【特別編】良い提案は「何を作りますか?」ではなく「何に困っていますか?」から始まる

【特別編】良い提案は「何を作りますか?」ではなく「何に困っていますか?」から始まる

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デザイン・イラスト
先日、「無料でシミ取りができる」という広告を見て、ある美容クリニックに行ってきました。

結局、私が想像していた内容とはかなり違い、提示された施術費も予算とは合わなかったため、契約せずに帰ってきました。

ただ、今回「売られる側」になったことで、改めて気づいたことがあります。

それは、

良い提案は、「何を買いますか?」ではなく「何に困っていますか?」から始まる。

ということです。

これは、私が普段行っているWebサイトやLP、チラシなどの制作にも、そのまま当てはまります。

今回はいつものデザインのお話から少し離れて、「ヒアリング」について書いてみたいと思います。



2時間の体験で、一番気になったこと

その日の滞在時間は約2時間。

ところが、実際に担当者と話していた時間は15分程度でした。

商談室に案内されてからも30分以上待ちました。

担当してくれた方からはいろいろ質問されたのですが、私が一番聞いてほしかった、

「何に困っているんですか?」

ということについては、あまり深く聞かれませんでした。

こちらから質問すると、

「少しお待ちください」

と席を外し、しばらくして戻ってきます。

ところが質問への答えより先に、

「どうしても直したいところはありますか?」

と逆に質問されます。

この質問、面談中に3回ありました(笑)。

そこで気づきました。

「商品を売るために必要なことを聞く」のと、
「相手が困っていることを聞く」のは、
まったく違うヒアリングなんですね。



デザインの相談でも、同じことが起こります

たとえば、

「ホームページを作りたいです」

というご相談をいただいたとします。

制作する側からすれば、

「何ページ必要ですか?」

「WordPressですか?」

「お問い合わせフォームは必要ですか?」

「いつまでに必要ですか?」

など、聞きたいことはたくさんあります。

もちろん、制作するためには必要な情報です。

でも私は、その前に聞きたいことがあります。

「今、どんなことで困っていますか?」

「今回、ホームページを作ろうと思ったきっかけは何ですか?」

「完成したあと、どうなったら成功ですか?」

ということです。

たとえば「ホームページが欲しい」というご相談でも、本当の目的は、

「問い合わせを増やしたい」

かもしれません。

「会社の信頼感を高めたい」

かもしれません。

「採用応募を増やしたい」

かもしれません。

目的が違えば、必要なホームページも変わります。

場合によっては、

「今回なら、新しく作るより今のサイトを改善したほうがいいですよ」

という結論になることだってあります。



「何を頼めばいいか分からない」でも大丈夫です

デザインを依頼した経験が少ない方から、

「何を伝えればいいのか分からない」

と言われることがあります。

でも、私はそれで構わないと思っています。

専門家ではないお客様が、

「LPは全8セクションで、この順番にして、CTAはここに配置して……」

なんて考える必要はありません。

むしろ教えていただきたいのは、

「今、こんなことで困っている」

「こういうお客様に来てもらいたい」

「今のホームページのここが気になっている」

「これを作ったあと、こうなったら嬉しい」

ということです。

それを聞いて、

「では、こういうものを作りましょう」

と考えるのが、私たちの仕事です。



デザイナーには「どうするか」より「なぜ」を伝えてください

たとえば、

「このボタンをもっと大きくしてください」

というご要望があったとします。

もちろん、大きくすることはできます。

でも、

「50代以上のお客様に、迷わずここから問い合わせてもらいたいんです」

と教えていただければ、提案できることが増えます。

ボタンの大きさだけではなく、

文字を変えたほうがいいかもしれません。

色を変えたほうがいいかもしれません。

ボタンまでの文章の流れを変えたほうがいいかもしれません。

つまり、

「こうしてください」だけではなく、
「なぜそうしたいのか」まで教えていただく。

これだけでデザイナーは、ずっと良い提案ができるようになります。



私は「できます!」だけでは終わらせたくありません

今回の体験でもう一つ感じたのが、「強みと弱み」の伝え方でした。

私は長く営業の仕事をしてきましたが、営業では強みだけでなく弱みも話していいと思っています。

「これは得意です」

一方で、

「今回の目的なら、別の方法のほうが良いと思います」

と言えることも大切です。

デザインのご相談でも同じです。

何でも、

「できます!」

と言えば、ご依頼につながるかもしれません。

でも、お客様の目的に合っていなければ意味がありません。

場合によっては、

「それなら私に依頼しないほうがいいですよ」

という答えになることだってあると思っています。

目の前の一件を受注することより、お客様が困っていることを解決すること。

長く営業を経験してきたからこそ、そこは大切にしたいと思っています。



良い提案は「選べること」

提案するときも、

「これにしてください」

ではなく、

「Aならこうなります」
「Bならこうなります」

と選択肢を提示する。

それぞれのメリット・デメリットを説明したうえで、

「今回のお話を聞いた限りでは、私はAをおすすめします。理由は……」

とお伝えする。

最後に決めるのはお客様です。

「言われたからこれにした」ではなく、

「違いを理解したうえで、自分でこれを選んだ」

と思っていただくことが大切だと考えています。



相談するとき、答えを用意していただく必要はありません

今回「売られる側」になって、一番感じたのは、

「売ろうとすると、それは意外と相手に伝わる」

ということでした。

だから私は、

「何を作りましょう?」

から始めるのではなく、

「今、何に困っていますか?」

から始めたいと思っています。

私はデザインの仕事を始める前、長く営業の仕事をしていました。

その経験は現在、お客様のお話を聞くときに、とても役立っています。

もしデザインを依頼するときに、

「何を頼めばいいのか分からない」

という状態でも大丈夫です。

「ホームページを作るべきか、LPを作るべきか分からない」

「今のサイトが良くない気がするけれど、何が悪いのか分からない」

「こんなお客様を増やしたいけれど、どうすればいいか分からない」

そんなところからお話しいただければと思います。

答えを用意していただく必要はありません。

まず、

「今、こんなことで困っています」

と聞かせてください。

そこから一緒に整理して、必要なものを考えていく。

私は、そんなデザイナーでありたいと思っています。

ちなみに今回、無料シミ取りはできませんでしたが・・・

「お客様の話を聞くこと」の大切さを再確認できたという意味では、なかなか有意義な2時間でした(笑)。
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