過去記事で、私がもともと地方行政官であったことを何度か書いているが、実は国家公務員もやっていたことがある。まあ、国家公務員と言ってもグレードは下から2番目くらいの刑務官ではあるが。ただ、なかなか普通の人が経験する職業でもないので、貴重な体験にはなったと思う。サムネの写真は唯一残っていた私の刑務官時代の写真だ、古いPCに1枚だけ残っていたので載せた。
今では国家(政府)に対する信頼などありはしないが、当時はこの世の中の構造も何もわかってない人間だったのでロボットのように、ただ命令に従って給料をもらうことだけに満足していた愚物であったのだ。
ちなみに、よく聞くであろう「看守」というのは刑務官の役職名ではあるのだが、正確には「法務事務官看守」と言うのである。まあ、事務仕事なんてほとんどしないのだけど、いっちょ前に「法務事務官」です、なんて言ってしまうと法律事務所かなんかに勤務してるのかと思われそうだ。刑務官の所属は、法務省であり、私が市役所勤務時代も、登記簿などを閲覧するのに法務局にはよく行っていた。まあ、全然、法務局と刑務所には実務的な関連性はないんですがね・・・。
今、ロサンゼルスで市民による暴動が起きていて州兵が派遣されるほどの事態になっているが、私の刑務官時代、研修期間では、暴徒が刑務所を襲撃してきたとき、という仮想の下に(ほぼありえないシチュエーションだが)訓練することもあって、警察の機動隊のようなジェラルミンの盾を持って、体育館の中を走り回らされたものだ。
で、火炎びんや爆弾を投げつけられたときに対応する隊列、陣形というのもあって、教官が「爆弾!爆弾!爆弾!」と叫んだら、固まってしゃがんで盾を上に傘のように被るのだ。この訓練が役立つことが一生に一度もないだろうなと思いながらやっていたが、きな臭い世の中になってきて自衛隊の皆さんは戦争がまた日本で始まり、実戦での戦闘に参加させられるかもしれないと戦々恐々としているかもしれないですね。
銃器の使用が許可されている職業は、自衛官、警察官、刑務官、海上保安官など、非常に限られた職種であり、民間人が銃を使用する場合、許可を受けたうえでの狩猟用ライフル、クレー射撃など競技用などで使うもの、もしくは海外で一時的に撃たせてもらうなどの手段があるが、職務上、必要と認められて持てるのではわけが違う。
私が訓練で使っていたリボルバー拳銃は、警察官がつかっているニューナンブと近いモデルだったが、たぶんサクラとかいうやつだ。SIRENというホラーゲームで敵役の警察官が所持している拳銃がニューナンブだったので、たぶん、ニューナンブなんだろうなと思ってたが、違うようだ。そして、警察官と違って両手持ちではなく、刑務官スタイルは半身に構えて片手撃ちするので、反動がもろに手のひらに響いてくる。で、撃った時の音は普通に爆音でイヤーマフが無いと耳がしばらく聞こえなくなる。こんなものを人に向かって撃ってはいけない・・強くそう思ったものだ。
で、警察官は必ずやるであろう逮捕術なども、刑務官の研修期間にやることになっていて、最大で3人連続して制限時間内に縛り上げるのだ。また、武道訓練は剣道、柔道から選択するのだが、私は剣道を選択し、これを官舎のすぐ近くにある武道場に毎日通い(休日や夜勤明けも)訓練させられる。
護身術に関しては研修前と、研修中に習得するのだが、個人的に昔、合気道の道場に通っていたことがあったので、その動きとほぼ同じだったので習得は容易であった。
そういうわけで私は一応、ひととおりの武道訓練、護身術、武器の扱い(リボルバー拳銃と特殊警棒など)には心得があるのだが、はっきり言ってこの世でこのようなものは役に立たない。
パウロも言っていたように身に着けるべきは「神の武具」であるからだ。
すなわち、腰に「真理」の帯を締め、胸に「正義」の胸当てをし、足には「平和の福音」の備え、「信仰」の大盾を構え、「救い」の兜をかぶり、「神の言葉」を剣とせよ、と言っての通りである。
そういうわけで、私が昔、求めていた肉体的な強さは、今では完全に無意味なものとなっている。強さは誇るものではなく、むしろ弱さを誇るべきであるのだ。パウロも「弱さ以外は誇るまい」と言っているし、ヨハネも「病弱な体に感謝」と言っているのだから。まあ、彼らは精力的に活動してたので、これは謙遜だとは思うのだが、どのみち肉体とはいずれ別れを告げるのだから、肉体の強さにあまりこだわっても意味がない。