「復活は難しいでしょうか。ほかにできることはありますか」。Meta社へ書面が届いてから1か月あまり、何の連絡もない中で、ご依頼人からこうしたご質問をいただきました。アカウントは、お子さまの活動を記録するために保護者が運営していたInstagramです。停止画面には「この決定に対する再審査はリクエストできません」と表示され、異議申し立てのボタンもありませんでした。動きがあったのは、書面の到着から約4か月後のことです。Meta社の代理人から親子のマイナンバーカードと戸籍謄本の提出を求められ、提出して2日でアカウントが戻りました。当事務所がお伝えしている目安を大きく超えた事例として、待っている間にご依頼人とどんな話をしたのか、親子の書類を求められたら何を確かめればよいのかをまとめます。
目安は1〜2か月。本件は約4か月かかりました
当事務所はInstagramのご依頼人に、「最近の傾向ですと、書面が届いてから1か月〜2か月ほどでMeta社からメールか書簡が届き、その指示に従うことで解除されることが多い」とお伝えしています。本件はこの目安に収まりませんでした。流れは次のとおりです。
・ある日:DMを使っている最中に突然ログアウトされ、そのまま停止。同じ日に関連アカウントも停止
・停止の直後:当事務所へご相談。関連アカウントだけがパスポートの提出で復旧
・数日後:書面を作成し、米国のMeta社宛に発送
・到着から1か月あまり:連絡がないため、ご依頼人から「ほかにできることは」とご質問
・到着から約4か月:Meta社の代理人から、親子のマイナンバーカードと戸籍謄本の提出を求められる
・提出から2日:アカウントが復活。理由の説明もメールもなし
書面の到着から約4か月は、目安の倍にあたります。もっと早く動く例も、動かないまま終わる例もあります。本件は「遅れて動くことがある」という一例で、同じ経過をたどるとは限りません。
「再審査はリクエストできません」、異議申し立てのボタンもない
停止は前触れなく起きました。保護者がDMを使っている最中にログアウトされ、ログインし直そうとすると、次の画面が表示されました。
【再現イメージ】Instagramの画面:あなたのアカウントが停止されました
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○○○○にアクセスできなくなりました
この措置が取られた理由
あなたのアカウントまたはアカウントのアクティビティがコミュニティ規定に違反していると判断されました。
この措置による影響
他の人はあなたのアカウントを表示したり検索したりできず、あなたはアカウントを使用できません。あなたの情報はすべて完全に削除されます。
この決定に対する再審査はリクエストできません。
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※停止画面(実際の画面をもとにした再現イメージ。太字は当事務所による)
どの投稿や行為が問題とされたのかは書かれていません。登録メールアドレスには、迷惑メールフォルダまで確かめても、停止を知らせるメールが1通も届いていませんでした。
ご依頼人が特に気にされていたのは、異議申し立ての画面が最初から出なかったことです。こうしたことはよくあるのか、見込みは下がるのか、というご質問に、当事務所は、突然停止されること自体はよくあり、それだけで見込みが下がるとは考えていないとお答えしました。実際、アプリから手続きのできない方が書面でのご相談に来られることは珍しくありません。
同じ日に止まった関連アカウントは、パスポートでその日のうちに戻りました
同じ日に、同じ保護者が運営していた関連アカウントも止まっていました。こちらに届いたのは、まったく別の内容のメールです。
【再現イメージ】件名:アカウントがブロックされました - Instagramを利用できる年齢に達していないようです
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コミュニティへの参加にご興味をお持ちいただきありがとうございます。残念ながら、あなたはInstagramアカウントを持てる年齢に達していないようです。
(以下略)
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※関連アカウントに届いたメール(実際のメールをもとにした再現イメージ)
保護者がご自身のパスポートを提出すると、その日のうちに次のメールが届き、関連アカウントと連携していたFacebookも元に戻りました。
【再現イメージ】件名:○○○○を再びご利用いただけます
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審査をリクエストいただきありがとうございます。あなたのアカウントを審査した結果、アカウントのアクティビティはInstagramを利用できる人に関する利用規約に沿ったものであることが確認できましたので、再びInstagramをご利用いただけます。
弊社の誤りによりしばらくの間Instagramをご利用いただけなかったことをお詫びいたします。
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※復旧を知らせるメール(実際のメールをもとにした再現イメージ。太字は当事務所による)
年齢を理由に止めたアカウントについて、Meta社は「弊社の誤り」と認めました。一方、メインのアカウントには年齢の話が一切なく、理由は「コミュニティ規定」の一言で、審査の入口もありません。同じ保護者が同じお子さまの活動を発信していても、止まり方によって戻る手段がこれだけ違うということです。
メインのアカウントは、有料の認証サービス「Meta認証(Meta Verified)」に加入していました。ご依頼人はそのサポート窓口に問い合わせましたが、停止によって認証そのものが外れ、「この窓口では調査を続けられない。別の認証アカウントから問い合わせてほしい」との案内を受けます。関連アカウントを認証に登録して尋ね直しても、「現時点では停止の原因を確認できない」という回答でした。有料のサポートがあっても、停止の理由にはたどり着けなかったことになります。
書面の柱は「運営者が成人であることは、Meta社の手続きで確認済み」
アプリから手続きができないため、当事務所は「アカウント停止解除申請書」を作成し、英訳して米国のMeta社へ送ることにしました。メインのアカウントの停止理由は年齢に触れていません。ただ、同じ日に同じ保護者の関連アカウントが年齢を理由に止まっていたため、書面では運営者が成人の保護者であることを前面に出しました。
Meta社は2025年7月23日の公式発表で、「we allow adults to run accounts representing children under 13 if it's clear in the account bio that they manage the account」と述べています。プロフィールで大人の管理が明らかであれば、大人が13歳未満の子どもを代表するアカウントを運営できるという内容です。本件の運営者は成人の保護者で、メインのアカウントは、政府発行の身分証明書で本人確認を行う仕組みの認証サービスに加入していました。さらに、同じお子さまの活動を発信する関連アカウントは、パスポートの提出を受けてMeta社自身が復旧しています。運営者が成人の保護者であることは、複数の手続きですでに確認されているはずだ、という組み立てです。保護者のパスポートの写しも添付しました。
あわせて、Meta社の透明性センター「アカウントの信頼性」のページの記載に照らした指摘も入れました(下の引用は、2026年11月1日に現在の原文を確認したものです)。
・「コンテンツを削除するたびに通知を出し、ほとんどの場合、違反の性質や適用される制限に関する情報も利用者に提供します」とあるのに、本件では理由の説明がなく、メールも届いていないこと
・「弊社のポリシー施行措置は、違反の重大度、アカウントでの違反の履歴、コミュニティにもたらすリスクや危害に比例するように設計されています」とあるのに、警告も制限もなく即時の停止となっていること
・アプリ内で再審査を求める道が閉ざされていること
原案をお読みいただいた後、ご依頼人から、停止より前に不正アクセスが疑われることが起きていたので具体的に書いてほしい、とのご希望がありました。身に覚えのない操作があり、その後ログインできる状態に戻っていたものです。そこで、停止の根拠とされた「アクティビティ」にその時の挙動が含まれているなら、正当な運営者である保護者が責任を問われるべきではない、という段落を加えました。時期も履歴に合わせて直しています。こうした事実の確認は、書面を作る側だけではできません。
業務範囲について:当事務所が行うのは、お客様ご本人の主張を整理した書類(アカウント停止解除申請書・書留郵便物)の作成と発送の代行です。行政書士はMeta社との交渉や代理を行うことはできません。また、書面の送付により必ずアカウントが復活することをお約束するものではなく、解除を保証するものではありません。結果には個別の事情による差がございます。
サポートに案内されたアイルランドの住所には、送りませんでした
書面の英訳が進んでいたころ、ご依頼人から「念のため」と連絡がありました。Meta社のサポートから、法務部門の連絡先としてアイルランド・ダブリンのオフィスの住所を案内されたというのです。
当事務所は、送付先は実績のある方がよいとお伝えし、ご依頼人も同意されたので、予定どおり米国のMeta社宛に発送しました。当事務所の経験では、Instagramの書面は日本法人に送っても、代理人弁護士から米国法人宛に送るよう連絡があるため、最初から米国宛に絞っています。送り方は、日本からの国際郵便ではなく米国内からの書留郵便(配達記録付き)です。送付経路の詳細は当事務所が受任実績から積み上げてきた運用ノウハウの中核にあたるため、記事内での詳しい記載は控えさせていただきます。なお、日本の内容証明郵便は国内専用の制度のため、海外宛には使えません。
案内された住所が誤りだという話ではありません。ただ、停止された本人が案内された窓口と、書面が実際に処理された実績のある送付先は、同じとは限りません。住所を案内されたときは、そのまま送る前に、どこへ送ると何が起きてきたのかを確かめる価値があります。
連絡がないまま1か月あまり。ご依頼人にお伝えしたこと
書面の到着から1か月あまりがたった頃、「復活は難しいでしょうか。このあと、ほかにできることはありますか」とご質問をいただきました。お伝えしたのは次のことです。
解除に至らない場合でも、先方から書簡が届くことがあります。本件では何も届いていなかったので、審査に時間がかかっている可能性があるとお答えしました。そのうえで、書面の再発送や内容を改めた再作成も可能であることをご案内しています。
ご依頼人はもうしばらく待つことを選ばれ、続けて「1度目で無理で、2回目で治るパターンは実際にありますか」と尋ねられました。これには率直に、1度目が不可で再発送を行ったケースがほとんどなく把握できていないこと、一方で、解除の後に再び停止され、再発送で解除された例は多いことをお答えしました。分からないことは、分からないとお伝えしています。
その後も、目安の2か月を過ぎて連絡のない状態が続きました。結果から見れば、本件は再発送を急がなくても動きがあったことになります。ただ、これは本件の結果にすぎません。書面がいつ、どう審査されていたのか、なぜ約4か月かかったのかを、Meta社は明らかにしていないからです。
現在、当事務所では、書面の到着から2か月ほど経っても連絡も解除もない場合は、メッセージでお知らせいただくようお願いしています。その時点の状況を伺い、改めて書面を送る方法など、取りうる方法をご案内するためです。何もせずに待つか動くかは、状況によって答えが変わります。
約4か月後、Meta社の代理人から親子の書類を求められました
ご報告が届いたのは、それからだいぶ後のことでした。
「Meta社の代理人から、親子のマイナンバーカードと戸籍謄本を提出するよう言われました。そのとおり提出したところ、2日で戻ってきました。原因についての言及もメールもなく、突然の復活でした。」
――ご依頼人からのご報告(要旨)
当事務所はMeta社とのやり取りに関わっておらず、依頼の文面そのものも拝見していないため、ここからはご報告に基づいて書きます。
当事務所の別の事例では、Meta社の代理人から求められたのはパスポートかマイナンバーカードの写真でした。本件ではそこに、お子さまの書類と戸籍謄本が加わっています。Meta社は理由を説明しないので断定はできませんが、書類の組み合わせを見ると、運営者が成人であることに加えて、写っているお子さまの保護者であることまで確かめようとしたのではないかと考えられます。
ご報告に対して当事務所からは、Meta社は解除の理由を説明しないことも多いので、連絡がないまま戻ったことを心配いただく必要はないとお伝えしました。解除の時に何の知らせも来ないのは、本件に限った話ではありません。
書面が解除の決め手になったのかどうかは、分かりません。ただ、Meta社の代理人が親子の書類を求めてきた時点で、アカウントについて人による確認が動いていたことはうかがえます。保護者が運営している事実と本人確認の経緯を書面で伝えていたことが、その確認につながった一因ではないかと考えていますが、これは推測です。
解除までの期間や結果は、個々のケースによって大きく異なります。もっと早く動く例も、書面の送付後も動きがない例もあります。必ず同じ結果・同じ期間になるとは限りません。あらかじめご了承ください。
親子の書類を送る前に確かめてほしいこと
お子さまの本人確認書類と戸籍謄本は、ご家族の情報がそのまま載った書類です。本件のように求められたら、書類を集める前に、まず連絡の中身を読んでください。
確かめたいのは、ご自身が送った申請に触れた連絡かどうかです。Meta社を名乗る連絡の中には、アカウントの復旧を口実にしたなりすましもあります。パスワードや認証コードの入力、送金を求めるものには応じないでください。
マイナンバーカードは、裏面の扱いに注意が必要です。デジタル庁のFAQ(Q4-1-3)は、法令や条例で定められた手続き以外で身分証明書として本人確認に使う場合について、「マイナンバーカードの裏面に記載されたマイナンバーを書き写したり、コピーを取ったりすることはできません。」としています。本人確認に使うのは、氏名や顔写真のある表面です。「マイナンバーカードの写真を」と言われたら、表面だけを送ることを考えてください。
戸籍謄本には、本籍と、同じ戸籍に入っている方全員の情報が載ります。必要なのがお子さまとの親子関係の確認なのか、指定された書類の種類はどれなのかを読み取ったうえで、案内された方法で提出します。読んでも判断がつかなければ、送る前にご相談ください。当事務所がMeta社と連絡や交渉をすることはできませんが、届いた連絡を受けてのご不安やご質問には、メッセージでお答えしています。
当事務所の対応
当事務所では、SNS凍結解除の内容証明郵便・国際郵便の作成発送代行を年間数百件規模で承っております。書面の文章はすべて当事務所で作成し、原案をご確認いただいてから発送します。本件のように、原案を読んでいただいて事実を足していただくこともできます。
よくある質問(FAQ)
Q. 「この決定に対する再審査はリクエストできません」と表示され、異議申し立てのボタンもありません。もう戻らないのでしょうか?
そうとは限りません。本件も同じ表示で異議申し立てのボタンがありませんでしたが、書面を米国のMeta社へ送付し、到着から約4か月後に復活しました。ただし、書面を送れば必ず戻るものではなく、結果や期間は個々の事情によって異なります。
Q. 書面が届いてから2か月を過ぎても連絡がありません。諦めるしかないですか?
目安を過ぎても、諦めるしかないとは言い切れません。本件では、書面の到着から約4か月後にMeta社の代理人から連絡がありました。解除に至らない場合でも先方から書簡が届くことがあるため、何も届いていないこと自体が結論とは限りません。当事務所では、到着から2か月ほど経っても連絡も解除もない場合はメッセージでお知らせいただき、状況を伺って取りうる方法をご案内しています。
Q. Meta社の代理人から、親子のマイナンバーカードと戸籍謄本を求められました。どうすればよいですか?
まず、ご自身が送った申請に触れた連絡かどうかを確かめ、パスワードや認証コードの入力、送金を求めるものでないことを確認してください。マイナンバーカードの裏面にはマイナンバーが記載されており、デジタル庁のFAQは、法令で定められた手続き以外の本人確認で裏面を書き写したりコピーを取ったりすることはできないとしています。判断に迷うときは、送る前にご相談ください。本件では、指定された書類の提出から2日でアカウントが戻りました。
Q. Meta認証(Meta Verified)に入っていれば、停止されてもサポートで解決できますか?
本件では解決しませんでした。停止によって認証そのものが外れ、その窓口では調査を続けられないと案内されました。別のアカウントを認証に登録して問い合わせても、停止の原因は確認できないという回答でした。
Q. 同じ日に複数のアカウントが止まりましたが、1つだけ先に戻りました。残りも同じ方法で戻りますか?
同じ方法で戻るとは限りません。本件では、年齢を理由に止まった関連アカウントはパスポートの提出でその日のうちに戻りましたが、メインのアカウントは理由の記載が違い、審査をリクエストする入口がありませんでした。表示された理由と、どの手続きが使えるかをアカウントごとに確かめてください。
Q. 解除されたら、Instagramから知らせが届きますか?
届かないことがあります。本件ではメールも原因についての言及もなく、突然アカウントが戻っていました。一方、同じ事例の関連アカウントでは復旧を知らせるメールが届いています。書面の送付後は、ときどきログインを試して確かめてください。
ご相談について
SG行政書士法務事務所では、X(旧Twitter)・Instagram・FacebookなどSNS凍結解除の内容証明郵便・国際郵便の作成発送代行を年間数百件規模で承っております。再審査の画面が出ないケースも、停止画面や届いたメールの内容をもとに、対応の可否や進め方を確認のうえでご案内いたします。Instagramの停止でお困りの方は、ココナラの出品サービスよりお気軽にご相談ください。
執筆:行政書士 重松 祐達(SG行政書士法務事務所 代表)
日本行政書士会連合会 第23191059号 / 愛知県行政書士会 中央支部 第6790号
Instagram・Facebook・X(旧Twitter)などSNS凍結解除の内容証明郵便・国際郵便の作成発送代行を年間数百件規模で受任。本記事は実際の受任案件をもとに、個人が特定されないよう一般化して構成しています。行政書士は相手方との交渉・代理を行うことはできず、裁判手続きが必要な場合は弁護士へのご依頼をご検討ください。
免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的助言を構成するものではありません。掲載した事例は実際のご相談をもとに、個人が特定されないよう内容を一般化して再構成したものです。アカウントの復旧を保証するものではなく、結果は個々の状況により異なります。当事務所は書類の作成・発送代行を行うものであり、相手方との交渉・代理は行いません。また、本記事の内容は作成時点の情報に基づいており、Meta社の運用方針・仕様や法令の変更により内容が変わる場合があります。