告知に使う写真を先に決めたため、会名を載せると本や人物が隠れてしまう。そんな場合は、写真選びと配置を一緒に考えると整理しやすくなります。今日は、内容と文字の場所に合う写真・背景を選べれば十分です。
今回、写真に任せる役割
架空の「秋の読書会」を初めて知る人に、好きな本を囲んで話す場だと伝えます。左側に会名、右側に本や手元を見せる構成を想定します。写真は活動を想像する手がかり、文字は会名や日時を明確に伝える役割です。
背景は、それらの後ろにある土台を指します。写真を全面へ広げて背景にする方法もありますが、無地の背景に写真を置く方法もあります。写真と背景を同じものと決めず、必要な働きから選びます。
素材候補を、同じ原稿で比べる
本を中央へ置いた写真候補、本を右へ寄せて左に空きを作った候補、季節だけを示す葉の候補の模式図。
図は三つの写真候補を表した模式図です。Aは中央に本が大きく写るもの、Bは右に本と手元があり左に机の空きがあるもの、Cは葉が広がる季節の写真です。今回は使う原稿と左側の文字位置をそろえ、写真の違いを見ます。
Aは本の形をしっかり見せたい商品紹介なら候補になります。ただし、今回の左側の見出しとは重なりやすい配置です。Bは本を持つ場面を示しつつ、左の空きを使えるので、今回の案に合うと考えられます。
Cは秋の雰囲気を補えますが、活動内容までは示しません。読書会であることを写真からも伝えたいなら、Bを先に試します。季節の印象を強く見せたい別の案では、Cと分かりやすい会名を組み合わせる判断もあります。
切り取った後の状態で判断する
写真の主なものを被写体と呼びます。今回なら本や手元です。写真の一部を切り取り、見せる範囲を決めることはトリミングと呼びます。写真一覧で見た印象だけで決めず、実際の枠に入ったときの被写体を確認します。
例えば、横長のBを正方形へ切り取った結果、左の机がほとんど残らなければ、文字を置く余裕がなくなります。本を右に残す切り取り方が可能かを試し、難しければ写真と文字の領域を分ける構成へ戻します。
被写体を小さくしすぎて何の写真か分からなくなるなら、空きの確保だけを優先しないことも大切です。内容が伝わることと、文字を置けることの両方で判断します。
無地・写真・図形の背景を使い分ける
無地は、必要な情報を置く領域を作りたいときに候補になります。写真の背景は、場面を広く見せたいときに候補になります。丸や四角などの図形は、写真や文字のまとまりを支えるために使えます。
背景に細かな模様を足す場合は、主役の輪郭や文字と競い合わないかを見ます。写真の色から背景色を選ぶ方法もありますが、色がそろっていても文字が読めなければ調整が必要です。統一感だけで採用を決めません。
使用前に確認しておくこと
写真を配置した後は、完成に近い大きさで輪郭のぼやけや、切れて困る部分がないかを確認します。素材の説明から、予定する用途で利用できるかも確認します。写真がない場合は本の図などで構成を考え、無理に未確認の素材を使う必要はありません。
本文の図で、Bの被写体と文字を置く空きを指差してみましょう。紙とペンなら、被写体の枠と文字の枠を描くだけで同じ確認ができます。今日は写真探しを含む制作課題はありません。
3つの自己確認
1. その写真を選ぶ理由を、伝えたい内容から言えますか。
2. 切り取った後も、被写体と文字の場所が残りますか。
3. 背景が、写真や必要な文字より目立ちすぎていませんか。
まとめと次回
写真は、内容・被写体・空き・切り取り後の状態から選びます。次回は、写真と文字が重なる場合の背景処理を比べます。
64歳からデザインを学び始め、現在はWebと印刷物のデザインを制作しています。このシリーズでは、デザイン経験がない方にも分かる言葉で、デザインの基本と作り方をお伝えします。
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