留学を決めるということは、大きな人生の選択肢です。留学自体が挑戦であり、その挑戦の目的や意味をしっかりと自分自身に問いかけ、留学の理由を深掘りすることが何よりも重要です。もしかるすると、自分の留学動機をしっかり理解し、それが本当に自分に必要なことなのかを考えることは、留学そのもの以上に大切な過程かもしれません。ここでは、そうした留学を決断する前の、自分との向き合い方や考え方について書き綴っています。
自分への問いかけ「なぜ留学したいのか?」
留学を決める前に、まず最初に「なぜ留学したいのか?」という質問を自分に投げかけてみてください。留学には大きなリスクが伴いますが、それを乗り越えるだけの価値が本当にあるのかを見極めるために、自己分析が不可欠です。
自分の根本にあるもの
私自身、最初に留学を思い立った理由は英語力の向上でしたが、さらに深掘りすると、英語があれば、世界中の人々とコミュニケーションができること、そして世界中どこへでも行ける自由があると感じたからです。そして、さらに自分自身の根本的な欲求を辿っていくと、“ストーリーが大好き” というものと、“感動したい” という気持ちでした。この要素は、日本の小説『牛肉と馬鈴薯』の一文からインスパイアしたものですが、私の留学の原動力です。世界中の人々と触れ合い、英語を使ってそれを共有できること。そして新しい世界に感動したいという思いに導かれて留学を決意しました。
「喫驚(びっくり)したいというのが僕の願なんです」
牛肉と馬鈴薯 国木田独歩
留学先にデンマークを選んだ理由
留学先として選んだのはデンマークのEuropean Film College(EFC)という映画学校です。なぜデンマークだったのか。当時の私はアートやデザインに興味を持ち、特に北欧のシンプルで洗練されたデザインに惹かれたからです。これまでイタリアやスペインを一人旅していた経験もあり、ヨーロッパの雰囲気が自分に合っていると感じていたことが背景にあります。そして、英語力を向上させ、映画という総合芸術に携わりながら、常にストーリーに触れ合うことができる場所が、EFCだと感じました。
留学の目的とゴールを明確にする
留学の目的やゴールを明確にすることは、後悔しないために欠かせません。留学先の国、学びたい専門、留学後のキャリアについてもしっかりと考え、準備しておくことが大切です。何となくの理由で留学するのではなく、自分にとって本当に必要な経験かどうかを深く考えた上で、留学に向けての準備を始めます。
留学する決断とその後の挑戦
新しいことに挑戦するというのは、何かを犠牲にする必要がある時もあります。学生であれば休学、社会人であれば休職という選択をし、留学することで周囲との差ができてしまう不安や焦りがあるでしょう。周囲の人々は、留学するという決断力を称賛してくれたり、励ましの言葉をかけてくれますが、私の心中は正直、不安が9割、期待が1割という状態でした。
立ち止まって考えることの大切さ
ただ、今になって振り返ると、少し立ち止まって考えることや、喧騒から離れることは非常に大切なことだと感じています。留学することが、必ずしもすぐに成果に繋がるわけではないかもしれませんが、その経験を通じて得た視点や自己理解が、今後の人生に大きな影響を与えることになります。
日本での常識と留学の自由
私は日本で生まれ育ち、常に横並びの環境で育ってきました。小学校から高校、大学に進学し、就職活動を経て社会人になる。このエスカレーター式の進学・就職の流れの中で、留学という選択は非常に勇気がいることでした。日本特有の同調圧力もあり、「みんなと同じ道を歩まなければならない」という気持ちが常に心にあったことも事実です。しかし、海外に出ることで、その枠から抜け出し、自分自身と向き合う時間ができました。デンマークのフォルケホイスコーレの信念である「自分と向き合い、学ぶ時間を大切にする」という考え方が、まさに私にとって必要なものでした。
自由な視点を持つこと
留学は、日本にいるときには気づかなかった常識や凝り固まった視点から抜け出し、自由に自分の人生やキャリアを見つめ直すことを可能にします。こうした枠にとらわれない考え方や視点を持つことは、どんな仕事にも必ず活かすことができるでしょう。
留学の決断と自由な考え方
留学の目的を明確に深掘りすることが重要ですが、それと同時に、決断する際にはあまり固定観念にとらわれすぎず、自由な考え方を持つことも大切です。留学はこのように、複雑な状況や心情を含んで行われるものです。悩んで当たり前、そんな状況の中で決めるからこそ、その先に得られるものがあるのだと思います。もし最終的に日本に留まることになっても、今の環境で頑張ろうという気持ちになるはずです。そのプロセスこそが、留学の醍醐味であり成長の一部です。
支えてくれた方への感謝の気持ち
一方で、留学に対しては家族や友人からのサポートも欠かせません。留学の決断をしたとき、最初は反対したり不安を感じていた家族も、最終的には背中を押してくれ、理解者となってくれることが多いです。私は親になってから、改めてその気持ちがよくわかりました。社会人の場合は、留学費用を自分で工面できますが、学生の場合、両親の協力が不可欠です。両親が自分の留学を支えるためにどれほどの苦労をしているのかを考えると、そのサポートを無駄にしないようにと強く思います。
留学は自分と向き合う貴重な時間ですが、同時に自分を支えてくれた周囲の人々に感謝の気持ちを忘れずに持ち続けることが、日々の留学生活をより実りあるものにします。私がエージェントとして多くの日本人学生に会って感じたのは、志の高い学生ほど、学業にコミットしているということです。目的意識がはっきりしている学生と、何となく留学している学生では、その後のキャリアにも大きな違いが生まれます。
さいごに
留学は、単なる学びの場ではなく、自分と向き合い、成長する貴重な機会ですことを伝えてきました。その過程で経験する挑戦や喜びは、必ず今後の人生に大きな影響を与えます。もちろん、留学に対して不安や迷いがあるのは自然なことですが、その先に待っている新しい世界や自分に出会える可能性に胸を膨らませてください。留学がどんな結果を生むかは、あなたがその経験をどのように活かすかにかかっています。自分自身を信じて、悩みながらも前に進むその姿勢が、必ず新しい道を開くはずです。
悩みながらも、決断を下したその瞬間から、すべてが変わり始めます。自分の成長を信じ、思い切ってその一歩を踏み出してみてください。あなたの未来にとって、最も素晴らしい経験になることでしょう。
私の経験や考えをもっと知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。特に、留学を決断する際の心構えや準備について、役立つ情報が詰まっています。留学という一歩を踏み出すための勇気を与え、あなたの背中を押す力添えができればと思います。