珍獣けだま、竿竹屋になる。

珍獣けだま、竿竹屋になる。

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コラム
# 珍獣けだま、竿竹屋になる。
### ~売る前に店を破壊する女~

世の中には、実にさまざまな職業がある。

そして珍獣けだまも、これまで実にさまざまな仕事を経験してきた。

そんな私の職歴の中でも、なかなか珍しいのが……

**竿竹屋である。**

そう!

「たっけや〜♪ さおだけぇ〜♪」

あの軽トラックで住宅街を走り回る、物干し竿の移動販売だ。

実はあれ、ちゃんと会社組織になっていて、営業マニュアルまで存在する。

しかも週に一度、営業の勉強会まであったのだ!

恐るべし、竿竹業界。(笑)

## おばあちゃんが財布を持って出てくる速度

竿竹屋には、走行速度の決まりがあった。

それは……

**「おばあちゃんが放送に気づき、財布を持って家から出てきても間に合う速度」**

なんとも具体的な基準である。(笑)

ちなみに、あの「たけや〜さおだけ〜」という声は録音された女性の声。

私が歌っていたわけではない。

住宅地図を片手に、走った道をマーカーで塗りつぶしていく。

細い路地も、行き止まりも、とにかく隅々まで走る。

行き止まりでは、軽トラをバックで脱出。

まるで住宅街の完全制覇ゲームである。

## 2本1,000円から始まる営業トーク

放送では、

「物干し竿、2本で1,000円〜♪」

ところが、実際におすすめするのは、1本4,800円ほどのアルミ竿だったりする。

「錆びない!」

「軽い!」

「もう取り替えなくていい!」

そして、とどめの一言。

**「今は、みんなこれ!!」**

すると、おばあちゃん。

「じゃあ……うちも」

お買い上げ、ありがとうございます!(笑)

今考えると、なかなか強気な営業である。

もちろん、お値段や商品の違いはきちんと説明しなければならない。

それにしても、若い女性が軽トラから降りてくるというのは、当時の竿竹業界では少し珍しかったのかもしれない。

## ラブホテルで9万円の大ホームラン!

ある日、珍獣けだまは、とんでもない大口注文をいただいた。

場所は、なんとラブホテル。

屋上にアルミ竿8本、物干し台2台を納品!

お会計は約9万円!!

**竿竹屋人生、特大ホームランである。**

ところが、ここで問題発生。

領収書がない。

「後でお届けしますね!」

そう言って帰った私。

……。

……。

**届けないまま、現在に至る。**

ごめんなさい。(笑)

## 売れない日は親戚宅へ突撃!

もちろん、毎日そんな大口注文があるわけではない。

一日中走り回っても、一本も売れない日だってあった。

そんな時はどうするか。

**親戚の家へ行くのである。**

「ねぇ、竿竹買わない?」

親戚もいい迷惑だ。(笑)

実家にも何度か営業をかけた結果、ついに言われてしまった。

**「もう竿竹ばかり、いらんわ!!」**

……ごもっともである。

親孝行にも限度があるらしい。

もっとも、私は親孝行のつもりで売っていない。(笑)

## そして、事件は商店街で起きた

ある日のこと。

いつものように軽トラを運転していた私。

荷台には、長い物干し竿が何本も積まれていた。

そのうちの長い竿竹が、荷台から車の前方へ飛び出していたのである。

そして商店街を走行中……

**ズボッ!!!**

……。

……。

**店のテントに、竿竹が突き刺さった。**

やっちまったぜ。

そして、次に頭をよぎったのは……

**「この社用車、保険入ってるのかな?」**

幸い、保険で修理していただくことができた。

いやはや、本当に申し訳ない。

竿竹は洗濯物を干すための道具である。

決して、商店街のテントに穴を開けるための道具ではない。

## 珍獣、竿竹屋を振り返る

こうして私は、住宅街を軽トラで走り回り、物干し竿を売っていた。

ラブホテルで大ホームランを打った日もあれば、一本も売れず、親戚に営業をかけた日もあった。

そして、商店街のテントに穴まで開けた。

……。

一体、何をやっていたんだろう。(笑)

でもね。

今になって思うことがある。

世の中には、本当に色々な人がいる。

同じ商品を見ても、喜んで買ってくれる人もいれば、まったく興味を示さない人もいる。

一生懸命説明したからといって、必ず伝わるわけでもない。

逆に、何気ない一言で、相手の表情がぱっと明るくなることもある。

人の気持ちは、こちらの思いどおりには動かない。

そんな当たり前のことを、私は色々な仕事を通して知ってきた気がする。

そして、今は人の心に寄り添い、絡まった気持ちを一緒に紐解く仕事をしている。

あの頃とは、扱うものがずいぶん変わった。

けれど、相手の言葉に耳を傾け、その人が何を望んでいるのかを知ろうとすることは、今も変わらない。

**人生に、無駄な経験なんて案外ないのかもしれない。**

……ただし。

商店街のテントに竿竹を突き刺した経験だけは、二度と必要ない。

あれは本当に、余計な経験だった。(笑)

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### 心の紐解き人、けだまより

昔は竿竹を売り歩いていた珍獣けだまですが、現在は **「けだま|心を紐解く人」** として活動しております。

人間関係の中で、相手の気持ちを考えすぎたり、自分の本当の気持ちが分からなくなったりすることはありませんか?

そんな時は、ひとりで抱え込まず、一緒に心の糸を紐解いてみませんか。

**「私、なんで毎回こうなる?」**

そんな繰り返す悩みについても、お話をお聞きしています。

ちなみに現在は、軽トラでご自宅に突撃することはございません。

もちろん、テントも突き破りませんので、ご安心ください。(笑)



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