日報の手集計をやめて、合計・平均・曜日別をまとめて出す

日報の手集計をやめて、合計・平均・曜日別をまとめて出す

記事
マネー・副業
架空のクリニックの日報26行を生成AIに貼り、来院数の合計・1日あたりの平均・いちばん多かった日と少なかった日・曜日ごとの平均を出させました。新しい会話で2回試し、1回につき13項目、合計26件を正解と照らして、すべて一致しています。

ところが同じやり方を137行の表でやると、3回のうち2回、1つの品目で合計がずれました。この記事に、任せてよいところと、任せてはいけないところの線を置きます。ここに書くのは架空の記録での試験結果で、お手元の表や別のAIで同じ結果になることをお約束するものではありません。


■ 1.26行の日報で返ってきたもの


架空のクリニックの日報を作りました。日付・来院数・検査件数・備考の4列で、26行です。これを生成AIに貼って、月末に出したい数字を返させました。

返ってきたのは、来院数の合計956、1日あたりの平均36.8、いちばん多かった日と少なかった日、曜日ごとの平均です。先に計算で確定させた正解と1つずつ照らしました。照らしたのは1回につき13項目で、内訳は、行数が1、来院数と検査件数の合計と平均で4、いちばん多かった日と少なかった日で2、曜日ごとの平均で6です。新しい会話で2回、合計26件がすべて一致しています。

書き方がばらばらのメモ26行を、決まった列の表にそろえる作業も試しました。照らしたのは1回につき7項目で、内訳は、メモの行数が1、読めない行を報告しているかが1、その読めない文を写しているかが1、「記載なし」を使っているかが1、検査件数が抜けている2日分の日付が表にあるかで2、26日分の日付がそろっているかが1です。新しい会話で3回、合計21件がすべて一致でした。日付が「8月のどこか」としか読めない行は、勝手に埋めずに読めない行として返ってきました。


■ 2.137行の表ではずれた


同じ調子で、消耗品の出し入れの記録137行を貼りました。品目ごとの使用の合計、月末の在庫、いまの減り方だとあと何日もつかを出させています。

新しい会話で3回試したところ、2回で、同じ1品目の使用の合計が正解と合いませんでした。差は数個です。

合計がずれると、その先が全部ずれます。月末の在庫がずれ、あと何日もつかがずれ、発注するかどうかの判断がずれます。それでも文章は整っていて、他の4品目は合っています。エラーは出ません。

なお、行数だけが原因だと確かめたわけではありません。表の形や中身、お使いのAIによっても結果は変わります。


■ 3.合計ではなく、表計算の式を作らせました


今回の試験では、合計の数字を書かせるのをやめ、表計算に貼る式だけを作らせる形に変えました。

=SUMIFS(D:D, B:B, "診察券の用紙", C:C, "使用")

足し算をするのは表計算です。AIがやるのは、どの列を、どの条件で足すのかを決めるところまで。この形で新しい会話で3回試し、合計48件を確認したところ、すべてあらかじめ決めた基準を満たしました。

照らしたのは1回につき16項目で、内訳は、行数と品目数で2、5つの品名が並んでいるかで5、その5品目それぞれに使用量の式があるかで5、日数の式・式を貼る場所の説明・在庫がマイナスになる品への注意書きで3、そして合計の数字を自分で書いていないかが1です。

ただし、AIが作った式の列の指定・条件・期間が正しいとは限りません。使う前に、式そのものと、その式が出した数字の両方を確かめてください。


■ 4.線の引き方


数える・足す・掛ける——表計算。
どう数えるかを決める、ばらばらの書き方をそろえる、表の形を作る——生成AI。

同じ入力を貼れば同じ答えが返るのは、表計算のほうです。毎月おなじ形で回すと決まった時点で、式に移すのが向いています。


■ 5.出てきた数字の確かめ方


出てきた合計は、業務に使う前に、すべての品目を元の表と照らしてください。1品目が合っていても、ほかの品目が合っている証拠にはなりません。今回ずれたのも、5品目のうち1品目だけでした。

1つでもずれていたら、その出力は使わず、原因を確かめてください。式を使う場合も同じです。


■ 6.院外のAIに入れる前に


ここまで書いてきたのは、院外の事業者が提供する生成AI(以下「院外のAI」)に貼る場合の話です。

氏名を1か所入れた架空の表を貼った試験では、3回とも集計せずに止まりました。ただしこれは、個人情報を必ず見つけて止める仕組みではありません。略称、患者番号、生年月日、自由記載の中の記述などは、見逃すことがあります。入れる前にご自身で外してください。

氏名を消しても匿名とは限りません。日付・年齢・検査の種類などの組み合わせで、誰のことか見当がつく場合があります。実際のデータを院外のAIに入れてよいかは、院内の情報管理の決まりと、お使いのAIの契約(保存・学習利用・再委託・削除)をご確認ください。何を入れてよいかの分け方は、別の記事に書きました。

ここに書いた数字は、架空の記録で行った試験の結果です。お使いのAI・版・日によって答え方は変わります。この記事も商品も、医療情報の取り扱いが法令や院内の決まりに合っているかを判定するものではありません。


この試験で使った指示文3本を、見本の表、確認に使った正解、実際の出力とともにお渡ししています。AIに任せる部分と、表計算に移す部分を、御院の作業に当てて試すための見本です。


サービス数40万件のスキルマーケット、あなたにぴったりのサービスを探す