**「分かっているのに、できない」を責めない。小さな気づきを、暮らしの変化につなげるために**
子どもに、もう少し穏やかに話したい。
自分のために、読書や運動を続けたい。
職場では、相手の強みを活かした関わり方をしたい。
そんな思いから、役立ちそうな動画を見たり、本を読んだりすることがあります。
「なるほど、そう考えればいいのか」
「この言い方なら、試せそう」
見ているときは、少し気持ちが軽くなる。明日から変えてみようと思う。
ところが、翌朝には子どもの支度が進まず、仕事では予定外の対応が入り、夜には疲れて何もしたくなくなる。
気づけば、いつもの言葉、いつもの行動に戻っている。
そして、「分かっているのに、どうしてできないのだろう」と、自分を責めてしまうことがあります。
でも、知ったことを生活の中で使うには、もう一つの過程が必要です。
それは、**自分が実際に困っている場面に合わせて、小さく試し、振り返ること**です。
私は、習慣化や感情の整理、対話を通じたコーチングで、この過程を一緒に考えることを大切にしています。
**気づいたことを、どの場面で使うのでしょうか**
短い動画には、考え方に出会う入口としてのよさがあります。
忙しい日でも、一つの問いに触れられる。
自分では思いつかなかった見方を知ることができる。
「こんなことで悩んでいるのは、自分だけではない」と感じることもあります。
一方で、動画の中で紹介される方法が、そのまま自分の家庭や仕事に合うとは限りません。
例えば、「子どもの話を最後まで聞きましょう」という言葉。
大切だと思っていても、出発時間が迫っている朝と、ゆっくり過ごせる休日では、できることが違います。
「毎日、少しでも運動しましょう」という言葉も、勤務時間や体調、家族との生活によって取り組み方が変わります。
だから、役立つ情報に出会ったときには、こんな問いを置いてみます。
「私は、どの場面でこれを使いたいのだろう」
「その場面で、実際にできることは何だろう」
「今の生活に合わせるなら、どこを小さくできるだろう」
気づきを、自分の暮らしへ近づける問いです。
**子育てのイライラを、一つの場面から見てみる**
「子どもに怒らないようにしたい」
そう思っていても、うまくいかない日があります。
朝の支度が進まない。
何度伝えても、片づけが始まらない。
疲れて帰宅した後に、次々と頼まれる。
そのとき、「自分は短気だから」と結論づける前に、何が起きていたのかを一つずつ見てみます。
例えば、朝の支度で強く言ってしまった場面。
親は、遅刻を避けたい。
子どもは、途中の遊びを終えられずにいる。
出発までに必要なことが、親の頭の中にだけある。
親自身も、睡眠不足で余裕が少ない。
こうして整理すると、試せることが見えてくるかもしれません。
前の晩に一つ準備しておく。
一度にいくつも伝えず、次の行動を一つ伝える。
子どもと一緒に、支度の順番を確認する。
自分が焦り始める時間を知っておく。
どれが合うかは、家庭によって違います。一度試して、うまくいかないこともあります。
そのときは、「やっぱりだめだった」で終わらせず、どこが難しかったのかを振り返ります。
言葉が伝わりにくかったのか。
タイミングが合わなかったのか。
子どもが一人で行うには、まだ助けが必要だったのか。
親が抱える負担が大きすぎたのか。
子育ての関わり方を考えるときには、親の努力だけに原因を求めず、時間や環境、周囲の支援も含めて見ていきます。
私のコーチングでは、**子育てのイライラを和らげ、親子のよりよい関係づくりをサポートします。**
親子それぞれの気持ちや事情を大切にしながら、その家庭で試せる関わり方を一緒に考えます。
**習慣化も、「できなかった条件」を見るところから**
読書を続けたい。
運動を習慣にしたい。
副業や学習に取り組みたい。
そんなとき、最初から理想の量を決めることがあります。
毎日30分読む。
毎朝しっかり運動する。
帰宅後に1時間勉強する。
でも、実際の生活には、忙しい日も、疲れている日もあります。
続かなかったときに振り返りたいのは、意欲だけではありません。
始める時間は決まっていたでしょうか。
必要なものは、すぐ使える状態だったでしょうか。
疲れた日にもできる量だったでしょうか。
一日休んだ後、戻る方法はあったでしょうか。
例えば読書なら、「毎日30分」から「朝、飲み物を用意したら本を開いて1ページ読む」へ変える。
運動なら、「毎日しっかり行う」から「始める前に、まずマットを敷く」へ変える。
小さくすることには、取りかかりやすさを確かめる意味があります。
その行動が生活に馴染んできたら、量を見直せます。負担が大きければ、さらに調整しても構いません。
大切なのは、自分が続けられる条件を見つけていくことです。
**人との関係にも、振り返る余地があります**
職場で、相手に思うように動いてもらえない。
家庭で、自分の意図が伝わらない。
そんなとき、「相手が分かってくれない」と感じることがあります。
その気持ちを大切にしながら、対話では別の問いも置いてみます。
「自分は、何を伝えたかったのだろう」
「相手には、どのように聞こえたのだろう」
「お互いに確認できていないことは何だろう」
「一緒に目指せることはあるだろうか」
相手についての理解が、まだ十分ではないかもしれない。その余地を残すと、確かめられることが増えます。
チームにも、得意なことと苦手なことが異なる人がいます。
細部に気づく人。
全体の流れを考える人。
人との関係をつくる人。
着実に作業を進める人。
それぞれの強みが、どの場面で役立つのか。どんな伝え方や役割分担なら、力を発揮しやすいのか。
チーム向けの対話では、**チームの強みと活かし合う関わり方を整理します。**
自分の関わり方を振り返りながら、相手を理解するための具体的な一歩を考えていきます。
**コーチングでは、気づきを実践につなげます**
情報を読んだり、動画を見たりすることで、自分で整理できることもあります。
一方で、考えが堂々巡りになることもあります。
「頭では分かっているけれど、どう始めたらよいか分からない」
「同じ場面で、いつも感情が強くなる」
「自分に合う方法なのか、一緒に考えてほしい」
そんなときには、誰かと対話する時間が役立つかもしれません。
私のコーチングでは、今困っている場面を具体的にし、そこで起きている気持ちや考えを整理します。
そのうえで、どのように過ごしたいか、何を大切にしたいかを確かめ、次に試す行動を一つ考えます。
継続する場合は、その行動を実際の生活で試し、次の対話で振り返ります。
できたこと。
難しかったこと。
予想と違ったこと。
新しく気づいたこと。
それらを材料に、次の取り組みを調整します。
3か月のプランも、この「試す・振り返る・調整する」という過程を重ねるための時間です。3か月で必ず変わるという約束ではなく、自分に合う方法を探し、実践を続ける機会としてご用意しています。
**今日、試すことを一つだけ選ぶなら**
この記事を読んでくださった方に、一つ問いを置きたいと思います。
「最近、繰り返し困っている場面は何でしょうか」
その場面について、次の三つを短く書いてみてください。
①何が起きているか。
②自分は、何を大切にしたいか。
③次に一つ試すなら、何ができそうか。
すぐに答えが出なくても構いません。
まず、困っていることを具体的な場面として書く。それだけでも、考える出発点になります。
自分だけでは整理しにくいと感じたときには、個別相談をご利用ください。うまく説明できなくても、話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。
気持ちと考えを整理し、次の一歩を一緒に考えます。
|習慣化と対話のコーチ