その“自費出版”という言葉、誰の首を絞めているか知っていますか?

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「本を出したい」だけなのに、なぜこんなにモヤモヤするのか

「どうせ自費出版でしょ?」
本の話をしたとき、こんな言葉に面食らうことがあります。
本気で考えて、時間も情熱も注いで、それでもどこかで
「お金を出して出す=価値が低い」
そんな空気を感じてしまう。
今日は、その“モヤモヤ”の正体について、
出版の現場に30年以上いた立場から、どうしても伝えておきたい話があります。

私は300冊以上、商業出版の現場にいました

私はこれまで、紙の本を中心に300冊以上の商業出版に関わってきました。
講談社、主婦の友社、そして現在はひとり出版社として、編集の最前線を見続けています。
だからこそ断言できます。
今の出版業界は「企画が面白い」だけでは、本は出ません。
YouTube登録者30万人、SNSフォロワー10万人超。
正直、このラインに達していないと、紙の本での商業出版デビューはかなり厳しい。
これは噂でも憶測でもなく、
現場の一次情報を掴んでいる者としての実感です。

商業出版できても、半年後には「結果」が出ている

「商業出版できたら安泰」
そんな時代は、もう終わっています。
POSデータを見れば、その本が売れたかどうかは一目瞭然。
新型コロナ以降、返品スピードはさらに加速し、
1年後に返品率7〜8割という本も、珍しくありません。
一度「売れなかった著者」というレッテルが貼られると、
2冊目はほぼありません。
印税も、初版3000部スタートが当たり前になり、高額収入は現実的ではない。

「お金を出す=自費出版」ではない

ここで、どうしても訂正したい誤解があります。
出版プロデュース会社を使って、
・企画を磨き
・企画書を作り
・出版社に売り込み
・商業出版を実現する
この場合、費用は300万〜1000万円以上かかることもあります。
ではこれを「自費出版」と呼ぶでしょうか?
私は、違うと思っています。

私が考える「自費出版」とは何か

私が考える自費出版とは、
書店流通を前提とせず、
自分の書きたいことを形にするための出版です。
読者ニーズよりも、自己表現が中心。
それ自体が悪いわけではありません。
ただし「売り物」とは別物です。
一方、プロの編集が入り、
「読者が読みたい・欲しい」をクリアした本は、
たとえ著者がお金を出していても、
それは商品としての出版です。

それでも私が電子書籍に力を入れる理由

ではなぜ、私が今、電子書籍プロデュースに力を入れているのか。
理由は明確です。
紙の商業出版を目指すより、
圧倒的にコストを抑えられ、スピードも速い。
さらに、デジタルマーケティングと組み合わせれば、
初版3000部の紙の本よりも、
“存在を知ってもらえる確率”は高いと本気で考えています。
AI量産型電子書籍とは、まったく別の話です
ここで誤解してほしくないことがあります。
「生成AIで5日で電子書籍」
こうしたものと、私たちのやっていることは別物です。
テンプレートを埋めただけの本に、
著者の血は通いません。
信用される電子書籍には、
言葉の温度と、編集の覚悟が必要です。

言葉を雑に使うと、未来を狭める

「自費出版」という言葉を、
ひとまとめにしてしまうことで、
本来、正当に評価されるべき出版の形が見えなくなっている。
だから私は、
この話を、何度でもします。
出版は、もっと多様でいい。
そして、もっと戦略的であっていい。
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