カジュアルファッションのルーツは主にアメリカの若者文化から
フォーマルな服装が主流だった時代から、機能性や快適性を重視した、より自由なスタイルへと変化していく
その流れは、産業革命や戦後の文化の変化と密接な関わりがある
労働着としての誕生
カジュアルファッションの代表的なアイテムであるジーンズは、19世紀後半にアメリカのゴールドラッシュで働く労働者のために、リーバイス・ストラウス社が開発した丈夫な作業着が始まり
当初は「ウエスト丈のオーバーオール」として売られており、耐久性が高く、機能的な作業服として広まった
ジーンズはリベットで補強されたポケットが特徴
これは耐久性を最重要視した設計で、後にリーバイス社によって特許が取得され、労働者の間で広く普及していく
チノパンは19世紀末に米軍の制服として開発
カーゴパンツは第二次世界大戦中のイギリス軍のユニフォームがルーツ
これらはどちらも機能性と動きやすさが重視されていて、戦後に民間に広まってカジュアルウェアとして定着
若者文化への浸透
第二次世界大戦後、アメリカの若者たちが、それまでの格式ばった服装ではなく、より自由で個性的な服装を求めるように
よりラフで機能的な服装を好むようになる
ジェームズ・ディーンやエルヴィス・プレスリーが、ジーンズやTシャツを着こなしたことで、これらのアイテムは若者文化の象徴として確立
カレッジスタイル(アイビールック)
1960年代には、アメリカの大学生の間で、ブレザーやボタンダウンシャツ、チノパンツなどを組み合わせた「アイビールック」が流行
このスタイルは、トラディショナルな要素を残しつつ、若者ならではの着崩し方をすることで、日本の「みゆき族」などにも影響を与え、日本でのアメカジのルーツの一つに
ヒッピースタイル
1970年代には、反戦や自由を訴えるヒッピー文化が広まり、ベルボトムジーンズや花柄、刺繍などを取り入れたファッションが流行
これもまた、ジーンズが若者の間で一般化するきっかけとなる
日本における発展
日本にアメリカのカジュアルファッションが伝わったのは、戦後の進駐軍や、洋画、音楽などの影響が大きいとされている
日本でも、アメリカのライフスタイルや文化が浸透するにつれて、独自のカジュアルファッションが花開
みゆき族とアイビーブーム
1960年代、東京・銀座のみゆき通りに集まった若者たちは、「みゆき族」と呼ばれ、アイビールックを真似て日本の若者文化に定着
1980年代になると、アメリカンカジュアルを略した「アメカジ」という言葉が生まれる特に東京・渋谷の若者たちの間で、シンプルなジーンズやポロシャツ、スニーカーなどを上品に着こなす「渋カジ(渋谷カジュアル)」が流行し、全国的なムーブメントに
このブームには、ファッション雑誌『POPEYE』などの存在も大きく影響
カジュアルファッションは、社会の規範から自由になるという若者の意識や、機能性と快適性を追求するライフスタイルの変化とともに、世界中で多様な形で進化している