どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の50回目です。前回は、大きく下げた株があとで戻っていた、行き過ぎた反応の話でした。
今回は、取引のあとに必ずついてくる、後悔の話です。
カーネマンとトヴェルスキーが紹介した、株の例があります。
ポールは、A社の株を持っていて、B社に替えようか迷い、替えませんでした。
ジョージは、B社の株を持っていて、A社に替えました。
どちらも、反対のことをしていれば、1,200ドル多く得ていた。
どちらが強く後悔するか、と聞くと、92%の人が、替えたジョージと答えたそうです。
同じ損でも、自分が動いて招いた損のほうが、重く感じられる。
ところが、人生の後悔を聞くと、逆の答えが出ます。
1994年に、心理学者のギロビッチとメドヴェックが、電話で60人に聞きました。
やったことと、やらなかったこと。どちらをより後悔しているか。
75%にあたる45人が、やらなかったことと答えています。
2人は、この食い違いを、時間で説明しました。
大学生80人に、こんな話を読ませています。
転校するか迷った2人がいて、1人は残り、1人は転校した。どちらも、その選択を悔やむことになった。
すぐあとで強く後悔するのはどちらか、と聞くと、76%が転校した人。
長い目で見て強く後悔するのはどちらか、と聞くと、64%が残った人でした。
自分自身の後悔でも同じでした。32人に聞くと、この1週間の後悔では、やったこととやらなかったことが、ほぼ半々。
これまでの人生を振り返ると、84%が、やらなかったことのほうを強く後悔していました。
やった後悔には、人は手を打つので、痛みが薄れていく。実際、65%の人が、いちばんのやった後悔のほうに大きく手を打っていました。
やらなかった後悔は、時間とともに痛みが増し、思い出しやすくもなる。
これが2人の説明です。
これは人生の大きな選択についての研究で、取引の後悔を測ったものではありません。
ただ、取引に置き換えると、思い当たることがあります。
研究の形に当てはめると、入って負けた後悔は、その日は強くても、薄れていきやすい。
一方で、見送った場面で大きく動くと、あそこで入っていれば、が長く残る。それが次に、待つべき場面で追いかけて入る理由になることもあります。
ハムラットの話の7回目と8回目に書いたとおり、私は、勝率にはこだわらず、負けるところで入らないことを大事にしています。相場の多くはレンジなので、取引の回数は少なくていい、とも考えています。
そう考えると、見送りも決まりのうちです。
入る形と、見送る形を、先に決めておく。見送った場面があとで大きく動いても、それは決まりどおりだった、と言えるようにしておく。
後悔の向きを知っておくことが、追いかける入りを減らす手がかりになります。
ご自分の入る形と見送る形を、データで確かめる過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。