ、
人や出来事がつながり、局面は動いていく。
そうして一つずつ課題を越え、
その都度、目標を達成していく。
人生が、ただ流されるものではなく、
自分の選択によって展開していく
サクセスストーリーへと変わっていく。
それが、
「自分が主人公の人生が始まる」という感覚なのだと思う。
レイキは魔法ではない。
ただ、人生の回路を本来あるべき位置に戻してくれる技術なのだ。
静かに、しかし確実に。