面接で見ておくこと

面接で見ておくこと

記事
コラム
保育士が仕事を探すとき。

求人票を見て、条件を確認して、応募する。

そして、面接や園見学へ行く。

そのとき、多くの人がまず考えるのは、

「採用してもらえるかな」
「ちゃんと答えられるかな」
「自分の経験をうまく伝えられるかな」

ということではないでしょうか。
私も、もちろんそうでした。

でも、これまでいくつかの園を見てきて、今になって思うことがあります。
面接では、園は私たちを見ている
でも同じように、
私たちも園を見たほうがよい

今回は、そんなことを考えるきっかけになった、ある園のお話です。


園長先生は、とても素敵な方

その園の園長先生は、とても感じの良い方でした。

お話をしていても嫌な感じはなく、保育に対する考え方にも共感できるところがありました。
「ここ、いい園かもしれないな」
そんな印象を持ったことを覚えています。
ところが、園見学や面接の中で、私はある小さな違和感を覚えました。
それは、主任の先生が、一度も笑わなかったこと

もちろん、それだけで何か問題があるわけではありません。

初対面です。
緊張していたのかもしれません。
もともと表情があまり変わらない方だったのかもしれません。
その日の体調や気分だってあるでしょう。

だから私は、「まあ、こういうこともあるよね」
と、その違和感をあまり気にしないことにしました。


園長先生が素敵だから、大丈夫

もしかすると、私はそんなふうに考えていたのかもしれません。
園長先生が素敵だった。
園の雰囲気も悪くない。
だから、「きっと大丈夫。」
そう思って、気になったことを深く考えませんでした。
そして、実際に働き始めました。

ところが、働き始めてから、私はその主任の先生との関係に悩むことになりました。
結果的に、主任の先生は私と話す時、笑顔ひとつなく、何かを言う時、依頼するとき、無表情でいう事が怖いと感じました。
そして、希望休の件で圧を感じてしまい、その園を退職することになりました。

人間関係は、そんな一つの出来事だけで決まるものではありません。
でも、今振り返ると、面接の際に、にこりとも笑わない主任に対し
歓迎されていないのではないか と思っていたのかもしれない。

そう思うのです。


違和感は「悪い園」の証拠ではない

ここは、誤解してほしくないところです。

園見学で、「この先生、あまり笑わないな」
と思ったからといって、
「この園はやめたほうがいい」ということではありません。

人にはそれぞれ性格があります。
無口な人もいます。
人見知りの人もいます。
初対面では表情が硬くなる人もいます。
私も真面目そう、怖そう、怒ってる?と言われます(笑)

だから、ひとつの出来事だけで人や園を判断する必要はありません。

では、なぜ違和感を大切にするのでしょう。
それは、違和感そのものが答えなのではなく、自分が何を感じたのかを知るための材料になるからです。

「私は、職員同士が笑顔で話している職場が好きなのかもしれない。」
「質問しやすい雰囲気の主任さんと働きたいのかもしれない。」
「園長先生だけではなく、現場の先生との関係も大切にしたいのかもしれない。」

そうやって自分の感覚を言葉にしていくと、
自分が職場に何を求めているのか
が少しずつ見えてきます。



「良い園」と「自分に合う園」は違う

就職活動をしていると、「この園、すごく良さそう!」と思うことがあります。

保育方針が素敵だったり、設備がきれいだったり、園長先生のお話に共感したり。
もちろん、そういうことは大切です。

でも、「良い園」と「自分に合う園」は、必ずしも同じではありません。
園として素晴らしい。
園長先生も素敵。
それでも、自分がそこで働いたときに、
「ちょっと息苦しいかもしれない」
と感じることはあるかもしれません。

逆に、「すごく魅力的な園というわけではないけれど、ここなら無理なく続けられそう」という園が、自分にとっては良い職場かもしれません。

だからこそ、面接では、採用されるかだけではなく、
私はここで働きたいと思えるだろうか
という視点も持っていていいのだと思います。



面接の帰り道に、自分に聞いてみる

面接や園見学が終わったら、すぐに結論を出さなくてもいい。

私は、これから就職する保育士さんには、一度家に帰ってから考えてみてほしいと思っています。
たとえば、
「良かったところは?」
「気になったところは?」
「誰と話したときに安心した?」
「逆に、少し緊張したのは誰だった?」
「職員同士の雰囲気はどうだった?」

そして、ここで働いている自分を想像できる?と。

その答えが「分からない」でもいいのです。
分からないなら、もう一つ別の園を見てみればいい。
いくつかの園を見ることで、
「あ、この雰囲気が私は好きなんだ」
「こういう職場はちょっと苦手なんだ」
と、自分の基準が見えてくることがあります。



その場で決めなくてもいい

面接をして、「ぜひ来てください」
と言っていただけると、嬉しいですよね。

必要としてもらえたことは、とてもありがたいことです。
でも、その場で答えを出さなくてもいい。

「ありがとうございます。少し考えてからお返事させてください。」

そう言って、一度持ち帰ってもいいのです。
就職は、その日一日の出来事ではありません。
これから毎日通う場所です。
一緒に働く人たちと過ごす場所です。
だからこそ、焦って決めるより、自分が納得して選ぶこと
を大切にしていいと思います。




 「園を見る」ポイント

今回の私の経験から、就職活動をする保育士さんに伝えたいのは、この3つです。
① できれば、いくつかの園を見てみる

一つの園だけを見ていると、「これが普通なのかな」と判断しにくいものです。

比較することで、自分に合う環境が見えてくることがあります。

② 面接の場で決めなくてもいい

採用のお話をいただいても、一度持ち帰って考えて大丈夫。

自分の生活や働き方を含めて、ゆっくり考えてみましょう。

③ 「なんとなく」を言葉にしてみる

「なんか気になった」
「ちょっと安心した」
「なぜか緊張した」
その感覚を、そのままにしない。

なぜそう感じたのかを考えてみると、自分が職場に求めているものが見えてくるかもしれません。



面接は、園が私たちを見る時間。
でも、私たちも園を見ています。
そして、私たちが選ぶのは、
採用してくれる園だけではありません。
自分らしく働き続けられる園を選んでいいのだと思います。

あのとき感じた小さな違和感を、私は「気にしすぎかな」と片づけてしまいました。
今なら、もう少しだけ、
「私は、何が気になったんだろう?」
と考えてみると思います。

違和感が正しいとは限りません。
でも、その違和感は、
自分自身が職場を選ぶために送ってくれている、小さなサインなのかもしれません。

次の面接では、ぜひ園を見てみてください。
そして、あなた自身のことも、ちゃんと見てあげてください。



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