「起業を教える」のではなく「経営者を育てる」。私が独立支援で大切にしていること

「起業を教える」のではなく「経営者を育てる」。私が独立支援で大切にしていること

記事
ビジネス・マーケティング
こんにちは、矢内綾乃です。

私はこれまで複数の事業経営に携わるなかで、自分自身が経験してきたことを次の世代へつないでいきたいという想いから、独立・起業を目指す方への支援にも取り組んできました。

「いつかは自分で事業をやってみたい」
「会社員を続けながら、独立の準備を始めたい」
「経営に興味はあるけれど、何から始めればいいのかわからない」

そんな方に向けて、今回は世の中にある起業支援と、私が取り組んでいる独立支援の特徴についてお話ししたいと思います。

一言で「起業支援」といっても、その形はさまざまです。

国や自治体には、創業に関する相談窓口や補助金・助成金などの制度があります。
民間企業でも、起業を目指す人に対して、資金やオフィス、事業づくりのノウハウなどを提供するプログラムがあります。
また、スタートアップの世界では、VC(ベンチャーキャピタル)などから出資を受け、起業家と投資家がいわば「同じ船」に乗りながら、事業の急成長を目指していく形もあります。

このように、起業を支援する選択肢は以前よりもずっと増えています。

その一方で、私自身が大切にしているのは、「知識を得ること」と「実際に経営できるようになること」は同じではないということです。

今回は私が携わっている事業の中の一つでもある、「独立支援」で大切にしている3つのことについてお伝えしたいと思います。

座学だけではなく、実践の中で学ぶ

経営について学ぼうと思えば、本や動画、セミナーなど、今はいくらでも情報を手に入れられます。
資金調達やマーケティング、事業計画の作り方など、知識を身につけることはもちろん大切です。
でも、実際に事業を始めると、知識だけでは答えが出ないことがたくさんあります。

「どうすれば人が集まるのか」
「どうすれば仲間と信頼関係を築けるのか」
「思い通りにいかなかったとき、どう立て直すのか」

こうした力は、実際に行動して初めて身についていくものだと私は考えています。
そのため、私の行なっている独立支援は座学だけで終わらせず、会社員としての仕事を続けながら、週末などの時間を使ってリアルな集客やチームビルディングに挑戦するなど、実践を重視しています。

いきなり会社を辞めて起業するのではなく、今の仕事を続けながら小さく実践を重ねていく。
その経験の積み重ねが、独立した後の大きな土台になると考えているからです。

特定のビジネスモデルではなく「事業づくりの本質」を学ぶ

私はこれまで、一つの事業だけではなく、複数の事業経営に携わってきました。
だからこそ伝えたいのは、「このビジネスモデルなら成功する」という方法論だけではありません。

市場も、テクノロジーも、人々の価値観も変わり続けます。
今うまくいっている方法が、5年後、10年後にも同じように通用するとは限りません。

大切なのは、環境が変わったとしても、自分で考え、人と協力しながら新しい価値を生み出していけること。
時代や環境が変化しても応用できる「事業づくりの本質」を身につけることを大切にしています。

「リーダーシップ」「組織づくり」「お金の扱い方」を段階的に身につける

事業は、アイデアだけでは続きません。
事業を動かすための「お金」の知識が必要です。

そして、一人でできることには限界があるため、「人・組織」について学ぶことも必要になります。
組織が大きくなれば、今度は人をまとめ、方向性を示していく「リーダーシップ」が求められます。

そこで私たちの独立支援では、こうした経営に必要な力を一度に詰め込むのではなく、STAGE1〜STAGE3の体系的なカリキュラムとして、段階的にステップアップできる仕組みを取り入れています。

知識を覚えることをゴールにするのではなく、実践し、振り返り、次のステージへ進んでいく。
その繰り返しによって、自分自身で事業を動かせる力を育てていきます。
こうした取り組みを続けるなかで、実際に独立し、経営者として新しい一歩を踏み出す人も増えてきました。

これまで体系的な独立支援制度を通じて、約40名が法人を設立し、そこから実店舗の新規出店にもつながっています。

もちろん、最初から「自分は経営者になる」と決めていた人ばかりではありません。
実際の現場にインターンとして関わることをきっかけに、

「自分にもできるかもしれない」
「いつか自分のお店を持ってみたい」
「仲間と一緒に事業をつくる面白さを知った」

と、将来の選択肢が広がっていった人もいます。

【インターン生事例①:参加したきっかけ → 実践を通して感じた変化 → 今後挑戦したいこと】

【インターン生事例②:参加前に抱えていた悩み → 現場で得た経験 → 将来の展望】

また、独立した人との関係がそこで終わるわけではありません。

それぞれが経営者として自分の事業に挑戦しながら、必要なときには知恵や経験を共有する。そんな共に挑戦できる関係法人の輪も少しずつ広がっています。

さらに、学生と経営者が食事をしながら直接話せる「社長メシ」などの機会を通じて、これから社会に出る若い世代にも、経営者のリアルな経験を伝える活動を続けています。

特別な才能を持つ一部の人だけが経営者になれるのではなく、すでにある仕組みから学び、実践と改善を積み重ねていくことで、経営という選択肢をもっと身近なものにしていきたいと思っています。

私が独立支援に込めている想い

私自身が経営を志したときにも、本を読んだり、知識を学んだりしました。
もちろん、それらはとても役に立ちました。
でも実際に経営を始めてみると、本を読むだけでは身につかないものの方が、むしろ多いことに気づきました。

人との向き合い方。
失敗したときに、もう一度立ち上がる力。
仲間を信じること。
自分とは違う考え方を受け入れること。
そして、自分自身が人として成長し続けること。

経営とは、数字をつくることだけではないと私は思っています。

私が考える「本当の成功」は、売上や利益といった「事業での実績」だけでなく、「人としての成長」も伴っていることです。

これからAIがさらに進歩し、コンピューターが担う仕事はますます増えていくでしょう。

それでも、感情と感情でつながるチームをつくること。
相手を思いやること。
ときには意外性やユーモアを交えながら、人の心を動かすこと。

こうしたコミュニケーションは、人だからこそ生み出せる価値だと思っています。

だから私は、「理屈を超えた、家族のようなチームづくり」を一つの理想として掲げています。

肩書きや立場だけで人を見るのではなく、「個」と「個」で向き合い、本音でコミュニケーションを取る。
うまくいっているときだけではなく、悩んでいるときや失敗したときにも向き合える関係をつくる。

それが、長く続く事業や組織につながっていくと考えています。

私が考える起業・独立支援の本質は、ノウハウを教えて終わることではありません。

一人ひとりが持っている可能性を信じ、実践する機会をつくり、失敗も成功も共有しながら、一緒に成長していくこと。
そして、その中から今度は次の誰かを応援する人が生まれていくこと。
そんな仲間の輪を、これからも少しずつ広げていきたいと思っています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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