発達障害の見えにくい困難

発達障害の見えにくい困難

記事
コラム

はじめに


発達障害は、その名の通り生まれつき脳の発達に特徴がある状態を指します。しかし、その困難さは外見や一部の行動からは分かりにくく、「ただの性格の問題」や「努力不足」と見られてしまうことが少なくありません。
たとえば、一見すると会話ができているように見えても、相手の言葉の意図を正確に理解できなかったり、集団生活では指示を適切に処理できずに混乱することがあります。

また、周囲の環境音や光に過敏に反応して疲れ果てる一方で、その苦労を誰にも気づいてもらえないこともあります。
こうした「見えにくい困難」は、本人にとって大きなストレスとなり、時に精神的な二次障害へとつながることがあります。
本稿では、このような発達障害の特性と、それに伴う支援の難しさについて考えていきたいと思います。

発達障害の概要

・発達障害とは?
→発達障害は、生まれつき脳の発達に偏りがあることから生じる障害の総称です。これにより、対人関係や社会生活、学習、行動の面で困難が生じることがあります。発達障害には、特性がさまざまな形で現れるため、一人ひとりが異なる困難を抱えている点が特徴です。

・自閉スペクトラム症(ASD)
→対人関係やコミュニケーションに困難を抱えるほか、強いこだわりや特定の行動パターンを持つことが特徴です。特に「スペクトラム」という言葉が示すように、軽度から重度まで症状の幅が広く、一人ひとりの特性が異なります。

・注意欠如/多動症(ADHD)
→不注意(集中力が続かない)、多動性(落ち着きがない)、衝動性(思い立ったらすぐ行動する)の3つの特性が特徴です。これにより、学校や職場での適応が難しい場合があります。

・学習障害(LD)
→読む、書く、計算するといった学習に特定の困難が生じます。他の知的能力に問題がない場合でも、特定の学習領域で困難を抱えることがあります。

・発達性協調運動障害
→運動の協調性が著しく低いため、日常的な動作(ボタンを留める、文字を書くなど)が困難になることがあります。



補足: なぜ区別が重要か
・発達障害の中でも、自閉症スペクトラムがあったり、注意欠如/多動症があったりとなぜ分ける必要があるの?
→支援や理解の方法も異なることがあるから


・特に自閉症スペクトラムは発達障害の中でも特に広範囲な特性を持つため、支援や理解の方法も異なります。発達障害全体の支援を考える際には、各カテゴリーの特性に応じた対応が必要だと思います。例えば、自閉症スペクトラムの人には「こだわりの強さ」への対応が重視されますが、ADHDの人には「集中力の維持」への支援が必要です。

このように、発達障害とその中の自閉症スペクトラムは、包括的な枠組みの違いに基づいて区別されます。

発達障害からくる「二次障害(精神障害)」について

・発達障害そのものが直接的な精神疾患を引き起こすわけではありませんが、周囲の理解不足や適切な支援の欠如が、二次障害の大きな原因となります。二次障害を防ぐためには、本人だけでなく、周囲の環境や支援体制を整えることが不可欠です。

・主な二次障害の種類と原因
→うつ病(抑うつ状態)/不安障害/適応障害/統合失調症/双極性障害(躁うつ病)/PTSD(心的外傷後ストレス障害)
等々、発達障害+α(二次障害)として様々な種類があります。

それらは

→環境からの影響(周囲の無理解/社会的孤立/過剰反応)/自己認識のギャップ/長期的なストレス(日常的な困難)が蓄積して発症することがある。

宿泊型自立(生活)訓練施設での発達障害の「生活」と職員としての「支援」の困難さ


・実際に集団生活では発達障害として「生活」はどんな困難があるのだろうか

主なところとしては

・共有スペースの使用ルールに適応できなずにトラブルになることがある
・毎日のスケジュールに従うのが難しく、時間通りに行動できない
・本人の考えうる想定外の出来事が起きた時にパニック状態になる
・金銭管理ができずに、生活費を使い切ってしまう
・食事、洗濯など、自己管理が苦手である
・いわゆる実行機能(計画・段取りをする力)の低さが要所に著しく目立つ


しかし

そのどれも本人以外の要因の変化で解決されることがほとんどである。
集団生活においてルールとは?いったい何なのだろうか
→集団生活におけるルールとは「1人のためではなく、みんなが気持ちよく過ごせすためのもの」である。

なので、ルールに従えない、準ずることが難しいのであれば必要な支援としてはまずは本人との「話し合い」から始めるべきと思います。
どんな要因があって現在の様子になったのか、今後どうしたら生活しやすくなるのかを本人と話し合って決めていくことが必要。

・話し合い→実行(検証)→振り返り

できることなら、これを繰り返していくことが最適だと思っています。
上記は本人にアプローチをすることであり、それと同時に支援者は環境に働きかけをしなければいけません。

環境を変えることで負担の軽減、集団生活の困難、本人のリソースを減らすことができるのであればやらない理由はないです。

しかし中にはこう考える人もいるのではないでしょうか?

・「施設のルールがあり、それをほかのみんなが守っているからひとりだけ守らなくていいの?」

→今、ルールを守れないのは『守りたくない』という気持ちからではなく、『守るのが難しい』状況にあるからです。ただ、支援者もそのままにするつもりはなく、その方が少しずつでもルールを守れるようになる方法を考えたり、練習したりしています。時間はかかるかもしれませんが、全員が気持ちよく過ごせる環境を目指しているので、ご理解いただけると嬉しいです。


これらは障害に限らずだれでも同じ状況になることがありますよね。社会でも、わかってはいるけど感情として難しい場面等々あると思います。+α特性という困難もあることが少しでもご理解いただけると助かります。
・支援者に求められる視点
→発達障害は「単一のカテゴリー」ではなく、「複数の分類が重なる」場合が多いため、支援者には幅広い知識と柔軟な対応が求められます。


さいごに

・「見えにくい困難」は、支援者が当事者の特性を知らないために理解しづらくなることが多い。そのため、知識を基盤として適切な対応策を考える必要があります。

ひとりひとりの「困難」に合わせた「オーダーメイド」の支援計画を立てていく必要があること、画一的なアプローチでは解決できない、「個別化」がカギになると思います。

より良い生活環境の実現のため、当事者、支援者含めて、「小さな成功」の積み重ねが大切に感じます。


本投稿を読んで頂きありがとうございました。
この記事を読んで、どのようなことを感じましたか?
また、本記事を読んで頂き、発達障害について周囲と話し合うきっかけになれば幸いです。
あなた自身の体験や考えをぜひお聞かせください。
皆さんの声が、より良い支援の形を考えるヒントになります。
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