今日のテーマは「子どもの人間関係への関わり方」についてです。子どもが友達と喧嘩をして帰ってきたとき、親としてどのように対応すればよいのか悩むことがあるかもしれません。特に、小学生の時期は友達関係が日々変化し、ささいなことでぶつかることも少なくありません。そんなとき、親として子どもにどのように寄り添い、どのように成長を支えていけばよいのかを考えてみましょう。
1 子どもの喧嘩についてのとらえ方
小学校の校長をしていた頃,子どもさんがした喧嘩についてとても心配しすぎる親御さんがいらっしゃいました。そのような親御さんは,一方的に相手のお子さんを非難する傾向が強かったようです。まるでご自分が喧嘩の当事者のようでした・・・。
大切な我が子が泣いていれば誰だって心配になるし,相手が100%悪いと思いたくなる気持ちは理解できます。しかし,親が感情的になればなるほどこじれてしまい,最後は子どもそっちのけで親同士の喧嘩に発展・・・,なんてケースもよくありました。
では,友達と喧嘩して帰ってきて泣いている子どもに親はどんなことができるのでしょうか?
実は,何ができるかを考える前に,押さえておくべき大切なポイントがあります。
それは,まず,子どもが喧嘩をとおして,人間関係を学んでいる最中だととらえることです。一般的に,人生のほとんどの悩みは人間関係に由来すると言われています。これを読んでくださっているみなさんも,家庭,職場,学校,町内会などでの困り事は,全て人間関係に由来しているのではないでしょうか。子ども時代は,これから始まる長い人生を生き抜いていくためには欠かせない,人間関係について学ぶ時期です。泣いている子どもを見ると,親の方が不安いっぱいになりますが,まずは深呼吸して,次のように対応してみませんか?
2 まずは子どもの気持ちを受け止める
泣きながら帰ってきた子どもを見ると、親としては「何があったの?」とすぐに事情を聞きたくなるかもしれません。しかし、まずは子どもの気持ちをしっかり受け止めてあげることが大切です。「悲しかったんだね」「つらかったね」と共感の言葉をかけ、安心できる環境を作りましょう。無理に話を聞き出そうとせず、子どもが話したくなるまで待つことも大事です。
3 事実を整理する
子どもが落ち着いてきたら、「どんなことがあったの?」と優しく尋ね、できるだけ事実を整理するように促します。このとき、広告の裏でもなんでも良いので,紙に鉛筆で子どもの話を図でまとめながら聞いていくと良いでしょう。図と言われると難しそうですが,お子さんとお友達の発言や行動をそれぞれ書き留めていけば大丈夫です。私の経験上,感情がたかぶりやすい子,表現力が乏しい子,口下手な子など,あらゆるタイプの子どもにとって,図でまとめて見せることは,子どもが自分の感情のもつれを整理させることに有効でした。自分の思考や行動を客観的に捉えることをメタ認知(Metacognition)といいますが,事実を整理するためには,このメタ認知をさせることがポイントです。
また,事実関係の全体像が整理できたら,子どもの主観だけでなく、相手の立場にも目を向けられるように質問してみましょう。「○○ちゃんはどんな気持ちだったと思う?」と問いかけることで、相手の気持ちに気づくきっかけにもなります。
4 解決策を一緒に考える
子どもにとって、友達との喧嘩は仲直りの仕方を覚える最大のチャンスです。喧嘩をしないと,仲直りの経験はできないんですよね。でも,はじめから「明日あやまろうね」と,親が解決策を提案するのは,せっかくのチャンスを奪ってしまうことになり,もったいないです。
「(親)あなたはどうしたい?」「(子)また遊べるようになりたい」「(親)仲直りしたいんね。どうやったら仲直りできそう?」と、解決に向けて自分で考えられるように子どもに促してみましょう。子どもが仲直りの方法を聞いてきたら,例えば、「『ごめんね』って言ってみる?」「お手紙を書いてみる?」と具体的な方法を提案することで、子どもが自分で行動を決める力を育てることができます。大切なのは,子どもが自分で考えて行動できるようになることです。
5 まとめ
子どもが友達と喧嘩して帰ってきたとき、親としてできることは「子どもの気持ちに寄り添い、成長をサポートすること」です。焦らず、子どもが自分で解決できるよう導くことが大切です。
子ども同士の喧嘩は、社会性を学ぶ貴重な経験でもあります。大人の価値観を押し付けず、子どもが自らの力で乗り越えられるよう支えてあげましょう。その積み重ねが、これから始まる長い人生を子どもが幸せに生き抜いていく力の育成につながります。
最後まで読んでいただき,ありがとうございました。