タクティクスは青春の香り

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ヴィンテージという化粧品を知っていますか。
ハクション大魔王の壺のような形をしており、トニック、リキッド、コロン、アフタシェーブローションの色が異なり、洗面台に揃えて並べると鮮やかです。
私が小学生のころ、父が使っていました。

洗面台.jpg

街角でタバコを吸いたくなり小路に入ってタバコを手にしながら視線を少し上げると、ショーウインドウにヴィンテージがありました。
デパートやスーパーでは見かけなくなっていると思います。
その隣にはアウスレーゼ。
こちらは、私が高校生のころから父が使っていたタイプで、今でも見かけることがあります。

私は高校生のころにタクティクスのシャワーコロンを使っていました。
30年ほど前から見かけなくなり、その後は4711を使い、いつのまにか化粧品を使わない生活になっています。
若いふりをして、時折、デパートなどでタクティクスのシャワーコロンを探しますが、一度もみかけたことはありません。

ショーウインドウを眺めていると…
あっ!
ヴィンテージの上の棚にタクティクスが1つだけありました。
まさに、シャワーコロンのように見えます。
私はタバコをしまって店に入りました。

喜んでいる人.jpg

タクティクスのシャワーコロンが箱入りで3つ置いてあり、商品なのか展示品なのか店員に尋ねたところ商品とのこと。
嬉しさのあまり2つ購入し、早く香りを楽しみたいと思い、急いで帰宅したのです。

箱から取り出して蓋を開けると、ほんのりと、あの頃と同じ香りがします。
青春の香りとは、このことです。
それは、とても嬉しかったのですが…

あっ!
私は、そもそも、要件があって街へでかけたのです。
その要件をすっかり忘れてしまっているのに気がつきました。
トホホ…

気を取り直し、夜になったらシャワーコロンをつけて飲みにでようと心に決めて、仕事に集中することにしました。

パソコン操作.jpg

気持ちがのっていたのか仕事に集中でき、あっという間に6時を回っていたので、着替えて居酒屋に向かいました。
その居酒屋は、アジフライが絶品です。
麦焼酎を飲みながらアジフライを食べていると、何か忘れているような感覚が…

あっ!
シャワーコロンをつけていない。
あほ丸出しです。
やろうとしていたことは忘れるのに、昔のことは記憶している。

辞書によると、ヴィンテージとは、古くて価値が高い年代もののアイテム。
とても私はヴィンテージにはなれそうにありません。

考える人.jpg

タクティクスとは、戦術や戦い方を表す言葉と記されています。
どうやら私、シャワーコロンをつけて、これからの生き方を考えるときがきたようです。

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