小さな命が教えてくれたこと。生命力と幸せのかたち。

小さな命が教えてくれたこと。生命力と幸せのかたち。

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コラム
# 小さな命が教えてくれたこと。生命力と幸せのかたち

**幸せって、誰が決めるんだろう。**

今日は、我が家のちょっと特別な猫のお話です。

名前は「チビ太郎」。

2023年12月13日、4兄妹の一員として生まれた、小さな男の子です。

生まれたときの体重は、わずか97gほど。

4兄妹の中で唯一、ブルーソリッドという毛色を持つ子でした。

まさか、この小さな命から、こんなにもたくさんのことを教わるとは思ってもいませんでした。

### ■ 生きることが、最初の試練だった

生後4日を過ぎた頃。

ほかの兄妹たちは順調に成長しているのに、チビ太郎だけは体重が増えず、むしろ減り始めました。

動きも弱々しい。

そして、母猫のルナは、チビ太郎を何度も兄妹たちから離れた場所へ運び出すようになりました。

動物の世界には、人間の感情だけでは理解できない本能があります。

ルナを責めることはできません。

でも、だからといって、この小さな命を諦めることもできませんでした。

そこから、けだまの24時間育児が始まりました。

2時間半から3時間おきのミルク。

一度に飲める量は、ほんのわずか。

排泄のお手伝いをして、身体を温め、またミルクを飲ませる。

昼も夜も関係ありません。

小さな命を、ただひたすら繋ぐ毎日でした。

### ■ クリスマスに訪れた試練

12月25日。

世間がクリスマスを楽しんでいる頃、チビ太郎はいよいよ力なく、ぐったりし始めました。

呼吸も安定しません。

あまりにも小さな身体。

ペットキャリーではなく、使い捨てカイロをタオルで包み、化粧品ポーチに入れて動物病院へ向かいました。

生後12日。体重177g。

あまりにも小さく、使える薬も限られているそうで、先生から告げられたのは、

「ちょっと厳しい……。できることは限られています。あとは生命力です」

という言葉でした。

酸素、栄養剤とブドウ糖の皮下注射。

夜中もミルクが必要なチビ太郎は、入院もできず、毎朝一番、まるでポールポジションを取るかのように動物病院へ通いました。

何度も聞かされた「厳しい」という言葉。

苦しそうなチビ太郎の姿を見るたびに、なんとか助けてあげたい気持ちと、もう苦しさから解放してあげたい気持ちが入り混じりました。

これは、自分のエゴなのではないか。

ただの自己満足なのではないか。

そんな思いが、頭の中を何度も巡りました。

私はチビ太郎を抱いたまま、何度も泣きました。

その後も、生後8ヶ月までに肺炎を3回。

何度も何度も、小さな身体で病気と向き合ったチビ太郎。

けだまにできることは、限られていました。

それでも、この子は生きようとしている。

その姿を見ていると、やはり簡単に諦めることなんてできませんでした。

**生命力とは、必ずしも強く逞しい姿をしているわけではない。**

弱々しくても、不器用でも。

今日も息をしている。

それだって、立派な生命力なのだと思いました。

### ■ お母さんは、すぐそこにいるのに

今でも、思い出すたびに涙が出る光景があります。

兄妹たちが元気いっぱいに部屋の中を駆け回り、じゃれ合って遊んでいた頃のこと。

チビ太郎は、その輪に入ることもなく、ただじっと眺めていました。

そこへ、母猫のルナがやって来ます。

兄妹たちは一斉にお母さんのもとへ駆け寄り、おっぱいを飲み始めます。

ルナも愛おしそうに喉を鳴らしながら、一頭一頭を丁寧にグルーミングしていました。

親子の、なんとも穏やかで幸せな時間。

でも。

チビ太郎だけは、どうしたらいいのか分からない様子で、キョロキョロしているのです。

すぐそこに、お母さんがいるのに。

同じ日に生まれた兄妹たちは、当たり前のようにお母さんに甘えているのに。

チビ太郎は、どうやって甘えたらいいのか分からない。

そんなふうに見えました。

そして。

けだまの姿を見つけると、慌ててヨチヨチと歩いてくるのです。

小さな身体で、一生懸命に。

その姿が、たまらなく愛おしくて。

そして、どうしようもなく切なかった。

同じ兄妹なのにね。

すぐそばに、お母さんがいるのにね。

どうして、この子だけ。

何度、そう思ったことでしょう。

でも、チビ太郎は、自分がほかの兄妹と違うことなんて、気にしていなかったのかもしれません。

ただ、自分が安心できる場所を探していただけなのかもしれません。

**この子を、必ず幸せにしてあげよう。**

誰よりも、なんて比べる必要はない。

この子が安心して甘えられる場所を、ずっと守ってあげよう。

**いつだって、ゴロゴロが鳴り止まないくらい、幸せな猫生にしてあげよう。**

あの日、けだまは小さなチビ太郎に、そう誓ったのです。

### ■ デカプリオになれなかった男(笑)

さて。

ここで、少しだけ笑い話を。(笑)

兄妹たちの新しい家族が決まる頃、登録するために、それぞれ名前を付けることになりました。

昔から「名は体を表す」と言うではありませんか。

小さく、身体も弱く生まれたチビ太郎。

だからこそ、せめて名前だけでも大きく、強そうなものにしてあげたい!

そう考えたけだま。

そして、ひらめいた名前が……

**「デカプリオ」!!**

どうだ!

デカいぞ!強そうだぞ!

チビじゃないぞ!!(笑)

ところが。

「デカプリオ!」

……。

「デカプリオ~!」

……。

本人、まったく振り向きません。

知らん顔です。(笑)

「チビ太郎…?」  「ふんがぁ…!」(笑)だめだこりゃ

どうやら、お気に召さなかったご様子。

結局、登録名はシンプルに「太郎」。

そして、いつもの呼び名は「チビ太郎」のまま。

せっかくの壮大な改名計画は、本人の完全無視によって幕を閉じたのでした。(笑)

でもね。

今になって思うのです。

強そうな名前なんて、必要なかったんだなって。

あの小さな身体には、最初から立派な生命力が宿っていたのだから。

### ■ みんなと同じじゃなくてもいい

兄妹たちは生後70日ほどで、それぞれ新しい家族のもとへ巣立っていきました。

けれど、チビ太郎は我が家に残りました。

この子は、生涯けだまが育てよう。

そう決めていました。

成長しても、チビ太郎にはほかの猫たちとは違うところがありました。

しっぽを巻き込んだまま排泄してしまったり、トイレを失敗したり。

物事を覚えるのにも、少し時間がかかるように見えました。

そんなチビ太郎を見ながら、けだまは将来を心配することがありました。

そのとき、息子が言ったのです。

**「チビ太郎は、これから大学へ行く訳でも、家族を養わなければならない訳でもない。チビ太郎はチビ太郎で幸せならそれでいい。」**

……そうか。

そうだよね。

何を心配していたんだろう。

誰かと同じようにできることが、幸せの条件ではない。

できないことを数えるより、この子が持っているものを見てあげればいい。

息子の何気ない一言に、教えられました。

あの日、チビ太郎に誓ったこと。

それは、立派な猫に育てることでも、ほかの猫と同じようにできるようにすることでもなかったはず。

ただ、幸せに生きてほしい。

それだけだったのです。

### ■ 幸せに、正解なんてあるのかな

そんなチビ太郎も、もうすぐ3歳になります。

今では毎晩、けだまのベッドで、なんとも幸せそうなアホ面をして眠っています。(笑)

最近は副鼻腔炎の調子も、少し良くなってきたようです。

そして、ひとつ困ったことが。

けだまがうっかり背中を見せると、すかさず おんぶマンが飛び乗ってくるのです!

そう。

あのヨチヨチ歩きの小さなチビ太郎は、立派な「おんぶ妖怪」へと進化を遂げたのでした。(笑)

おかげで、けだまは日々、背後からの奇襲に警戒しながら暮らしております。

あの頃は、けだまを見つけると一生懸命ヨチヨチ歩いてきたチビ太郎。

今では、けだまを見つけると背中に飛び乗ってくる。

……甘え方、ずいぶん大胆になったね。(笑)

でも、そんな姿を見るたびに思うのです。

幸せって、いったい何なんだろう。

健康であること?

何でも上手にできること?

誰かより優れていること?

もちろん、それらを願う気持ちも分かります。

でも、チビ太郎を見ていると、幸せはそんな物差しだけでは測れない気がするのです。

失敗したっていい。

不器用だっていい。

誰かと違っていたっていい。

安心して眠れる場所があって、自分をそのまま受け入れてくれる存在がいる。

それも、ひとつの幸せのかたちではないでしょうか。

### ■ 小さな先生

けだまは、人の心を紐解く活動をしています。

人はつい、誰かと自分を比べてしまいます。

「あの人にはできるのに」

「どうして自分だけ」

「普通だったら、こうなのに」

でも、その「普通」って、いったい誰が決めたのでしょう。

チビ太郎は、ほかの兄妹と同じようには成長しませんでした。

けれど、チビ太郎の人生が、ほかの兄妹より不幸だなんて誰にも決められません。

そして、けだま自身も。

チビ太郎を育ててあげたつもりが、実はたくさんのことを教えてもらっていました。

**命の価値は、何ができるかで決まるものではない。**

**幸せのかたちは、誰かと同じでなくてもいい。**

あの日、97gで生まれた小さな命。

お母さんに甘える兄妹たちを眺めながら、けだまのもとへヨチヨチと歩いてきた、小さなチビ太郎。

あのときの約束、覚えているかな。

けだまは、今でも覚えているよ。

これからも、ずっと。

君のゴロゴロが鳴り止まない、幸せな猫生でありますように。

そして、もし今、自分を誰かと比べて苦しくなっている人がいたら。

少しだけ、思い出してほしいのです。

あなたの幸せは、誰かの物差しで測らなくていい。

**あなたには、あなたの幸せのかたちがあるのだから。**

ちなみに、我が家の小さな先生は、今夜もきっと枕を占領することでしょう。

そして飼い主は、背後からの奇襲に怯えているはずです。(笑)

これもまた、我が家の幸せのかたち。

けだま|心を紐解く人

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