最後の舞台が、もう一度、幕を開ける。

最後の舞台が、もう一度、幕を開ける。

記事
小説
二十年しまってあった脚本を、書き終えた。

前回、鑑定書も脚本と同じ作り方をしていると書いた。
その脚本を書いていた劇団の、最後の話をしようと思う。

■ 三十八歳、幕を下ろした

一時は三十人まで膨らんだ劇団だった。
三十八歳の年、最後の公演を迎えた。

メンバーが一人、また一人と、人生の決断期を迎えて抜けていった。
結婚。就職。地元に戻る。
みんな、次の場所へ歩き出していく。

劇団としての幕は、静かに下りた。

■ タイトルは、Knifeだった

最後の公演のタイトルは、Knifeといった。
時代劇×ファンタジー。
初演は二〇〇一年。

自分が書いた中で、いちばん気に入っている話だった。
だから、五年越しに、もう一度舞台にかけた。
それが、劇団としての最後の公演になった。

脚本も、演出も、自分でやった。
舞台美術だけは、外部のプロに頼んだ。
世界観を、もっとちゃんと客に届けたかったから。

幕が下りた瞬間のことは、今でもよく覚えている。

■ 二十年、置いたままだった

それから二十年、あの脚本は台本のまま、しまってあった。
もう一度日の目を見ることはないと思っていた。

でも今年、ふと思い立って、長編小説として書き直しはじめた。
脚本を書いていたときと、同じ感覚だった。

・・・

キャラクターが、動き出す。
私は、それを書き留めているだけだった。

■ 明日から、また動き出す

その小説が、書き終わった。
全三十六話。

明日9月11日20時から、毎日一話ずつ、カクヨムで公開していく。
タイムスリップした少年と、忍びの約束を交わす物語。

三十八歳で下ろした幕が、五十八歳で、もう一度開く。

明日の夜20時。
また、ここでお知らせします。

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