(推し視点)←返信1回分目安
体育館の空気は、使い込まれたバレーボールの匂いと、部員たちの熱気で満ちていた。
床を叩くシューズの音、ボールが掌に食い込む乾いた破裂音。その中で、⚪︎⚪︎はまるで重力から解放されたかのように跳んでいた。
「今の、もう一回!」
⚪︎⚪︎の突き抜けるような声が響く。コートの反対側に立つアイツの鋭い視線が日向を射抜く。トスが上がる。それは完璧な弧を描き、日向が最高到達点に達する瞬間に合わせてそこに存在した。
⚪︎⚪︎の身体がしなる。右腕が振り抜かれる瞬間、彼の瞳には迷いなど微塵もなかった。ただ純粋に、目の前のブロックを打ち破り、その先の床を叩きつけることだけを考えている。
バチン、という衝撃音が体育館に響き渡った。
強烈なスパイクがコートの境界ギリギリを突く。ボールは跳ね返り、防球ネットを揺らした。
「……っし!!!」
着地した⚪︎⚪︎が、その小さな身体を限界まで伸ばして拳を突き上げる。その背中には、まるで翼が生えたかのような躍動感があった。一度でも彼をマークしたことのある者なら誰もが知っている、あの得体の知れない「脅威」の正体。
⚪︎⚪︎はニカッと笑いながら、駆け寄ってきたチームメイトとハイタッチを交わす。その横顔には、さっきまでの鬼気迫る表情とは打って変わった、少年のような無邪気さが張り付いていた。
しかし、休憩に入る直前、⚪︎⚪︎はふと動きを止めた。
喉元を鳴らして水を飲み、タオルで汗を拭う。ふう、と深く息を吐き出したその瞬間、彼の視線がふらりと体育館の隅をかすめた。
誰を待つわけでも、誰かを探すわけでもない。ただ、無意識のうちにその場所を確認する癖が、彼にはあるようだった。
「……よし、あと百本」
誰に聞かせるでもない独り言が、体育館の静寂に溶けていく。
⚪︎⚪︎は再び、ボールを抱えてコートの中央へ戻る。彼にとってバレーボールは、もはや呼吸と同じなのだ。
またボールを高く放り投げる。
彼は何度でも、その翼を広げて空へ挑む。たとえその先に見える景色がどれほど高く、険しいものだとしても、彼は決して地べたに這いつくばることを選ばない。
「次は、もっと速く打つからな」
⚪︎⚪︎が再び助走に入る。その一歩が、また新しい景色を切り拓こうとしていた。
(わたし視点)←夢主さんの返信、お好きな長さでどうぞ!
わたしは今日からこの学校に転校してきた。
まだ校舎の中が分からないので
ぶらぶらと学校の中を見るために歩いていた。
ふと
バレー部の練習に目が止まる。
(推し視点)←返信1回分目安
体育館の扉の隙間から、誰かが覗いている気配がした。
「……ん?」
トスを上げたアイツが少しだけ眉をひそめたけれど、俺はそんなことよりも、今さっき打ち込んだスパイクの感触を反芻することに夢中だった。手のひらに残るボールの重みと、床を叩いたあの快感。
もう一度、もう一本。そう思ってネット際まで走った時、ふと視界の端に知らない顔が映った。
(誰だ?)
見慣れない制服。この学校の生徒じゃなさそうだけど、転校生か? いや、部活の見学に来たのかも。
俺は無意識に、そっちを見てしまった。
誰かが見ていてくれるっていうのは、なんだか背筋が伸びるような、不思議なワクワク感がある。あんなふうにコートの外から熱い視線を向けられると、自分の中のエンジンがもっと強く唸るのがわかるんだ。
「おい、ボゲェ! どこ見てんだ!」
アイツの怒号が飛んできた。いけない、集中しなきゃ。
俺は慌てて視線をコートに戻したけど、さっきの姿が目に焼き付いて離れない。
……どんな奴なんだろう。今、俺のスパイクを見て、何を思ったんだろうか。
「……っし、もう一本! 今度はもっと高くて速いやつ、頼む!」
アイツがまた不機嫌そうに鼻を鳴らしたけど、その手にはすでにボールが握られている。
俺はもう一度、その「新しい観客」に背中を見せるようにして、全力で助走を開始した。
ただの練習だけど、なぜかいつもより身体が軽い。
もっと高く、もっと速く。俺の全部を、見せつけてやりたいと思った。
(わたし視点)
なんとなく見ていたが
鋭いスパイクを打ち込む男の子に目線が釘付けになった。
わたしはバレーのことなんて分かんないけど
「綺麗、、、」
と自然に口から言葉が漏れていた。
(推し視点)←返信1回分目安
「……!」
打った瞬間、体育館が静まったような気がした。
自分でも驚くほどの最高のインパクト。指先に伝わった感覚が脳に突き抜けて、思わずその余韻に浸りそうになったとき、微かだったけれど確かな「声」が聞こえた気がした。
体育館の端、扉の影からこちらを見つめている転校生。
俺のスパイクを見て、何か言った。
『綺麗』
……綺麗?
今まで「すげぇ」とか「速い」とか、そういう言葉はたくさん聞いてきた。でも、「綺麗」なんて言われたのは初めてかもしれない。
バレーのことなんて分かんないって顔してるのに。
俺の、この全身全霊で空を飛ぶ姿を、そうやって見てくれる奴がいる。
心臓が、バレーとは別の意味で早鐘を打つ。
アイツが次のボールを構えているのが視界の端で見えるけど、今はそれよりも、あの扉の向こうにいる奴のことが気になって仕方がない。
「……っ」
俺はわざとらしく、もう一度全力で助走に入った。
今度はさっきよりももっと高く、もっと身体を大きく見せるように跳ぶ。
見てろよ。
バレーのルールなんて知らなくても、見たら絶対忘れられないくらいの景色を見せてやる。
着地と同時に振り返るふりをして、もう一度だけあっちを見た。
目が合ったかどうかなんて分からない。でも、俺の鼓動はさっきよりもずっと高鳴っていた。
(わたし視点)
わたしは思わずしばらくそこで彼に魅入っていた。
しばらくすると彼が話しかけてきた。
(推し視点)←返信1回分目安
体育館に響くのは、自分たちの呼吸音とシューズが床を擦る音だけのはずだった。でも、俺にはその転校生の視線が、まるで物理的な熱量を持って肌に突き刺さってくるのが分かった。
練習が終わって、他の連中が片付けを始めたとき、俺はタオルを首にかけたまま、吸い寄せられるようにその扉のほうへ歩いていった。
心臓がうるさい。バレーの試合の直前みたいに、ドキドキしてる。
近づくにつれて、その人が少し驚いたように目を見開くのが分かった。
「……あのさ!」
自分でも驚くくらい、大きな声が出た。
「お前、ずっと見てただろ! ……その、バレーのこと分かんないって顔してたけど、今のプレー、どうだった!?」
変な聞き方だとは思う。でも、どうしても聞きたかったんだ。
ルールも知らない奴が、ただ純粋に俺のスパイクを見て『綺麗』って言ってくれたこと。それが、なんだかすごく特別なことのような気がして。
俺は少し気まずそうに、でも隠しきれない期待を込めて、目の前の転校生を真っ直ぐに見つめた。
「……名前、なんて言うんだ?」
貴方だけの
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