💎日本人が作る”布”!
膨大で細やかな工程を必要とし、長い時間をかけて織り上げられる布。
そこには作り手が見た、季節の色、風の匂い、葉擦れの音が風土と一緒に
織り込まれています。
風土とは、土地の気候、景色などを表します。
そして、人間の文化形成に影響をして精神的な環境も意味するのです。
久留米絣が生まれた筑後地方は、
九州最大の流れ、筑後川が豊かな自然を育む農村地域です。
人々は、農閑期の副業として、絣を織り、町中に機(はた)の音がこだましていました。
その布は、軽やかで
素朴で透き通った魅力があります。
松尾芭蕉が晩年に到達した俳諧理念は「かるみ」です。
日常の中に新たな美を発見して、
粉飾なく”さらり”と表現すること。
久留米絣の美しさは、決して華美なものではなく
日常に寄り添った美しさなのです。
💎人と風土が織りなす「庶民の芸術、それが久留米絣なのです。」
始まりは、少女(井上伝)12歳の時のひらめき!
アイデアを出す人、作る人、売る人、一人一人が産地の未来を考える
光の射す方へと常に歩もうとしているのです。
(より高度に産地が発展を遂げた理由!)
筑後地方というのは、土壌が豊かで水がきれいな土地柄なのです。
九州最大の流れである筑後川は、当時、木綿や藍を育み、
産地となる条件を十分に備えていたのです。
日本は、もともと綿花を栽培していなくて中国から輸入をしていたのです。
本格的に栽培が始まったのが、江戸時代中期以降だと言われています。
その頃から綿織物が庶民の生活に普及し、
それぞれの家庭で織られるようになって行ったのです。
💎携わる人々のフィーリング!
久留米絣の産業化を支えてきたのは、
農業のかたわら機(はた)を織る女性たちでした。
緻密な柄合わせに集約される細やかな作業です。
女性ならではの忍耐強さが必要なのです。
動力が中心になった今も伝統的な藍染の製品は手織りによるものが
ほとんどなのです。
丹念に染められた糸を時間をかけてじっくりと織って行くのです。
(愚痴!)
「若い時は、外で働きたいと思ったこともあるけれど!」
「会社勤めをしたいと思うこともあったけれど、
今となってはよかったのかな!
この年でも働けるなんて有難いことです。
同世代の方からもうらやましがられますよ!」
「若い時は、生活がかかっていたから頑張っていたけど
今はほどほどにね!」
「長年続けている仕事というのは、目が悪くなっても手先が覚えているんですよね!」
「最初はわからないことばかり。
でも、母も従業員の方たちも焦ることなく”そのうち覚えるよ”という
感じでしたね!」
「慣れてくるまでは、糸が思い通りになってくれないんですよ。
作業をするうちに手に馴染んできました。」
「夕方になると子供の迎えに行ったり、子どもたちが工房に来たり。
私自身も子育てしながら大変だったけれど、
仕事は仕事、それがいい気分転換になっていました。」
💜自分のペースで進められる仕事。
結婚して子供を産んで育てておばあちゃんになっても
ずっと続けていける!
人生とともに機(はた)がある。
こんな生き方もあるのです!
田中久重氏、井上伝さんの生き方そのものではないでしょうか⁈
💎機屋(はたや)さんたち!
①岩瀬要絣織物工場
②池田絣工房
③小川内龍夫
④久保敬昭織物工場
⑤下川織物
⑥津留織物
⑦富久織物
⑧かすり西原
⑨野口織物
⑩野村織物有限会社
⑪野村雅範絣工場
⑫丸亀絣織物
⑬山下織物
⑭山村一成かすり工房
💎これからの久留米絣どうする⁈
「オカモト商店」
久留米絣を使った洋服、服飾、雑貨、生活雑貨を
企画・製造・販売をするオカモト商店。
久留米絣(井上伝)を全国に卸す産地問屋としてスタート。
機屋(はたや)さんから生地を買って全国の問屋に卸す。
そして、昭和56年に儀右ェ門ブランド立ち上げ!(からくり儀右ェ門)
・試行錯誤をしながらも作って行くうちに評価をされた。
・卸に頼るのではなく自分たちの責任で製品販売を目標に設定。
・(モットーとして!)産地問屋でありアパレル業ではない!
・200年続いた久留米絣、次への200年への礎作り!
①常に生地作りに邁進。
②絣を日常的に着られるものにすること。
③次世代へのバトンタッチをすること。(作る人、売る人。)
④伝統そして未来を担う事。
💎今までの主な流れ!
・”当然に売れる商品を作ればいい”という時期もありました。
しかし、機や(はたや)さんからのドキッとする一言があったのです。
それは、
「久留米絣をカッコよくしてほしい!」
「そうじゃないと久留米絣に未来がやってこない!」と!!!
💎(幸田やよいさん!)
・洋服はカッコよくて当たり前!
人間というのは
「カッコいいことをするために生まれてきたと思っています!」
・「ビームス」に勤務!「マリメッコ」(生地ブランド)との出会いあり!
・久留米絣を必需品に!
(日常生活に必ず必要とされるものにするという発想)
・「旗振りする人間に徹底する!」会社と機やさんの真ん中に!
・「信念(理念)」として久留米絣は、伝統工芸品であると同時に
身近な必需品であること。
💎藍染(あいぞめ)とは!
藍染には、マムシ除けや糸を強くする効果があるとされ、
加えて綿織物の丈夫さは、農業を営む人々の仕事着に最適だったのです。
つまり、風土に即していたのです。
このように実用を主体とした発展の中で、”柄”が付加されたことには
どんな意味があったのでしょう。
”芸術”という言葉には、さまざまな解釈がありますが、
単なる技術(わざ)と区別して
「美しい技術」という意味を含んでいると思います。
無地の布に柄が織り出された背景には
無意識に美を求める人の心というものが存在します。
そして、その心が久留米絣を生み出したといっても過言では
ないと思います。
実用が備わった美しさは、
体を包み込むだけではなく心をも満たしてくれます。
人々は、より美しい柄、色を求めて技術を発展させてきたのです。
井上伝さんが考案した柄は、無作為に斑点が散らばる抽象的なものでした。
具象的絵柄が表されるようになるのは、それから50年後の事です。
現在の久留米市の農家に生まれた大塚太蔵氏が緯糸(いいと)で柄を作る
絵かすりの技法を考案して様々な表現が可能になったのです。
緯糸:布を織る時に縦糸にからませて取り囲む横糸のこと。
手間も時間もかかります。
しかし、それを作ろうとする気持ち、身につけたいと思う気持ち
その「需要と供給」が合わさっての発展したものにこそ
美しい技術が宿るのではないでしょうか!なるほど!!
以上です。