鷹を、飛ばせなかった時代があった。

鷹を、飛ばせなかった時代があった。

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三十八歳で、劇団を畳んだ。
最後の脚本のタイトルは、Knifeといった。

舞台には、鷹を飛ばせなかった。
できたのは、鳴き声と、役者の視線だけだった。

あの台本を、今年、長編小説として書き直した。
毎晩八時、カクヨムで一話ずつ公開している。

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読み返して、驚いたことがある。
二十年前の言葉が、思っていたよりずっと近くにあった。

近いはずなのに、奇妙でもあった。

戯曲は、ト書きしかない。
情景も、状況も、心の動きも、舞台の上では役者が体で見せるものだった。
それを今回、私が文章で書いている。

竹千代の友に、鷹がいる。名を冬光という。

舞台ではできなかった、大空を舞う場面を、今回は書けた。
竹千代と冬光の、温かなやりとりも。

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書いていて、どこかで知っている感覚だと思った。

タロットを読むときも、私は絵の中に入る。
風の冷たさ、周囲の匂い。そこまで感じ取って、言葉にする。

役者がいなくても、風の匂いは書けていた。

畳んだはずの舞台が、別の形で、また動き出している。
何かをやめた人にしか、始められないことも、あるのかもしれない。

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Knifeは、あと三十話ある。

忍びの才蔵や、くノ一の存在感も、話数を追うごとに増している。ぜひ、楽しんでほしい。

https://kakuyomu.jp/works/2912051607941798194

普段はタロット占い師として、鑑定もしています。
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えんたく

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