なぜ2位のクシュタールが1位のセブン&アイを買収しようとしているのか?

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普通に考えれば、業界2位のクシュタールが1位のセブン&アイに買収される側になってもおかしくないのに、なぜ逆の構図になっているのか?🤔

 1. 時価総額の差
 • セブン&アイの時価総額:約4.7兆円(2024年時点)
 • クシュタールの時価総額:約7.5兆円
→ クシュタールのほうが企業価値が高い!
→ クシュタールは単なる「2位」ではなく、企業規模としてはセブン&アイを上回っている

 2. セブン&アイはコンビニ事業だけではない
 • セブン&アイは「イトーヨーカドー」や「そごう・西武」など、非コンビニ事業も持っている
 • しかし、スーパー事業は苦戦しており、コンビニ事業(セブン-イレブン)が主力事業になっている
 • クシュタールはコンビニ特化の会社であり、コンビニ業界の覇権を握るために買収を仕掛けている

 3. 海外市場での成長戦略
 • セブン&アイは日本のコンビニ事業ではすでに飽和状態
 • 北米市場が重要な成長エリア
 • クシュタールは北米に強いが、セブン-イレブンのブランド力が欲しい
→ 買収で北米市場を完全に支配できる

🤔 なぜセブン&アイは逆にクシュタールを買収しないのか?

 1. 買収するだけの資金がない
 • セブン&アイはイトーヨーカドーなど不採算事業も抱えており、大規模買収する余裕がない
 • クシュタールの時価総額(7.5兆円)はセブン&アイより大きく、逆に買収するのは難しい

 2. セブン&アイの経営陣が北米市場を失いたくない
 • セブン-イレブンの北米事業は収益の柱になっている
 • クシュタールに買収されると、北米市場の主導権を失う
 • だからこそ「2000店舗売却しろ」と強く主張している

 3. クシュタールは「敵対的買収」に動いている
 • クシュタールは「友好的な交渉」ではなく、**敵対的買収(株主を味方につけて会社を乗っ取る)**を狙っている可能性が高い
 • セブン&アイの経営陣はこれを阻止したいので、激しく対立している

💡 結論
 • クシュタールは単なる「2位」ではなく、企業価値では「1位」より大きい
 • セブン&アイのコンビニ事業は世界的に魅力があるが、非コンビニ事業が足を引っ張っている
 • セブン&アイがクシュタールを買収するのは資金的に難しく、むしろクシュタールの方が買収しやすい立場にある



🤔 なぜ2位のクシュタールの時価総額が1位のセブン&アイより大きいのか?
普通に考えると、業界1位のセブン&アイの方が時価総額が大きくても良さそうですが、クシュタールの方が上回っているのは 「ビジネスモデルの違い」 によるものです。

🛒 1. クシュタールは「資産を持たない」ビジネスモデル

クシュタールは フランチャイズ中心 のビジネスを展開しており、多くの店舗を直営ではなくフランチャイズオーナーに運営させています。
 • 直営店が少なく、店舗運営のコストが低い
 • フランチャイズ収入が安定して入る(利益率が高い)
 • 土地や建物などの固定資産をあまり持たない(財務リスクが低い)

結果として、 少ない投資で効率的に利益を出せる ため、市場からの評価が高くなり 時価総額が大きくなる のです。

🏢 2. セブン&アイは「総合小売業」なので評価が低い

一方、セブン&アイは コンビニだけでなく、スーパーや百貨店(イトーヨーカドー・そごう・西武)などを抱える「総合小売業」 です。
 • スーパー・百貨店事業が足を引っ張っている
→ 日本国内のスーパー・百貨店は厳しい競争環境にあり、利益率が低い
→ これらの事業を抱えているため、全体としての成長性が低く評価される
 • 固定資産(店舗・土地)を多く持っている
→ 収益性は高いが、不動産リスクがある(売却や閉鎖が簡単ではない)

このような理由から、市場はセブン&アイを「成長する企業」ではなく「成熟した企業」として評価し、時価総額が相対的に低くなっているのです。

🌍 3. クシュタールの成長市場が高評価

クシュタールは カナダ・アメリカ・欧州など、世界中で成長を続けている 企業であり、特に 北米市場での成長性が期待 されています。
 • M&A(企業買収)を積極的に行い、拡大を続けている
 • ガソリンスタンド併設型コンビニを多く展開し、収益源が多様化している
 • 欧州やアジア市場にも進出を検討し、グローバルな成長戦略を持っている

市場はこうした 成長企業の「将来価値」 を評価するため、 「今の利益」よりも「将来の可能性」が大きいクシュタールの方が時価総額が高くなる のです。
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🛒 セブン&アイがクシュタールに買収されたら、日本のセブン-イレブンも含まれる?

結論から言うと、「現時点では日本のセブン-イレブンは含まれない可能性が高いが、将来的には影響を受ける可能性がある」 です。

📌 1. クシュタールの買収対象は「北米事業」

クシュタールが買収を狙っているのは セブン&アイ全体ではなく、主に北米のコンビニ事業 です。
 • セブン&アイの 主力事業は北米の「7-Eleven」(米国の店舗数は1万3千店以上)
 • クシュタールは北米市場でのシェア拡大を狙っており、日本市場には特に関心がない

そのため、買収が実現しても 最初は「北米事業の買収」にとどまる可能性が高い です。

📌 2. しかし、親会社が変われば日本事業にも影響が?

もしクシュタールが セブン&アイの「親会社」となれば、日本のセブン-イレブンにも影響が及ぶ可能性 があります。
 • クシュタールが経営方針を変更すれば、日本のセブン-イレブンの運営にも影響
 • 例えば、日本国内のフランチャイズ契約の変更、経費削減策の実施など
 • 日本事業の売却リスクも?
 • クシュタールが「日本事業は不要」と判断すれば、日本のセブン-イレブンを売却する可能性も

実際に、セブン&アイは海外コンビニ事業の分離・売却も選択肢として検討していると言われています。

📌 3. そもそも買収が成功するかは不透明

現在の状況を見ると、セブン&アイは買収に強く反対しており、簡単には成立しなさそうです。
 • 独禁法の問題(北米で1位と2位の企業が統合すると市場の競争が減る)
 • セブン&アイの取締役会が買収を拒否
 • 日本の株主の反対も考えられる

そのため、仮に買収が進んでも、日本のセブン-イレブンがすぐにクシュタール傘下に入るとは限らない です。



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