社長を辞めて、考えなくてよくなったこと

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コラム

前回、大好きだった社長室を人に譲った話を書きました

惨めでした。

屈辱でした。

社長じゃなくなるというのは、僕にとって簡単なことではありませんでした。

でも、今回は反対の話を書こうと思います。

社長を辞めて、楽になったこともあります。

これは本当です。

会社全体の売上を考えなくていい

社長だった頃は、会社全体の売上をいつも気にしていました。

今月はいくら売れているのか。

来月の仕事はどれくらいあるのか。

このままで大丈夫なのか。

売上が足りなければ、どうするのか。

当たり前ですよね。

社長なんだから。

誰かが代わりに考えてくれるわけではありません。

特に会社が苦しくなってからは、売上のことが頭から離れませんでした。

問い合わせが来れば期待する。

見積もりを出せば、決まってくれと祈る。

会社のお金が減れば焦る。

ずっとそんな状態でした。

今は会社員です。

もちろん、僕にも個人の売上目標はあります。

営業なので、数字を考えなくていいわけではありません。

でも、

会社全体の売上まで僕が背負う必要はない。

これは大きいです。

資金繰りを考えなくていい

もう一つは、資金繰りです。

社長をやっていると、

「今月、いくら入ってくるのか」

だけでは済みません。

いくら出ていくのか。

支払いはどうするのか。

銀行への返済はどうするのか。

会社にあといくら残っているのか。

僕は会社のお金が1,000万円を切ったとき、

「やばいな」

と思いました。

会社員になった今、会社の資金繰りを僕が考えることはありません。

給料日に、僕の給料が振り込まれる。

それを受け取る側になりました。

社長だった頃とは、まったく逆です。

人のことも、全部背負わなくなった

社長の仕事は、売上とお金だけではありません。

社員教育もあります。

社内のコミュニケーションも考えます。

人間関係で何かあれば、それも放っておけない。

会社をどういう組織にしていくのか。

人をどう育てるのか。

そういうことも、最後は社長の仕事になります。

今は違います。

自分の担当している仕事をする。

自分の売上目標を追う。

もちろん会社員には会社員の大変さがあります。

でも、

会社のことを全部、自分のこととして背負わなくていい。

これは、社長を辞めて初めて分かったことかもしれません。

楽になった。でも、うれしいだけではない

だからといって、

「社長を辞めて最高です」

とは思いません。

前回書いたように、大好きだった社長室を人に譲ったときは惨めでした。

50代で一番の新人になった。

給料も以前よりずっと少なくなった。

生活費が足りなくて、今も深夜のコンビニでアルバイトをしています。

失ったものもあります。

屈辱を感じたこともあります。

それでも、

楽になった部分もある。

これも本当なんです。

社長を辞めたことを、

「よかった」

「悪かった」

どちらか一つに決めることは、僕にはできません。

社長は、思っている以上に背負っている

社長だった頃は、それが普通でした。

売上を考える。

資金繰りを考える。

社員のことを考える。

会社の将来を考える。

何か問題が起きれば、最後は自分のところに来る。

それが何十年も続いていたので、

自分がどれだけ背負っているのか、自分でもよく分かっていなかったのかもしれません。

降りてみて初めて、

「ああ、これはもう俺が考えなくていいんだ」

と思うことがあります。

少しホッとします。

でも、その一方で、社長だった自分を懐かしく思うこともある。

人間って、そんなものなのかもしれません。

会社を畳んで失ったものは、たくさんありました。

でも、手放したものの中には、

もう背負わなくていいものもありました。

今は、自分の仕事をする。

自分の売上目標を追う。

まずは、それでいい。

僕は今、そんなふうに働いています。
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