環境問題読本③~現代社会・地学・生物・化学の4教科にまたがり、国語・英語でも取り上げられる学際的テーマ、それが「環境問題」です。
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3、世界的異常気象(unusual weather)
(1)酸性雨(acid rain)
自動車の排気ガスや工場の排煙に含まれる硫黄酸化物(SOx)や窒素化合物(NOx)が大気中で化学変化を起こし、pH(ペーハー:水素イオン濃度)5.6以下の酸性の雨や霧となって降ることを言います。このため、湖沼を酸性化させて魚類を死滅させたり、森林の枯死や歴史的建造物の腐食などが起こっています。主にヨーロッパで被害が大きく、中国でも被害が拡大しています。例えば、中国の工場の排煙が風や気流に乗って日本に酸性雨を降らすこともあり、公害問題の「汚染者負担の原則」が使えないことは一目瞭然です(汚染者を特定できません)。地球環境問題の最たる例の1つと言えるでしょう。
(2)砂漠化(desertification)
国連環境計画(UNEP)によると、耕作可能な乾燥地域の70%、110ヵ国以上が砂漠化の影響を受けているとされ、過剰な草地での放牧や薪炭材の伐採、不適切な灌漑に伴う農地の塩害など、土地の再生力を超える使い方も原因と見られています。地球サミットで条約策定の道筋がつけられ、1994年に「砂漠化対処条約」を採択、日本も同年署名していますが、砂漠化の進行は食い止められていません。毎年600万ヘクタールが砂漠化し、これに伴う経済損失は420億ドル。10億人以上が生活を脅かされ、1億3500万人以上が難民化の危機に立たされていると言います。
(3)森林の減少(deforestation)
熱帯を中心に問題となっているのが森林の減少です。国連食糧農業機関(FAO=Food and Agriculture Organization of the United Nations)によると、1990年代は毎年1460万ヘクタールの森林が減少する一方、再生は同520万ヘクタールにとどまり、10年で約9400万ヘクタールが消失したと言います。特に熱帯では天然林は毎年、日本の本州の面積の3分の2に当たる1420万ヘクタールが減少しており、熱帯林は世界の野生生物の半数が生息するとされ、その消失は生物種を減少させるだけではなく、森林が吸収した二酸化炭素を放出させるため、地球温暖化も加速させると見られています。
(4)エルニーニョ現象
南アメリカ大陸のペルーやエクアドルの沿岸から赤道沿いに、太平洋のほぼ東半分の海面の水温が例年より上昇する現象で、これが続くと、場所によっては大雨が降ったり、逆に干ばつになったりと、様々な異常気象が起きる可能性が高いと言います。「エルニーニョ」はスペイン語で「神の子」という意味で、逆に同じ海域でいつもより水温が下がる現象を「ラニーニャ現象」(「ラニーニャ」はスペイン語で「女の子」という意味)と呼びます。1993年にエルニーニョ現象が起きた時には日本では記録的な冷夏となり、東北地方では稲が実らないまま秋になるなど、損害は約9,000億円に上りました。2002年8月にドイツ、ポーランド、オーストリアなどの国々で150年ぶりの大洪水が起きて90人以上が死亡したのも、エルニーニョ現象が原因であると見られています。