ハラスメントトラブルが増えています。気になる人も増えています。
では、昔よりもハラスメント行為は激化しているでしょうか。
パワハラ上司は昔よりさらに暴力的に、セクハラ社長は昔よりさらに性欲まる出しで、カスハラ客は昔よりもっと激しく怒っているでしょうか。
そんなことはありませんね。むしろ逆で、昔よりも控えめになってきています。
それでもトラブルが減らないのは、受け手側の心理が変化しているからです。
昔のような「わかりやすいハラスメント」は見なくなりました。
それでもまだ、ハラスメントをするな、もっと言動に気を付けろ、と管理職を脅しても、良い効果は期待できないし、職場の雰囲気がさらにギスギスしてしまいます。
これらの現象の背景には、私たちの現実認識と対話法の問題があります。
このことを理解せずにハラスメント対策をしている会社、行政機関の皆さん。
実に無駄なことをしていますよ。
そのあたりはまた折に触れて記事にしてゆきますが、とりあえず、
言葉も、対話も、人間の理解力も不完全であり、人が他者を完璧に理解することは不可能である
という現実を、まずは受け入れましょう。
そして、「パワハラの境界線を基準としてパワハラが起きたかどうかを調査し判断する」という愚行をやめましょう。
職場のストレスがさらに蓄積し、退職者が増え、ギスギスした雰囲気になりますから。
先輩なら、上司なら、管理職なら、経営幹部なら。
部下の本音を的確に理解する対話力があって当然です。
今はそういう時代なのです。
これからは、なおさらそうなります。
自分の正しさや正当性を気にする前に、部下の心理状態を的確に理解し、不安をやわらげ、その能力を発揮できるような言動を自らが行うべきです。
偉そうなことを言う前に、部下が本音を言えるような先輩・上司・管理職・経営幹部であるべきだということです。
ハラスメントをしたかどうかなんてことは、本来どうでもいいのです。
人材を扱う者、部下を持つ者がどうあるべきか。
ただひたすら、その一点を評価し、是正すべき点があれば前向きに教育訓練を促してください。
もともと私たちは、そういうふうに生きてきたはずです。
組織の上層には人格的に優れた人がいるはずですよね。
でも部下とうまくやれない。穏やかな対話ができない。
そういうときに責任を問われてもうまくできません。
私はそういう管理職や経営幹部の皆さんに、やさしく働きかける心理と法務のカウンセラーです。
かなり高い確率で、さらに優秀な先輩・上司・管理職・経営幹部になるでしょう。
パワハラ気質の人の多くは仕事ができる人です。