どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の36回目です。前回は、選択肢が多いと選べなくなる、ジャムの実験とその追試でした。
今回は、終わるまでの時間を短く見積もってしまう、計画錯誤の話です。
よく引かれるのが、1994年に発表された、卒業論文の研究です。
心理学の学生37人に、卒業論文が書き終わるまでの日数を見積もってもらいました。
いちばんありそうな日数は、平均33.9日。
すべてうまくいった場合は27.4日、すべてうまくいかなかった場合は48.6日でした。
実際に終わるまでにかかったのは、平均55.5日です。
見積もった日までに終えた学生は、約30%だったと伝えられています。
この研究で目を引くのは、最後の数字です。
すべてうまくいかなかった場合の見積もりでさえ、48.6日。実際の55.5日より短い。
いちばん悪い場合を考えたつもりでも、その悪い場合は、自分の計画を少し悪くしただけのものになりやすい、ということです。
自分の作業の見積もりは、計画の中身から組み立てます。どの順に何をするか。
その組み立てには、途中で起きる、思ってもいなかったことが入りません。
手当てとしてよく挙げられるのが、似たことの実際の結果から見積もるやり方です。
自分の計画から考えるのをいったんやめて、同じような作業をした人が、実際に何日かかったかを並べる。
外から見る人のほうが、見積もりが悲観的になりやすい、という話もあります。
相場で、これが出やすい場面の1つが、含み損を抱えたときです。
この下げは、そのうち戻る。どのくらいで戻るか、という見積もりも、自分の見込みから組み立ててしまいます。
投資と心理の22回目で、ゴールドの押し目で買い下がるナンピンの型を2003年から測った話を書きました。
年ごとに分けると、2013年から2018年まで、閉じた組が1つもありませんでした。
検証ノートの45回目では、本数を絞った形が、2012年から2019年まで、ほとんど動かなかった話を書いています。
戻るまでの時間は、数か月の単位を超えて、年の単位でした。
計画錯誤への手当てを相場に当てはめると、こうなります。
含み損から戻るまでの時間を、自分の見込みで決めずに、同じ形の取引を過去で測って、戻るまでにかかった時間を並べる。いちばん長かったものも見る。
そこに7年が入っていたら、7年持てる資金と気持ちがあるかを、先に考える。
入る前にしか、この問いは落ち着いて考えられません。
ご自分の手法で、含み損から戻るまでに過去どのくらいかかったかを、一度並べてみてください。
いちばん悪い場合の見積もりより、長いものが入っているかもしれません。
お使いの手法で、戻るまでの時間を過去のデータで測る、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。