はじめに
家系図を作ると、ご先祖様の名前や生まれた土地が分かります。
でも、私が本当に面白いと感じるのは、その先です。
「その土地には、どんな景色が広がっていたのだろう。」
古地図を開き、その土地を歩いてみると、名字が生まれた理由や、ご先祖様が見ていたかもしれない風景が少しずつ見えてきます。
今回は、「池田」さんのルーツにつながる土地を訪ねてみましょう。
ルーツの旅クイズ
全国で最も「池田さん」の割合が高い都道府県はどこでしょう?
A 岡山県
B 岐阜県
C 佐賀県
ヒントです
古地図を見ると、道路のように見える無数の線。
実はその多くが、水を巡らせるためのクリーク(水路)です。
日本有数の穀倉地帯を支えてきた、水の町です。
正解は...
「C 佐賀県」です。
「池田」は全国で24番目に多い名字ですが、人口割合で見ると佐賀県が最も高い地域として知られています。
佐賀県では「池田」さんは6位。
なぜ、この土地にこれほど多くの「池田」さんが暮らすようになったのでしょうか。
その答えは、佐賀平野を育てた水の歴史にありました。
名字と地域の歴史
「池田」は、池や湿地、水田などに由来する地形姓です。
そのため、「池がある土地」という印象を持たれるかもしれません。
しかし、佐賀平野を支えていたのは、一つの池ではありませんでした。
筑後川や嘉瀬川が運ぶ土砂によって広がった佐賀平野は、広大な田園地帯である一方、安定した水源を確保しにくい土地でもありました。
そこで人々は、暴れ川だった嘉瀬川を治め、江戸時代には成富兵庫茂安が築いた石井樋によって川の水を取り入れます。
さらに、有明海沿岸に発達したクリーク(水路)へ水を巡らせることで、農業用水・排水・貯水を兼ねた巨大な水のネットワークを築き上げました。
こうして佐賀平野は、日本有数の穀倉地帯へ発展していきます。
「池田」という名字から思い浮かぶ景色は、池ではなく、水が絶えず巡る壮大な風景だったのかもしれません。
古地図で見るルーツ
明治時代の古地図を見ると、佐賀平野には無数のクリークが網の目のように広がっています。
現在の地図では道路や住宅地が増えていますが、よく見比べると、その水路の多くは今も残り、地域の暮らしを支え続けています。
古地図を重ねると、
「昔の人は、こんな景色の中で暮らしていたのか。」
そんな発見があります。
私は、この瞬間が一番好きです。
私が先祖調査で大切にしていること
私は、家系図を「完成品」だとは考えていません。
戸籍を読み、名字を調べ、古地図を重ね、郷土史を読み、そして実際にその土地を歩く。
そうすると、ご先祖様が暮らした土地の景色や、人々の営みが少しずつ見えてきます。
ルーツを知ることは、名前を調べることではなく、その土地に流れる時間を感じることだと思っています。
家系図は「完成」ではなく「旅の始まり」
家系図が完成すると、多くの方は「終わった」と思われます。
でも、本当の楽しみはそこから始まります。
「なぜ、この土地だったのだろう。」
「今もその景色は残っているのだろうか。」
そんな疑問を一つずつたどっていくと、自分だけのルーツの旅が始まります。
戸籍の読み方が分からない。
どこまで調べられるのか知りたい。
家系図を作ってみたい。
そんな方は、お気軽にご相談ください。
あなたのルーツ探しを、一緒に伴走いたします。
あなたの名字には、どんな景色がありますか。
名字の向こうには、その土地ならではの風景があります。
あなたの名字は、どんな歴史を歩み、どんな景色につながっているのでしょう。
その旅をご一緒できたら嬉しいです。