神戸尊の事件簿×ココナラブログ 埼玉県/東京都 境界シリーズ:2

神戸尊の事件簿×ココナラブログ 埼玉県/東京都 境界シリーズ:2

記事
小説
※今回の作品について。

本作は、『相棒』の神戸尊を主人公とした非公式の二次創作小説です。
今回の神戸尊は、警部となった2014年当時の44歳のまま、その後の時代を過ごしている、いわゆる「サザエさん・名探偵コナン方式」の時間軸で描いています。今回の舞台は2025年11月頃です。
作中の地名、施設、地形、水利設備などについては、自治体等の公開資料、紹介記事、Google マップおよびストリートビューを参考に、可能な限り確認しています。
ただし、資料によって記述が異なる場合や、現在の状況を確認できない場合もあるため、一部に推測や物語上の設定・簡略化が含まれます。

特に平成泉橋のウォーターカーテンは、2020年に故障による休止が確認された後も停止しているという設定で描いています。実際の現況とは異なる可能性がありますので、ご了承ください。
※今回はにゃんべ君にカモメという不思議な構図になりますが、読むとその謎が分かります。
▽          ▽

都県境『珍』水紀行


▽


『垳』
この字は何と読むかご存知だろうか?
2012年に駅周辺の区画整理にあわせて、地名を別の呼び名へ変えようという話が持ち上がったため、住民がこの地名を守ろうと立ち上がり、全国的に広まったため、読める人も多いかもしれない。

この漢字は「がけ」と読む。
日本の地名のなかでも、埼玉県八潮市の「垳」でしかお目にかかれない極めて珍しい文字である。
しかし、「がけ」と聞いて多くの人が想像するような、切り立った崖があるわけではない。
八潮市は中川低地に位置する、河川によって運ばれた土砂が堆積してできた土地である。なかでも垳周辺は特に標高が低く、場所によっては海抜が一メートルほどしかないという。

では何故このような地名が付いたのか。
八潮市の公式では水が「カケる」、つまり捌ける。土が流されて「行く」さまを、まるごと一字に写し地形をそのまま字にした、という見立てである。
つまりこれが正解という事ではない。
八潮市は、河川によって運ばれた砂や泥が堆積した低地にある。水が地中へしみ込みやすい場所がある一方、土地そのものの標高が低いため、降った水が地域外へ自然に流れ出にくい。
したがって、大雨の際には排水施設が重要になる。
また、河岸の斜面の事を指していたもともと崖を表す中世の漢字「圻」が、書き写す度に変化していったという説もあり、どちらが正解かは答えが出ていない。

さて、そんな「垳」には特徴的な事柄がある。
八潮市公式では「垳」の文字の元となった「垳川」の真ん中を、埼玉県と東京都の境界が通っていることも特徴的であるが、八潮市には製菓工場が多いのも特徴なのである。

垳のすぐそばにある古新田にはゴーフルで有名な上野風月堂の工場。大瀬にはコンビニスイーツでお馴染みのモンテールの工場直売所があって、よくメディアに取り上げられて有名であるし。
垳には、無添加で賞味期限が短く、販売される場所が限られる「できたてポテトチップ」で知られる菊水堂の工場がある。
垳-7.JPG

ただでさえ食料品製造業の出荷額が北海道に次ぐ全国第2位を誇る、食品工場の多い埼玉県であるが。
つまりは坂戸市にある明治のチョコレート工場のように日持ちする菓子の大規模工場が内陸部にも置かれる一方、賞味期限の短い商品を扱う工場にとっては、巨大な消費地である東京へ短時間で運べることが大きな利点になる。
幹線道路へのアクセスや土地の確保しやすさも含め、八潮市は食品工場に適した条件を備えているのである。

そんなわけで一見東京の下町のような、土地の低い場所にある街の雰囲気がありありと漂い、華やかな観光地というより、飾らない生活の街といった趣のあるこの場所に、何故スタイリッシュで都会的な空気をまとう警視庁刑事部特命係警部 神戸尊(かんべ・たける)がいるのか。
まあ、休日に何処にいようが構わないが彼を知る人間からすれば、少々チグハグのようにも思われる。

しかし考えてもみてほしい。
尊にとって渋谷と原宿は、そこにいる者たちが勝手に芸能人だなんだ騒ぎ立てるので嫌いであるように。
彼のような、特命係に初めてやって来た日には、特命係のある警視庁の3階フロアがざわつき。
警察庁にいた頃に、上司に一度だけ連れて行かれた銀座のクラブのホステス全員が、半年以上経っても顔を覚えているような美形が、下手な観光地に出没などすれば。
それこそ勝手に写真を撮られてSNSに上げられる危険さえある。

まさにこのような飾り気のない普通の街は、休日を過ごすに安全圏な場所なのだ。

さて、ここには製菓工場が多いと先に述べたが。
そうなれば工場直売店に行かないわけにはいかない。
特命部屋スイーツ男子会(甘くない菓子も可)の会長にして理事の、神戸尊の今日の目的はまさにそれである。
無添加であるため入手困難。ジャガイモそのものの味を味わえる事で人気のポテトチップス。
ポテトチップスといえばジャンクフードの代表格のようなものだが、これは揚げたジャガイモであって断じてジャンクフードではない。
絶対ワインにも合う!と、太鼓判を押して、自分の分と赤ん坊の頃からの友人である、警視庁首席監察官の大河内春樹(おおこうち・はるき)の分も買い付けに来たわけだ。

『そうだ!次のスイーツ男子会はモンテールの工場直売店もいいかも!』

と、ポテトチップスの詰まった袋を見ながら、「んふふ」と独特の鼻に抜ける声でニマニマとご満悦な笑みを浮かべる。
あの普段は表情の読めない大河内の表情の崩れる姿と、ここでみんなで工場直売の菓子でニコニコと笑顔になるのを想像すると、嬉しくてたまらない。

八潮には、大潮の際にこの辺りまで潮が上ってきたことに由来するとされる「潮止」の地名が残っている。現在も中川沿いにはマリーナが点在し、ウォータースポーツを楽しめる場所となっている。
そしてちょうど東に向かってすぐの中川の向かいの岸にはマリーナがあり、運が良ければ船が出るところを見ることが出来る。
垳-6.JPG

このまま帰るのも何だし、ちょっと船でも見に行こうか?と、垳川に沿う道を歩いていると。
垳川の向こう岸にちらちらと何やら人影が見える。
やや小太りのフォルムにザ・オタクな服装。
しかもオーバーリアクションで飛び跳ねながら手を振っている。
鑑識課の米沢守(よねざわ・まもる)である。

「え?!米沢さん?」

と言っても向こう岸の声は聞こえないので、こちらも手を振り返すことになるのだが、顔見知りを見つければ、次の行動はだいたい決まっている。二人は中川との合流地点で落ち合うことにした。
米沢のいる側は緑道からすぐ中川へ出られるが、尊は水門を回り込まなければならない。そのため、少し遅れて中川沿いの道へ出ることになった。
垳-2.JPG

中川沿いの道に出ると、東京都と埼玉県のちょうど境の中川側に何やらレンガ造りのような小屋が見える。彼はどうやらこの小屋のことを知っているようで、そこで待ってくれていた。

「これは神戸さん。珍しいところでお会いしますな」

そうしてチェック柄のネルシャツに少々ダボっとした綿のズボン、そして一眼レフのカメラを持った、ザ・オタクな服装の米沢は眼鏡の奥の小さな目を細めて、にんまりと笑う。
しかし普段から鑑識のキャップをかぶっているからか、帽子はさまになっている。今日はずっと外にいる予定だったのだろうか?
しかも昔、オープンカフェでくつろいでいた右京を見つけた彼は、警察車両から箱乗りになって「杉下警部」と叫びながら手を振ったため、周囲の注目を浴びたことに怒られて以来、外での階級呼びは控えている。
正しい判断である。

「すぐそこの菊水堂のポテトチップスを買いに。これって入手困難なんですよね。だから大河内さんの分も買って来たんです」

そう言って尊はポテトチップスでパンパンになった袋を持ち上げて「んふふ」と、自慢げに笑う。

「ところで米沢さんはどうしてここに?」

そういって尊は可愛らしく小首をかしげる。
今日の尊はもちろん普段着で、いつものカラーシャツにダークスーツではなく、ゆったりとしたニットに細身のデニムであり、その服装も可愛らしい。

「神戸さんはこの場所の地名をご存知ですか?」

「土偏に『行』ですよね?」

「それで"がけ"と読むのです。しかもこの場所のみに使われている漢字なのです」

「がけ?崖なんてありませんよね?」

「ええ。その崖の事ではないようなのです。まあ、方言のようなものでしょうな。東京では崖の事を"はけ"と言うようなものでしょう。八潮市は川に挟まれてなおかつ蛇行した場所ですからな」

「ああ!そういうところって砂地ですよね?」

「ええ。なので水が流れると土が流れていく。という様子からつけられた。というのが市の公式見解らしいですな」

「なるほど・・・」

「そこでこの建物なのです」

と、米沢はぱっと見まるで明治や大正時代に建てられた施設のような、中川に張り出した小屋を指さす。
垳-4.JPG

二人の横にある小屋の扉の上には、クラシカルなデザインで金字で『稲荷下樋管』という文字が書かれている。が、文字は右からではないし、よくよく見るとレンガだと思っていた壁面はレンガ調のタイルであり、思っていたよりも新しそうに見える。

「クラシック調ですが・・・」

「"いなりしたひかん"と読みましてな。中川の水位が上がったとき、川の水が垳川側へ逆流するのを防ぐ施設なのです」

「じゃあ、水門を閉じたら、八潮側の水はどこへ行くんです?」

「そこであそこにある垳排水機場の出番ですな。水門を閉じて自然に排水できなくなった際、内側にたまった水を中川へ排出するのです」

そうして米沢ははす向かいにある大きな茶色と白の建物を指さす。
垳-1.JPG

そこには青色の文字で"埼玉県 垳川排水機場"の文字があるが、垳の上にだけふり仮名がふられているのが面白い。難読地名であることが理由と思われるが、それだけこの文字に誇りがあるようにも感じる。

「え?!!ここってそんなに土地が低いんですか?」

「驚くのも無理はありませんな。なにぶんここの最も低い地点は海抜が1メートルほどですからな」

「ええ!!それで砂地で水は吸うけどなかなか外に出ていかない。となれば大変でしょうね。ああ。だからこんな字ができたのか」

そのような水との付き合いが難しい土地を開墾し、暮らしを築いた先人たちを思うと、なんだかしんみりとしてくる。
漢字というものは人の気持ちから生まれるものだ。
米沢はそうした歴史散歩にやって来たため、今日は一眼レフカメラを持っているのだと納得する。

「このような場所なので、レトロモダンなデザインで小屋を作ったのかもしれませんな。しかも神戸さん、屋根をご覧ください」

その言葉に屋根を見上げるとそこには数羽の白い鳥が、まるで飾り物のように同じ方向を向いて並んでいた。
垳-5.JPG

「ん?これ、置物ですか?」

「いいえ。本物ですぞ。ユリカモメですな。目の後ろに黒っぽい斑点があるでしょう」

「本物?これがユリカモメ?こんな内陸にも来るんですか?」

そして尊が目を凝らした途端、そのうちの一羽が首を傾け、オレンジ色の足で首を掻いている。

「ユリカモメは海辺だけでなく、川をたどってかなり内陸まで入ってくることもありますからな。しかも、今のように頭が白く、目の後ろに斑点があるのは冬羽でして、夏羽になると頭部が黒褐色になるのです」
yurikamomenatuba.jpg

「へえ。じゃあ、夏になると黒い頭のユリカモメが見られるんですか?」

「残念ながら、その頃には多くが北方の繁殖地へ渡ってしまいますな」

「えっ?!ユリカモメって渡り鳥だったんですか?!東京都の鳥なのに?じゃあ、お台場を走ってる『ゆりかもめ』は何なんです?」

「ははは。つまり東京都の鳥にちなんで名付けられた交通機関ですな。ちなみに、夏の東京湾でよく見かけるカモメの仲間はウミネコですな。ウミネコは日本では一年を通して見られる場所が多いのです」

「ええええ・・・。今まで夏のユリカモメだと思ってた・・・」

「姿は似ておりますからな。さて、このユリカモメのいる土地にも、水鳥と海とのつながりを思わせる名前が残っておりましてな。この辺りは『潮止』と呼ばれているのです」

「しおどめ?新橋の近くの汐留ではなくて?しかもかなり内陸なのに」

「ええ。海の潮に止まれの止ですな。海から離れているように見えますが、大潮の時期になるとここまで海水が上がって来たそうなのですよ。中川を通じて海とつながっているのですな」

「へえ。だからこんなにカモメさんが・・・」

二人が見上げている間にも、屋根の上のユリカモメたちは、落ち着きなく頭を動かしたり、ときおり翼を広げたりしている。

「ところで足立区側にも面白いものがございますよ」

そうして米沢はとっておきのものを自慢するかのように「さあさあ」と急かす。
なるほど。向かいに米沢がいたのもこれが理由か。と、神戸は納得する。

垳川沿いに伸びる緑道の案内板には「武蔵野の道・舎人(とねり)コース」の文字がある。
ちょうどこの場所からスタートし、垳川、毛長川の川沿いを通り、荒川にかかる鹿浜橋までを巡る道のようだ。
垳-8.JPG

その緑道沿いすぐの公園を覗くと、なんと巨大な水車が出現したではないか。
水車広場.JPG
しかもどう見ても日本の水車ではなく金属製であり、まるで古代ローマ時代の水道橋のような巨大なオブジェの横につけられている。
動いている様子はないものの、シャフトにはモーターらしきものが付いているので一応動くらしい。
水車広場-5.JPG
水車広場-4.JPG

「なんですかこれ!しかも公園の入り口にある看板、説明が書かれていると思ったら、ただの注意書きですし。しかも道路の向こう側にバベルの塔があるんですけど」
水車広場-2.JPG

そうなのだ。道を挟んで二ヶ所に分かれているこの公園は、川側は巨大な水車。そして道を挟んだ側には水の出る時期は過ぎてしまったものの、まるでピーテル・ブリューゲルのバベルの塔のような形をした、水が螺旋状に流れ落ちる噴水が池の中に鎮座している。
それを見たとたんに尊の目は、まるで子供のように輝き始め「なにこれなにこれなにこれ!」と、嬉しそうに声を上げている。
水車広場-3.JPG

「ははは。喜んでいただけて何よりです。しかも何の説明書きもないところが、たまらなくそそられるところでしてな。この緑道は綾瀬川から分かれる垳川沿いに、約2kmほどにわたってのびる神明六木遊歩道と申しまして、ここの他に虹の広場、風車広場、石の広場、泉の広場、むくの木広場、けやき広場という公園が続いているのです」

「え?!風車?!」
風車広場.JPG

「ええ。そうなのですが、こちら騒音問題でストリートビューで見ると、2010年から2013年の間に撤去されておりますな。昔は池があって垳川から水が引かれていたそうです」

「えーー。残念」

「他にも石の広場という場所は日本庭園風なのですが、日本庭園ではございません。しかし泉の広場という公園からは平成泉橋という橋がございまして・・・」
平成泉橋-4.JPG

そういって米沢はデジタル一眼レフカメラの画面に、ここまで通ってきた緑道で撮った写真を映し出す。
そこには鳥を模した擬宝珠(ぎぼし)のついた、可愛らしい茶色の橋が写っている。
そして橋げたの部分を拡大しはじめた。
平成泉橋-5.JPG
平成泉橋-6.JPG

「ここの真ん中はちょうど都県境でして、その橋の中央に張り出し部分があるでしょう。その下に、何か取り付けられているのが確認できると思います。川の水の浄化目的で橋の下から取水した水を地下にある浄化施設で浄化しまして、その水を30分毎に約5分ほどの割合で橋の上からウォーターカーテンとして再び川に放流しているのです」
平成泉橋.JPG

「ええええ!!なにそれなにそれ!行きましょう行きましょう。熊本の通潤橋みたいな橋って事ですよね?」

「・・・と言いたいところなのですが、神戸さん。残念ながら現在は止まっているのです」

しかし子供のように目を輝かせる尊を、米沢は少し困ったように眉を下げて制したが、すでに二人とも武蔵野の道の一部である神明六木遊歩道を、足はそのまま平成泉橋の方角へ進んでいる。
止まっていると聞いても、やはり見たいという気持ちが先立っているのだ。

「止まってるって、故障ですか?」

「ええ。記録を調べますと2015年あたりまでは元気に水を落としていた写真が残っておりましてな。2017年頃にも建築関係者のレポートがあったのですが、2020年の現地写真には『故障のため休止』の張り紙が出されていたのです。なにぶん1994年に出来た橋ですからな」
平成泉橋-7.JPG

「そっか・・・。30年近く動いてたなら仕方がないですが、ちょっと残念ですね。地下で水を綺麗にして橋からカーテンみたいに落とすなんて、発想がすごくユニークなのに。休止って言うことはまた動くのかな?」

「だと良いですなあ。しかもその浄化施設というのも面白いのです。施設内には約150万個ものヤクルトの空容器が接触材として使われておりまして、その表面に付着した微生物が汚れを分解してから、活性炭で脱臭処理をしているそうですよ」

「え?ヤクルトの空容器?つまり乳酸菌ってことですよね?もしかしてあの形、浄化作用のある微生物が住みやすい形って事ですか?」

そうして葛西用水の水門のところで、米沢は「ここからは八潮市側から向かいましょう」と、垳川に設置された小さな水門の横に伸びる遊歩道を指さす。
垳川-3.JPG
垳川-4.JPG

「はい。しかしヤクルトの空容器をそのままというわけではありませんで、水質浄化を行う有用な微生物を、表面にびっしりと生物膜を形成させて沈めているそうですよ。実はヤクルトの工場が同じ方法で廃液処理を行っているそうでして」

「すごい!だったら平成泉橋が出来たのって1994年でしょ?先進的ですね!」

「なるべく自然の力で。というのがなんとも素晴らしいですが。おお。そろそろですな」

そう言って米沢は川の向こうを指さした。
そこには古びて動かなくなった水車がある。多くはこうした場所にはポンプが使われるが、奥に公園があるのを見るとその正体はそれしかないだろう。
垳川-2.JPG

「あれってもしかして」

「はい。風車広場に水を送っていた水車でしょうな。風車と池がなくなって、今は動いておりませんが」

その言葉に、尊はますますその綺麗なセピア色の瞳を輝かせる。

「川の水を少しでも美しくしようという、熱意が伝わってくる遺構ですな。聞いた話ではカワセミもいたそうです」

「えーーー。もったいない。でもこういう親しまれてきたものが今でも残るって素敵ですね」

限定ポテトチップスを買いに来ただけが、米沢に会えたことで思わず知らなかった風景を発見できた。

「そうですなぁ。平成泉橋も水が出ていなくても、橋の中央にあるバルコニーやカワセミの擬宝珠など、見どころは十分にございますからな」
平成泉橋-2.JPG
平成泉橋-3.JPG

「わあ!楽しみです」

大河内へのポテトチップスのほかに、もうひとつ、誰かに話したくなる素敵な土産話ができた。
初めに感じた“飾り気のない普通の街”という印象は、実はただの思い込みだったのかもしれない。

埼玉ネタ2のコピー2.jpg

New Song (2008 Remastered Version)

おしまい


『神戸尊の事件簿』とは。

『相棒』の二代目相棒・神戸尊を主人公とした、パラレル設定の二次創作刑事ミステリーシリーズです。
本シリーズでは、ロンドンへ渡った杉下右京が、中国返還後の香港へ無断で渡航。在香港日本国総領事館で起きた事件を、現地で捜査権限を持たないまま独断で捜査した結果、国家公務員としての重大な規律違反と外交上の問題を引き起こし、日本へ帰国できなくなっています。
これは、公式エピソードから派生させ、右京の行動がもたらす法的・外交的影響を、より重く扱ったパラレル世界です。
右京に代わって特命係を守ったのが神戸尊です。
神戸のもとで違法捜査を行わなくなった特命係は、廃止する理由を失い、のちに警視庁刑事部の正式な部署となりました。神戸自身も警部へ昇任し、特命係長に就任しています。
二次創作ではありますが、ドラマ版と同様、事件捜査と人物心理を中心とした本格刑事ミステリーとして執筆しています。
また、ストーリーの都合上、甲斐享のいる中根署は目黒区ではなく中野区になっています。

また、作中のキャラクターイラストは、すべて自作(マウス画)です。
執筆だけでなく、挿絵やバナーイラストもマウス描画で自作して掲載しています。

神戸尊(かんべ・たける)
このシリーズの主人公。
普段は細身のダークスーツにカラーシャツが特徴の美男子。
日本へ帰国できなくなった杉下右京に代わり、当初は特命係長代理を務めていた。2014年に特命係が警視庁刑事部の正式な部署となったことに伴い、警部へ昇任して係長に就任。
感受性が強く、死体を苦手としている一方、捜査では適正手続きを重視する。違法捜査を避けながら、グレーゾーンぎりぎりを攻める正攻法を得意とする。
普段は明るく人懐っこい性格で、優しく泣き虫な「白神戸」だが、犯人と対峙すると、冷静に逃げ道を塞ぐ「黒神戸」へ変わる。どちらも演技ではなく、本人がもともと持っている一面である。剣道と射撃にも長ける。



ライブドアブログ『新:神戸尊の事件簿@mixiページ』では、本作のような短編のほか、長編ミステリーや他作品とのクロスオーバーなど、さまざまな作品を掲載しています。
ご興味がありましたら、併せてご覧ください。
サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す