10回シリーズ その6【完全版】特定事業所加算を徹底解説!~質を収益に変え、未来を拓く経営戦略~ 第6回:障がい福祉サービス特有の要件①【居宅介護・重度訪問介護】編

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皆さん、こんにちは! こんばんは!!kaigo_全力サポートです。

これまで、特定事業所加算の「体制要件」「人材要件」「重度者対応要件」という3つの大きな柱について、主に介護保険の訪問介護を念頭に解説してきました。

しかし、この加算は障がい福祉の訪問系サービスにも適用されます。
そして、そこには介護保険とは異なる、サービスごとの特別なルールが存在します。

これを知らずに介護保険の知識だけで申請しようとすると、「要件が足りない!」ということになりかねません。

そこで、今回と次回の2回にわたり、「障がい福祉サービス特有の要件」に焦点を当てていきます。

今回は、訪問系サービスの基本である「居宅介護」と、より専門的な「重度訪問介護」を取り上げます。
これらのサービスで加算を目指す経営者の皆様は、ぜひ細部までご確認ください。
この「違い」を理解することこそが、加算取得への確実な一歩となります。

【居宅介護】基本は同じ、でも「プラスアルファ」に要注意!

居宅介護の特定事業所加算は、基本的な考え方や要件の多くが、介護保険の訪問介護と共通しています。
これまで解説してきた「研修計画」や「定例会議」「指示・報告の徹底」といった体制要件は、ほぼ同じように求められます。

しかし、注意すべき重要な違いが「重度者対応要件」にあります。

【居宅介護の重度者対応要件】
前年度または直近3ヶ月の利用者総数のうち、以下のいずれかに該当する方の合計が30%以上(加算(I)・(III))または50%以上(加算(IV))であること。

● 障害支援区分5以上の方(加算(IV)は区分4以上)
● 喀痰吸引等を必要とする方
● 【ここがポイント!】重度心身障害児の方

2024年度の報酬改定で、この重度者比率の計算対象に「重度心身障害児」が含まれることになりました。
これは、医療的ケアなどを必要とするお子さんへの在宅支援を、国がより一層推進しようとしている明確なシグナルです。

もし、あなたの事業所で障害児の支援も行っている場合、この改定は重要な要素となります。
これまで「大人の利用者だけでは比率が足りない」と諦めていた事業所も、重度心身障害児の利用者様を含めて再計算することで、要件をクリアできる可能性が出てきたのです。

なお、この改定には経過措置があり、2024年3月31日時点で既に加算を算定していた事業所は、2027年3月31日までは、障害児を含めない従来の計算方法(障害者のみで比率を算出)を続けることも認められています。

しかし、将来を見据えれば、障害児支援にも対応できる体制を整えていくことが、事業所の強みとなることは間違いないでしょう。

【重度訪問介護】24時間体制が問われる、より専門的な要件

次に、重度の肢体不自由があり、常に介護を必要とする方を対象とする「重度訪問介護」です。

このサービスの特定事業所加算は、他のサービスとは一線を画す、独自の厳しい要件が設定されています。

これは、サービスの特性上、より高度な専門性と、強固な運営体制が求められるためです。
加算を目指す上で、特に押さえておくべき4つの独自要件を見ていきましょう。

1.【体制要件】24時間365日のサービス提供実績
これが最大の壁とも言える要件です。単に「緊急時には対応します」というレベルではなく、「常時、従業者の派遣が可能で、現に深夜帯も含めてサービス提供を行っている」ことが求められます。
前月の実績として、日中だけでなく、夜間(18時~22時)、深夜(22時~翌6時)、早朝(6時~8時)の全ての時間帯でサービスを提供した記録が必要です。
まさに24時間、地域を支える覚悟と実績が問われます。

2.【体制要件】情報伝達ルールの緩和
24時間体制という厳しい運営実態を考慮し、一部のルールは柔軟化されています。

例えば、第3回で解説した「指示・報告」のルール。

重度訪問介護では、サ責が勤務時間外にもサービス提供が行われることから、「サ責の勤務時間内に対応可能な範囲での伝達で差し支えない」とされています。
また、月1回の定例会議も、必要性が生じた場合に個別指導等を行う形で代替することが認められています。

3.【人材要件】サ責の経験要件に独自のルート
サ責の要件にも、重度訪問介護ならではの道が用意されています。

介護福祉士などの資格に加え、「重度訪問介護従業者として6,000時間以上の実務経験を有する者」もサ責として認められます。

これは、長時間の現場経験で培われた専門知識と技術を高く評価するものです。

4.【重度者対応要件】非常に高い重度者比率
重度訪問介護の加算では、利用者様の重度者比率が極めて高く設定されています。
前年度または直近3ヶ月の利用者総数のうち、「障害支援区分5以上である者、および喀痰吸引等を必要とする者の占める割合が50%以上」であることが必要です。
このように、重度訪問介護の特定事業所加算は、まさにこのサービスに特化した事業所を評価するための制度設計になっています。

それは、加算というインセンティブを通じて、国が「重度訪問介護という重要な社会インフラを担う、専門性の高い事業所を増やしたい」と考えていることの表れです。

今回は、障がい福祉サービスの中でも「居宅介護」と「重度訪問介護」の特有の要件を解説しました。同じ訪問系のサービスでも、その対象者や提供体制によって、求められるものが大きく異なることをご理解いただけたかと思います。

次回は、障がい福祉サービス編の第2弾。
「同行援護」と「行動援護」という、さらに専門的なサービスに焦点を当てます。
2024年度の報酬改定で大きく変わった点も多く、こちらも必見の内容です。

どうぞ、ご期待ください。


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