~コナラの林で感じる、季節の揺らぎ~
ゴールデンウィークが過ぎ、初夏の陽射しが感じられる…はずの5月。
けれど今朝は、まるで季節が一歩後退したかのような冷たい風が吹いていました。こうした「五月冷え」は、春から夏へと向かう中で、ふとした瞬間に立ち止まるような季節のいたずらです。
近所の雑木林を歩いていると、コナラの若葉がふるふると震えていました。
まだ淡い緑の葉は、風に揺れるたびに陽を受けて銀色に光ります。芽吹いて間もないその姿は、どこか頼りなく、しかし確かな生命力を感じさせてくれます。
コナラはブナ科の落葉広葉樹。
秋にはどんぐりを実らせる木としても知られていますが、この時期のコナラには、また違った美しさがあります。
葉の裏側は細かい毛で覆われていて、冷えた風が吹くとその毛が小さく逆立ち、まるで木が寒さに身を縮めているようにも見えます。
自然は人間の暦には従ってくれません。
5月だから暖かいはず、という私たちの感覚をよそに、山も森も空気も、それぞれのリズムで動いています。
そんな「ずれ」に出会うと、むしろ自然の中に生きている実感が増して、少し嬉しくなります。
家に戻る頃には、足元のシロツメクサが朝露に濡れて輝いていました。
今日の冷えも、コナラの林も、たぶん明日には違う顔を見せてくれるはず。
五月の空の下、移ろう季節の表情をもうしばらく楽しんでいたいと思います。