【季節の空間づくり 07】初夏の光と、風の通り道

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5/17 新月。
旧暦四月一日でした。

新暦では、五月も半ばを過ぎた朝。

窓を開けた瞬間に、空気の熱を含んだ匂いがふっと入り込んできました。
最高気温は30℃近くの日が続いています。

爽やかというより、夏の気配がもうはっきりと輪郭を持って感じられる陽気です。

それでも、レースカーテンが風に揺れて部屋に入ってくる光は、どこかやわらかくてほっとします。

風が通るだけで、部屋が軽くなる


窓を開けるのは、外の空気を入れるためというより、部屋の中に「流れ」をつくるためなのかもしれません。

風が入って、どこかへ抜けていく。

その道が一本できるだけで、滞っていたものが動き出す気がします。
対角の窓をほんの少し開けてみたり、扉を閉め切らずにおいたり。

ささやかな工夫が、季節の変わり目にはよく効きます。

光は「遮る」より、「整える」

夏が近づくにつれて、窓辺の光はだんだん強くなっていきます。

同じ場所にいても、光の質が変わっていくのを不思議に思いながら眺める、そんな昼下がり。

光を遮るというより「整える」感覚で、少しだけ手を入れています。
レース越しに光をやわらげてみる。

直射が強い日は、透過性のある遮熱のロールスクリーンを下ろしてみる。
「外の明るさ」を消すのではなく、部屋の中で受け取れる形にして、光と一緒に暮らすという感覚が好きだなと思います。

風と光を、少しだけ調整する。

風の心地よさを味わえるのは、ほんの短いあいだです。
梅雨が来る前の、からりとした空気。窓をすり抜ける風。
新月の静けさの中で、窓を開けて、その幸せをそっと味わいたいと思います。

utakata design 松田 ともみ

愛知県犬山市出身。国宝・犬山城のある町で育つ。美術大学で空間デザインを学び、インテリア業界で約20年の経験を積む。2022年、フリーランスとして独立。現在は森の近くで、旧暦を意識した暮らしを実践中。
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