トラブルとは少し違いますが、元画像を手作業で丁寧に書き起こし、ズレやかすれを整えてキレイなデータに仕上げ、無事納品。
すると、こんなお声をいただくことがあります。
「この部分は無くしてほしいので、消してください」
「トレースして綺麗な画像になったらなんかガタつきが気になるので直してもらえます?」
「ついでに入稿できるデータもください」
トレースとは何ぞや?と出品ページにも記載しており、サンプル画像もあり、事前の打ち合わせでも「元画像を手作業で忠実にトレースします」と説明はしているのですが、おそらく修正とトレースがごっちゃになっているのかなぁという感じです。
「トレースの依頼だったはずが、気づけば新しいデザインを起こす羽目になっていた」なんて経験、私も過去に一度や二度じゃありません。
なぜこういった事が起きてしまうのか?
1. 概念の違い
・トレースとは「忠実に書き写す事」
元画像・元データを忠実に書き写す作業です。いわゆるコピー。
デザインの意図や形状はそのままに、データ化・清書することが目的。
→ 例:ロゴを高解像度データ化、イラレデータに変換
・修正とは「変更・アレンジすること」
元デザインに変更やアレンジを加える作業です。
色やフォント、レイアウトの変更、不要な部分を削除して、新しい要素の追加などが含まれます。
→ 例:色味を変える、文字を追加する、配置を整える
なぜ混同されやすいのか
多くの方にとって「デザインデータ化=キレイに整えてほしい」というイメージがあるので、
「忠実に写すだけ」という“トレース本来の意味”が意外と知られていないんだと思います。
「元画像をベースにした別物を作る」
これって、トレースではなく“リデザイン”や“修正”の領域に入るんですよね。
2. 区別が大事
・トレースと修正は作業内容や工数が大きく異なるため、料金や納期が変わります
ご依頼者の立場から、作業範囲をはっきり伝えることでスムーズになります。
・トレースだけお願いしたい → 「元画像をそのままAIデータ化したい」
・修正やアレンジもお願いしたい → 「この部分を削除・変更してほしい」と具体的に伝える
事前にこうしたすり合わせをしておくと、
「思っていたのと違う」というモヤモヤを防げます。
双方が納得した仕上がりを得やすいと思います。
最後に。
この話、依頼者さんだけでなく、実は同業者でも混同されがちなテーマなんです。
そもそも「画像をきれいにしたい」という目的は同じなので、“紙一重の違い”のように見えるのも無理はありません。
だからこそ、こうして改めて「トレース」と「修正」の境界を整理してみました。
この記事が「なるほど、そういう違いだったのか」と感じていただけるきっかけになれば嬉しいです。