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弥生の満月を迎えました。
先日、端午の節句を迎える準備をしました。
端午の節句とは
端午の節句は、五月五日。
子どもの成長を願う日として知られています。
鯉のぼりや兜の飾りが、街に溢れる季節です。
幼いころ、庭先でゆうゆうと泳ぐ鯉のぼりをたくさん見かけました。
青い空に映える色鮮やかな鯉の姿を、今でも覚えています。
でも、旧暦を知ると、この節句の意味が少し違って見えてきます。
旧暦の端午は、梅雨の頃
新暦の五月五日は、爽やかな初夏。
一方、旧暦の五月五日は、六月の梅雨の頃に重なります。
湿気が多く、物が腐りやすい季節。
病気も流行しやすい時期でした。
今より衛生環境もよくなかった昔の人々は、
子どもの成長を願うと同時に、邪気を払う行事を行ったのだそうです。
菖蒲とよもぎで、邪気を払う
端午の節句には、菖蒲(しょうぶ)やよもぎを使います。
菖蒲には強い香りがあり、その香りが邪気を払うとされていました。
また、「菖蒲」は「勝負」「尚武(武を尊ぶ)」に通じることから、武家に好まれたそうです。
よもぎは、古くから薬草として使われてきました。
血行を良くし、体を温める効果があるとされています。
菖蒲湯に浸かり、よもぎ餅を食べる。
薬草をまとめて、薬玉(くすだま)として軒先に吊るす。
湿気の季節を健やかに過ごすための、知恵だったのでしょう。
折形の兜を飾る
私は今年、和紙で兜を折りました。
「折り紙」ではなく、折形の兜です。
折形(おりがた)とは、武家礼法に由来する紙でものを包む文化です。
本来は、お祝いのお金や物を包むために折られました。
大きな兜飾りがなくても、和紙で折った小さな兜があれば、季節の節目を迎えられます。
折り紙の兜でもよいでしょう。
玄関やリビングの棚に、そっと飾る。
それだけで、節目の日を迎える気持ちが整う気がします。
旧暦を知ると、行事が違って見える
新暦で五月五日を祝うことが当たり前になった今、端午の節句は「爽やかな初夏の行事」として認識されています。
でも、旧暦を知ると、この行事が本来「梅雨の時期の邪気払い」だったことがわかります。
菖蒲湯も、よもぎも、湿気の季節を乗り切るための知恵。
旧暦を知ることで、季節の行事の別の表情に気づける。
そんな小さな発見が、日々の暮らしに静かな潤いをもたらしてくれています。
utakata design 松田 ともみ
愛知県犬山市出身。国宝・犬山城のある町で育つ。美術大学で空間デザインを学び、インテリア業界で約20年の経験を積む。2022年、フリーランスとして独立。現在は森の近くで、旧暦を意識した暮らしを実践中。