「日本語はできるはずなのに、指示が伝わらない」
「1年もたずに、突然辞めてしまった」
外国人雇用の相談で、いちばん多い声です。そして多くの会社が、こう結論づけます。「外国人は難しい」と。
でも、東南アジアの現地校で人を育て、日本の会社で働くところまで見届けてきた立場から言うと、辞める理由の多くは本人ではなく、受け入れる会社の側にあります。
辞めたんじゃない。逃げられたんです。
辞める理由は「3つの軸」に分けると見える
外国人スタッフが辞める背景は、次の3つに分けて見ると整理できます。
【1】現場環境:指示やルールが、本当に伝わっているか
口頭だけの指示、ふりがなのない貼り紙、「見て覚えて」。日本語が話せても、仕事の言葉は別物です。伝わらないまま叱られ続けると、職場にいづらくなります。
【2】生活支援:仕事の外で、暮らしにつまずいていないか
住まい、病院、役所の手続き、そして給与明細。税金や保険が引かれた手取りを見て「だまされた」と感じる人もいます。暮らしの不安は、そのまま辞める理由になります。
【3】心理的安全:本音を相談できる場所があるか
「突然いなくなった」の多くは、相談できる相手がいないことから始まります。母国語で話せる相手がいるかどうかで、早めにSOSが届くかが変わります。
今日からできる、5つのセルフチェック
次の5つに「できている」と言えるか、確かめてみてください。
□ 雇用契約・労働条件を、本人の母国語で説明し、納得してもらっている
□ 指示書やマニュアルを、図・ふりがな・母国語で分かりやすくしている
□ 在留資格の更新を、会社が期限を管理して手伝っている
□ 仕事以外の悩みも、母国語で相談できる相手がいる
□ 昇給・資格など、この先の道を本人に見せている
1つでも「できていない」があれば、そこが“逃げられる”入口になっているかもしれません。
まずは、自社の“現在地”を知ることから
人間ドックと同じで、症状が出る前に見つけるほど、手当ては小さく済みます。
30分のビデオチャットで、受け入れ環境を3つの軸で一緒に整理し、いちばん先に手を打つべきところをお伝えしています。
次回は、2027年4月に始まる育成就労制度の「転籍」について。外国人が“会社を選ぶ側”になると、何が変わるのかを書きます。