【業務改革ブログシリーズ 第9回】
「あの人しかできない」を仕組みでなくすには?
1. はじめに:属人化とは“業務の隠れた地雷”
「●●さんが休むと、仕事が止まる」
「この作業はあの人にしかできない」
「新人が入っても、すぐには教えられない」
こうした状態は、現場でよくあることですが──
それが当たり前になっているとしたら、それは「属人化」のサインです。
属人化は、業務の効率や安定性を下げるだけでなく、
人に依存した働き方から抜け出せない構造を生みます。
2. なぜ属人化が起こるのか?
属人化が生まれる背景には、次のような要因があります:
• 業務マニュアルが整備されていない
• 現場で教える余裕がなく、「見て覚えて」で済まされる
• システムがなく、担当者ごとの“やり方”で処理している
• 情報が頭の中や手元のメモに留まり、共有されていない
つまり、「人を中心に業務が回っている」ことが、属人化の正体です。
最初は現場の柔軟さや対応力として評価されることもありますが、
長期的には“引き継げない・変えられない”組織のリスクになります。
3. よくある属人化パターンとその見分け方
属人化の形にはいくつかの“典型パターン”があります。
中小製造業の現場では、これらが当たり前として根づいてしまっていることも多く見られます。
✅ よくある属人化パターン
• 口頭での指示・連絡が多い
→「伝えた/聞いてない」のトラブルが発生しやすい
• 帳票づくりが特定の人任せ
→何をどう集計しているかがブラックボックスになっている
• 判断基準が“経験”頼み
→何をもってOKかが明文化されておらず、他の人が判断できない
• 段取りや優先順位が頭の中だけで整理されている
→作業計画や進捗が可視化されず、「今なにをすべきか」が曖昧に
✅ 属人化の見分け方:
「これ、急に他の人がやれる?」と聞いてみて、不安があれば属人化の兆候です。
4. 仕組みで属人化を解消するには?
属人化の解消には、「人に依存する業務」を「誰でも対応できる仕組み」に置き換えていく必要があります。
✅ ステップごとのアプローチ:
1. 業務を見える化する
→ 手順、判断基準、入力項目などをドキュメントに残す
→ NotionやExcelでもOK。写真付き手順書も有効
2. 操作や記録の標準化
→ AppSheetやAccessを使って、入力項目を選択式にする
→ 作業時間・出荷処理・日報記録などを“誰でも同じやり方”にする
3. 通知やアラートで伝達ミスを防ぐ
→ 生産計画の変更があったとき、関係者にLINEやメールで自動通知
→ 進捗や異常の共有も属人化防止に有効
4. 教育と引き継ぎを仕組みに含める
→ 新人へのOJTも「何を教えるか」が決まっていれば時短に
→ マニュアルやアプリ操作動画を使えば、担当が変わっても安心
5. 属人化を防ぐ文化をつくる
仕組みを入れても、“現場がそれを使わない”ままでは属人化は解消されません。
大切なのは、「共有するのが普通」「引き継げる状態を保つ」という文化をつくることです。
そのためには、
• 日常的に「記録する・見せる・伝える」習慣づくり
• 現場と経営者のどちらからも、仕組みの意義を説明すること
• うまくいった時の「ラクになった」「助かった」の声を拾って伝えること
…こうした地道な積み重ねが、「属人化しない現場」を支えていきます。
6. まとめ:属人化は、“仕組み不足”のサイン
• 属人化は、業務の“隠れたボトルネック”です
• 解消のカギは、「見える化」「標準化」「共有のしくみ」
• 仕組み化を通じて、誰でも対応できる・休める・改善できる現場へ
7. 次回予告:
次回は、「一元化の考え方と、現場にちょうどいいデータ統合の進め方」をお届けします。
AccessやSQL Server、AppSheetなどを活用して、バラバラなExcelや紙のデータを“つながるしくみ”に変える実践的な方法を解説予定です。
※この記事でご紹介したような「中小企業に合ったしくみ化」は、
実際に現場の業務をヒアリングしながら、一緒に整える形でご支援しています。
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