写真を大きく見せたい告知でも、会名や日時が背景へ埋もれると、必要な情報を確かめにくくなります。今日は、写真の内容を残しながら文字を読める状態にする方法を選べれば十分です。
問題が起きている場所を確かめる
架空の「秋の読書会」の告知を考えます。本の写真に会名を重ねる案ですが、白い文字の一部が本のページに重なり、輪郭を追いにくい状態だとします。伝えたいのは本を持ち寄る会であることと、開催日時・場所です。
ここで見るのは、文字のすぐ後ろにある明るさや模様です。文字と周囲を見分けるための差をコントラストと呼びます。白い文字なら何でも読めるわけではなく、背後の明るさによって見え方が変わります。
文字色や大きさを次々に変える前に、重なっている場所を指差します。問題が本の白いページなのか、棚の細い線なのかを分けると、試す方法を選びやすくなります。
元案に対して、別々の方法を試す
比較図は同じ写真・原稿を使った模式図です。元案から三つの方向へ変更しています。各案を順に重ねて加工する例ではありません。
A案では写真と文字の領域を分けます。写真は上、会名と日時は下の無地の面へ置きます。文字の後ろを単純にできるため、情報を確実に見せたい案の候補です。ただし、写真枠が狭くなった後も本や手元が分かるかを見ます。
B案は、写真の位置を保ったまま文字の後ろに帯や面を敷きます。場面を大きく残せますが、図のB案では、面が本の下側と手元を隠しています。文字が読めても、このままでは写真で伝える内容が弱くなっています。本の形が必要なら、面の位置や幅を変えるか、A案へ戻します。文字の周囲に空きを残すことも確認します。
C案は、写真の明るさを抑え、白い文字を載せます。全面の写真を生かしたい場合の候補ですが、写真の細部まで暗くなり、何の場面か分からなくなるなら採用しません。会名が見えることと写真の内容が残ることを、両方確認します。
選ぶ基準は、何を残したいか
例えば、本棚の細かな模様が多く、文字を置く空きがない写真なら、A案の領域分割から試せます。写真の空いている場所へ面を置けるなら、B案も選べます。
C案では、写真の特に明るい部分に注目します。全体を暗くしても、一部の白いページと文字が重なると読みにくさが残る場合があります。薄い面を重ねたから十分、と判断せず、文字が通る場所を確認します。
これらは採用候補であり、効果を保証する手順ではありません。元の写真や掲載サイズによって結果が変わるため、同じ大きさで見比べます。
読める状態を、完成に近い大きさで見る
作業画面を大きく開いていると、細かな文字まで読めてしまいます。いったん画像全体を小さく見て、会名、日時、場所を読み取れるか確かめます。読む内容を覚えている場合は、数字や文字の形そのものが見えるか意識します。
色だけを変えて分けにくい場合は、位置や無地の領域も使えます。影や縁取りを重ねすぎたら、それらを外し、写真と文字を別の場所へ置く案から再確認すると、問題を整理できます。
紙とペンでは、写真枠の模様を斜線で表し、文字の後ろだけ白く空ける例と、領域を分ける例を描けます。今日は完成物の制作より、どの方法なら両方の役割が残るかを考えます。
3つの自己確認
1. 文字が見分けにくくなる背景の場所を指差せますか。
2. 選ぶ方法と、その理由を一文で言えますか。
3. 文字を読めるようにした後も、必要な被写体が見えますか。
まとめと次回
文字と写真の関係を変えると、強調を増やす以外の解決方法が見つかります。次回は、読むための文字と装飾としての文字を分けます。
64歳からデザインを学び始め、現在はWebと印刷物のデザインを制作しています。このシリーズでは、デザイン経験がない方にも分かる言葉で、デザインの基本と作り方をお伝えします。
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