いつもありがとうございます。
WEB・グラフィックデザイナーのノマキエデザインです。
チラシやパンフレットを制作するとき、たくさんの文章や資料をお預かりすることがあります。
「このサービスの特徴も伝えたい」
「会社の強みも載せたい」
「料金や利用方法も必要」
「お問い合わせ先も忘れずに」
どれも大切な情報です。
ですが、いただいた文章をそのまま紙面に流し込めば、伝わるデザインになるのでしょうか?
私は、そうとは限らないと考えています。
情報が多いときほど、見た目を作る前に、情報の構造を考える。
今回は、ノマキエデザインが制作で大切にしている「情報整理と構成設計」についてのお話です。
原稿がそろっていても、構成が決まっているとは限らない
たとえば、A4チラシ用にたくさんの文章をいただいたとします。
サービスの特徴、会社紹介、料金、利用の流れ、お問い合わせ先など、必要な情報はひと通り入っています。
ただ、そのままの順番で並べればいいとは限りません。
読む人にとっては、
「これは何のサービス?」
「自分に関係があるの?」
「どんなメリットがあるの?」
「どうすれば利用できるの?」
という疑問があるかもしれません。
原稿に書かれている順番と、読み手が知りたい順番は、必ずしも同じではないのです。
そこで私の場合は、必要に応じて文章を読み込み、情報の役割や優先順位を整理するところから考えます。
最初に「誰に、何を伝えるか」を確認する
同じサービスのチラシでも、読む人によって必要な情報は変わります。
たとえば、初めてサービスを知る人には、まず「何をしてくれるのか」を簡潔に伝える必要があります。
一方、すでに興味を持っている人には、料金や利用条件、具体的な手続きの方が重要かもしれません。
そのため、情報の構成から考える案件では、
・誰に向けたものなのか
・どんな場面で使うのか
・読んだ後にどうしてほしいのか
を確認します。
すべての情報を同じ強さで見せるのではなく、目的に合わせて優先順位を決める。
これが情報構造を考えるうえでの出発点です。
情報をグループに分ける
次に考えるのが、原稿の分類です。
たとえば、チラシの原稿を次のように分けます。
・サービスの概要
・利用する人のメリット
・具体的なサービス内容
・実績や信頼につながる情報
・利用方法や料金
・お問い合わせ先
こうして整理すると、似た内容が重複していたり、逆に必要な説明が不足していたりすることに気づきやすくなります。
また、A4両面のチラシであれば、
「表面は興味を持ってもらうための情報」
「裏面は詳しく検討するための情報」
というように、役割を分けることもできます。
もちろん、これは一例です。用途によっては、表面に詳しい情報を置く方が適している場合もあります。
大切なのは、情報をただ並べるのではなく、それぞれに役割を持たせることです。
文字を小さくする前に、情報量を見直す
原稿が多いとき、ついやってしまいがちなのが、
「全部入るように文字を小さくしよう」
という考え方です。
もちろん、限られた紙面では文字サイズの調整が必要になることもあります。
でも、文字を小さくすれば解決するとは限りません。
・同じ説明が繰り返されていないか
・見出しだけで伝わる内容はないか
・文章を箇条書きにできないか
・図にした方が分かりやすい情報はないか
・詳細はWebサイトへ案内できないか
といったことも検討します。
ただし、ここで重要なのは、原稿を勝手に削ったり、内容を変更したりするわけではないということです。
情報の省略や表現変更が必要な場合は、依頼者へ確認します。
また、原稿の大幅な再構成や文章作成には、通常のレイアウト制作とは異なる作業が必要になる場合があります。
情報構造が決まってから、見た目を整える
情報の優先順位やグループが決まると、デザインの方向性も考えやすくなります。
一番伝えたいことは大きく見せる。
関連する内容は近くにまとめる。
説明の順番が分かるように配置する。
必要に応じて写真や図、アイコンを使う。
こうした判断には、情報構造の設計が関係しています。
反対に、最初から色や装飾を作り込んでしまうと、後から構成を大きく変更する際に、作業をやり直すことがあります。
そのため私は、案件によってはモノクロのラフや文字中心の配置案を先に作り、情報量や構成を確認してから本格的なデザインへ進みます。
どの情報を、どの順番で、どのくらい目立たせるか。
私にとって、これも大切な設計の仕事です。
情報整理や構成設計も、専門的な作業です
ここで、ひとつお伝えしておきたいことがあります。
原稿を指定された位置へ配置する仕事と、原稿そのものを整理して構成から考える仕事は、同じではありません。
たとえば、
「この文章と写真を、指定のレイアウトでチラシにしてほしい」
という依頼と、
「資料はたくさんあるけれど、何を載せればいいか分からない。構成から考えてほしい」
という依頼では、必要な作業が違います。
後者には、情報の分類、優先順位づけ、構成の検討など、デザインディレクションや情報設計に関わる工程が含まれることがあります。
こうした工程は、デザイン制作を依頼すれば必ず含まれているものではありません。どこまで対応するかは、制作者やサービスの範囲によって異なります。
ノマキエデザインでは、情報整理や構成設計にも対応していますが、作業量や内容に応じて制作範囲と料金をご相談しています。
見た目を整える作業とは別に、情報を整理して伝わる構造を考えることにも、時間と専門的な判断が必要だからです。
専門家が作成した原稿は、その意図を尊重します
もうひとつ、原稿をお預かりする際に教えていただきたいことがあります。
それは、その原稿を誰が作成したのかということです。
たとえば、
・プロのライターさんが執筆した文章
・専門家が監修した説明文
・社内で何度も検討して確定した原稿
・法令や業界のルールに基づいて作成された文章
などです。
こうした原稿には、言葉の選び方や説明の順番に、専門的な判断や意図が込められている場合があります。
そのため、事前に「ライターさんに依頼して作成した原稿です」「専門家の監修済みなので、文章は変更しないでください」などと教えていただけると助かります。
ノマキエデザインでは、そうした原稿をこちらの判断だけで書き換えたり、削ったりすることはしません。
もし紙面に収まりきらない場合も、文字サイズやレイアウトの調整を検討し、文章そのものの変更が必要であれば、依頼者の方に確認します。
情報を整理することと、専門家が作った文章を尊重することは、両立できる。
私はそのように考えています。
法律や専門的な表現の確認について
広告や販促物では、掲載する内容によって法律や業界のルールへの配慮が必要になる場合があります。
たとえば、
・景品表示法に関わる商品・サービスの効果や価格の表現
・薬機法に関わる医薬品・化粧品などの広告表現
・専門的な知識や資格が必要な内容の説明
などです。
ノマキエデザインでは、情報の整理や構成設計、読みやすさの調整には対応していますが、法律上の適切さや専門的な内容の正確性について、監修・保証することはできません。
そのため、こうした内容を掲載する場合は、事前にご依頼者様側でご確認をお願いいたします。
ご依頼者様自身が該当分野の専門家である場合は、ご自身で内容をご確認ください。
そうでない場合は、必要に応じて法律や業界の規制に詳しい専門家へご確認いただいたうえで、原稿をご支給いただけると助かります。
また、制作途中で表現の変更が必要になった場合も、こちらの判断だけで専門的な文章を書き換えることはせず、確認を取りながら進めます。
「伝わるように整えること」と「その内容が正確で、法律上問題がないか判断すること」は別の専門領域です。
それぞれの役割を大切にしながら、制作を進めたいと考えています。
原稿が整理されていなくても、相談はできます
ここまで読むと、
「自分で全部整理してから依頼しないといけないの?」
と思うかもしれません。
でも、最初から完成した原稿を用意する必要はありません。
たとえば、
「伝えたいことを箇条書きにしたメモ」
「社内で使っている説明資料」
「過去に制作したチラシ」
「載せたい内容をまとめたWordファイル」
などからご相談いただくこともできます。
その際に、
・原稿をそのまま使える状態なのか
・情報の並べ替えが必要なのか
・文章の追加や整理が必要なのか
・構成から設計する必要があるのか
を確認し、必要な作業を整理します。
つまり、
「原稿が整理されていなくても相談できる」ことと、「原稿整理が無条件で制作料金に含まれる」ことは別です。
ご相談内容をもとに、必要な工程や費用を確認してから制作を進めます。
まとめ:情報の構造をデザインするという考え方
大量の原稿をいただいたとき、私が最初に考えるのは、
「どうすれば全部入るか?」
だけではありません。
「誰に伝えるのか?」
「何を最初に知ってほしいのか?」
「どんな順番なら分かりやすいのか?」
「読んだ後にどうしてほしいのか?」
ということです。
そのために、必要に応じて情報を分類し、優先順位を整理してから、紙面の構成を考えます。
私はこれを、「情報の構造をデザインする」ことだと考えています。
もちろん、すべての制作案件で構成から作り直す必要があるわけではありません。
すでに原稿や構成が整っている場合は、それを生かして見た目を整える方が適切なこともあります。
また、専門家が作成した原稿や法令に関わる表現など、それぞれの専門領域を尊重することも大切です。
大切なのは、依頼内容に対して、どこまでの作業が必要なのかを見極めることです。
ノマキエデザインでは、見た目のデザインだけでなく、情報整理・構成設計からのご相談にも対応しています。
情報も素材も整理して、伝わる・使えるデザインに。
そのために必要な工程を、依頼者の方と確認しながら進めていきたいと考えています。