こんにちは、司法書士・ペット相続士の金城です。
最近、シカやイノシシの肉など、ジビエ料理を提供する店が増えてきていますね。
◆ シカ猟師・小野寺さんのこと
1年ほど前、NHKのBSプレミアムで、シカ猟師の特集を放映していました。
その猟師は小野寺さんという方で、元々はフランス料理のシェフをしていた人です。
フランス料理ではシカ肉が一般的に使われており、シカ肉の美味しさを日本にも広めたいという思いから猟師に転身したとのことです。
◆ 「なぜこんなに不味いのか」という疑問
猟師になった当初、小野寺さんは獲物を仕留めた後の処理方法を知らず、「自分が獲ったシカ肉はなぜこんなに不味いのか」と思っていたそうです。
◆ 海で出会った泳ぐシカ
ある日、小型船で海を渡っていた小野寺さんは、泳ぐシカに遭遇。
猟銃で仕留め、ロープで船に括り付けて帰路につきます。
冷たい海中で、洗濯機の中で洗い物が回転しているようにシカはグルグルと回転し続け、そのまま冷却された状態で持ち帰られます。
◆ 冷却処理の重要性
持ち帰ったシカの肉を食べると、驚くほど美味だったそうです。
理由は、冷たい海水で冷却されたことにより鮮度が保たれたため。
シカやイノシシの肉は、仕留めた後に素早く血抜き・内臓処理をして冷却しないと、肉が生臭くなって非常に不味い肉になり、とても食べることはできないそうです。
そのことに気付いて以後、小野寺さんは美味しいシカ肉を料理店に提供できるようになり、今では非常に有名なシカ猟師になっています。
◆ 「笛の魔術師」としての技
小野寺さんは、笛によってシカの鳴き声を自由自在に真似ることができるため、「笛の魔術師」との異名があります。
例えば、発情している雌シカの鳴き声を真似ることによって雄シカを引き寄せます。
また、雄シカの縄張りに侵入した雄シカが挑発する鳴き声を真似ることによって、縄張りの主である雄シカを引き寄せます。
そして、雄シカが自分に近づいてきたところを猟銃で仕留めるわけです。
◆ 行政の要請による駆除活動
小野寺さんは、行政の要請により、増えすぎたシカを単に駆除するための活動にも参加しています。
食べることが目的ではありませんので、駆除したシカは山中の1カ所に集められ、遺棄されます。
テレビの映像で流れていましたが、白骨になったシカの死体が累々と横たわっていました。
小野寺さんは、単にシカを駆除するだけの仕事をしていると、心が荒んでくるといいます。
本当なら、駆除したシカを美味しくいただくことによりシカの命に感謝すべきところを、ただ山中に遺棄するだけに終わってしまうためです。
小野寺さんは、「命を二度殺さない」という言葉で語っていました。
一度殺した命を単に遺棄することは、命を二度殺すことになるという意味です。
◆ 命と向き合うということ
私たちはスーパーの肉しか目にしませんが、現場で命と向き合う小野寺さんは、命の尊さを痛感しています。
増えすぎたシカを定期的に駆除せざるを得ないとしても、その命に感謝して美味しくいただくことにより、「命を二度殺さない」配慮が必要だと思います。
また、店頭に並んでいる牛肉や豚肉・鶏肉などが、どのようにして殺されたのかに思いを致すとき、命に対する感謝の気持ちを禁じ得なくなります。