【2025年版】訪日インバウンドの準備を始める前に知ってほしい3つのこと

記事
ビジネス・マーケティング
こんにちは、中国マーケティング美波です。

2025年、いよいよ訪日インバウンドが本格的に再始動しています!
大阪・関西万博の開催もあって、中国を含む外国人観光客の熱量もどんどん上がってきていますよね。

さあ、準備を始めましょう!

…と、その前に!

ここ数年インバウンドが止まっていた間、
中国ってどんなふうに変わってたか、ご存じですか?
え、よく知らない? それ、知らずに動き出すのはちょっと危険かもです。

ということで今回は、私が中国市場を見てきた中で、
「ここを押さえずに2025年以降の中国市場に挑むのは危険かもしれない」
というポイントを、3つに絞ってわかりやすくご紹介します。

まずはここから、ぜひチェックしてみてください!

①主役交代──「Weibo×WeChat」から「Douyin×RED」へ

かつて訪日インバウンド施策といえば、「WeiboとWeChatを押さえておけばOK」と言われていた時代がありました。しかし、2025年の今、その前提は大きく変わっています。

…でも、今はもうその時代ではありません。
2025年の今、その前提はすっかり崩れています。

コロナ禍とその後の経済変動を経て、
この数年で中国のSNS事情は大きく様変わりしました。

実際、以下のように各SNSの月間アクティブユーザー数(MAU)にも変化が表れています。特にRED(小紅書)やDouyin(抖音)といったプラットフォームは、若年層を中心に急速に台頭し、いまやインバウンド施策でも無視できない存在になっています。
Douyin(抖音):2019年の約4億人 → 2024年には約7億人以上
RED(小紅書):2019年の約1億人 → 2024年には約3億人
Weibo(微博):2019年の約5.1億人 → 2019年には約5.8億人
WeChat(微信):2019年の約11.6億人 → 約13〜14億人規模
これだけ見ると、「じゃあ全部のSNSで発信すればいいのでは?」
と思ってしまいがちですが、実はそんなに単純ではありません!

ユーザー数がいるからといって、
そのSNSがインバウンド施策に「適している」とは限りません。

これは、中国のSNSが“細分化”されてきたことによる現象なんです。

もう少しかみ砕いて説明すると…
以前は、何か情報を探すときは「とりあえずWeiboかWeChatを見ればOK」という人が大多数でした。でも今は違います。DouyinやREDなど、新しいプラットフォームが成長したことで、ユーザーは“目的ごとに”SNSを使い分けるようになったんです。

つまり、情報の種類や興味によって、見る場所が変わってきたということ。
その使い分けを、わかりやすく1枚の図にまとめてみました👇

表作成用.png
図:各SNS別使い方まとめ(筆者作成)

他にも「Bilibili(ビリビリ動画)」や「Mafengwo(馬蜂窩)」「Dazhong Dianping(大衆点評)」といったプラットフォームもありますが、これらはよりニッチ戦略向きです。

たとえばBilibiliは、
・日本カルチャーに詳しい層が多く、
・長尺動画がメインで、
・学生中心で消費力はやや低め。

そのため、「深いオタク層を狙いたい」や「しっかりした映像を作り込める制作リソースがある」といったケースで検討してみると良いかもしれません。
今回は少し割愛させていただきます。

② 消費の変化──「モノ」から「コト」へ

インバウンドに関わる人なら、きっと一度は耳にしたことがあるフレーズだと思います。
実際、それは間違っていないのですが…

2025年の今、それだけでは足りません。

正確に言うと、「モノを買わなくなった」わけではなくて、
ただのモノ”では買われなくなったんです。

観光庁が発表している2019年の消費動向データによると、
訪日中国人の人気購入アイテムトップ3は以下の通りです👇
①化粧品・香水(購入率81.9%)
②菓子類(購入率76.6%)
③医薬品(50.8%)
中でも、「化粧品・香水と菓子類」は購入率75%超えという圧倒的な人気でした。

でも今、このラインナップはもう「特別な日本土産」ではありません
なぜかというと…
・中国国内のECサイト(TmallやJD.comなど)でほとんどの商品が買える
・正規代理店やバイヤー経由で安心して購入できる
・中国の物流が進化し、届くのも早い
・価格もほぼ現地と同じ、または安いケースすらある
要するに、「あえて日本で買わなくてもいい」ものになってしまったんです。

でも、それでも“売れるモノ”はある
それが、「モノ+α」です。

単に「商品がある」だけではもう足りない。
「なぜ、ここでそれを買うのか?」という“意味づけ”や“安心感”、“特別感”が必要なんです。

たとえば…
・高価格帯のブランド品 → ECでは偽物リスクがあるため、正規ルート購入を選ぶ
・ベビー用品・食品・医薬品 → 品質への信頼、安全性重視で現地調達
・日本限定・数量限定アイテム → SNS映え+現地でしか手に入らない希少性
・店舗や体験を伴う商品 → 体験ごと購入できる=コトの中にモノがある

この「モノ+α」視点を持つことで、商品開発や店舗施策も大きく変わってきます。

そしてもうひとつ大事なのが、「コト消費」
これはモノじゃなくて、体験や思い出にお金を使うということです。

でも…どんな体験でもいいわけではありません。
大事なのは、中国の人が「やってみたい!」と思うかどうか。

じゃあ、どうすれば「やってみたい!」と思ってもらえるのか?

答えは、たったひとつ。
「映える(ばえる)」です。

中国SNSは、とにかく情報の流れが早い。
そこで注目を集めるには、「一瞬で目を引く」ことが必要なんです。

たとえば──
温泉のお湯の成分がすごく体にいいとか、
何百年もの歴史がある老舗の旅館だとか、
それ自体はもちろん素晴らしいことです。

でも、それが“パッと見て伝わらない”なら、SNSではスルーされてしまう。
つまり、いくら魅力があっても、伝わらなければ無いのと同じということなんです。

そこで大事になるのが、「中国人にとっての日本らしさ」です。

中国の旅行者は、日本をアニメやドラマ、映画などを通じて理解しています。
そのため、“日本っぽさ”が視覚的に伝わる体験や場所に強く惹かれます。

たとえば──
まるで『千と千尋』の世界を思わせるような幻想的な街並みの「銀山温泉」
1.png
画像元:中国SNS「REDBOOK」から引用

「これぞ日本!」と言わんばかりに富士山を目の前に食事ができる「魚見亭」
2.png
画像元:中国SNS「REDBOOK」から引用

どちらも、まさに“映え”の力で注目を集めた好例ですよね。
したがって「コト消費」は、“SNSでどう見えるか”を意識することで、
プロモーション効果が大きく変わります。

つまり今、中国向けの施策で重要なのは、
「どんな体験を売るか」だけでなく、
「その体験がどう見えるか」まで設計すること。

そして、そもそも「何が中国人にとって魅力なのか?」という視点が、
すべてのスタートラインになります。

③ 情報の壁の向こう側──思考の“分断”と、炎上という見えない地雷

ここまで「SNSの変化」や「消費の視点転換」についてお話ししてきましたが、
最後は少しデリケートなテーマを取り上げます。
それが、中国国内の“思考の極端化”です。

前提、中国では海外の情報を見ること自体にハードルがある
ご存じの方も多いとは思いますが、中国では、GoogleやYouTubeなどの海外のウェブサイトを見ることができません。そうした情報にアクセスするには「VPN」という特別な仕組みを使う必要があります。

でも、ここ数年でそのVPNの規制もどんどん厳しくなりました。さらにコロナの影響で海外旅行もできなかったため、多くの人にとって「海外の情報に触れる機会」自体が、かなり少なくなってしまったのです。

そして起きたのが“思考の分断”
この環境下で、中国国内の情報だけに触れている人は、
自然と国家プロパガンダの影響を強く受けやすくなります。
「外国(特に日米)は信用できない」
「中国こそが正しいし、世界で最も進んだ国だ」
そんな価値観にどっぷり染まった人も少なくありません。
一方で、VPNなどを使って海外情報をチェックしている層は、
国内報道とのギャップや矛盾に気づいていて、
むしろ中国の内情に対する懐疑心を強めているケースも多い。
つまり、同じ中国国内でも、考え方がどんどん極端に分かれつつあるのです。

「じゃあ、親日層だけ狙えばいいんじゃない?」は危険!
たしかに、訪日インバウンドのターゲットは基本的にパスポート保有層(約1.4億人)であり、
比較的リテラシーが高く、海外に好意的な人たちが中心です。
でも、忘れてはいけないのが——
SNSは“広場”であり、発信内容は誰の目にも触れるということ。
つまり、ターゲット外の層からの反発や炎上リスクが、常に潜んでいるということです。

炎上は「伝え方のズレ」から起きる
たとえば…
・特定の歴史観・価値観に触れる表現
・投稿のタイミング(記念日・敏感な時期)
・無意識の言い回しによる誤解
・デザインや画像選定による誤認
こういった要素がきっかけで、炎上は“一瞬で広がり、長く尾を引く”可能性があります。
一度傷ついたブランドは、なかなか元には戻せません。
紙をぐちゃっと丸めたあと、いくら伸ばしても折り目が残るように…。

だからこそ「最終チェック」が超重要!
中国市場向けのSNS発信では、
必ず中国語ネイティブ+SNSの文脈が分かる人にチェックしてもらうべきです。
・機械翻訳だけで投稿しない
・日本人だけで完結しない
・なるべく“現地の感覚”で確認する
これを怠ると、本当に危ないです。

炎上を防ぐ=信用を守る
中国には10億人以上のネットユーザーがいます。
一度の炎上が、日本で考えるよりはるかに大きな影響を及ぼすことを、絶対に忘れてはいけません。
だからこそ、攻めのマーケティングと同時に、守りの設計も必要です。
・どこで炎上しやすいか?
・どう伝えたら誤解されないか?
・誰に最終確認を任せるか?
このあたりまでセットで考えられると、インバウンド施策はより安全かつ強いものになります。

以上、今回はインバウンド再始動にあたって、
「今の中国で、まず押さえておくべきこと」を3つにまとめてお伝えしました。

どれも小手先のテクニックではなく、
“知らないと危ない、動けない”ことばかりです。

この記事が少しでもヒントになれば嬉しいです!
「うちの場合はどうすればいい?」というご相談があれば、
ぜひ気軽にコメントやDMでどうぞ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
中国マーケティング美波でした。


参考文献:
2019年抖音数据报告
2024年抖音数据报告
2024抖音热点年度数据报告
《向上的生活—2019年小红书社区趋势报告》
微博2019年全年财报
微博2024年全年财报
腾讯2019年年度报告
腾讯2024年年度报告

サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す ココナラコンテンツマーケット ノウハウ記事・テンプレート・デザイン素材はこちら