どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の35回目です。前回は、条件を重ねた話ほどありそうに見える、連言錯誤でした。
今回は、選択肢が多すぎると、かえって選べなくなるという話です。そして、その話のその後です。
よく知られているのが、2000年に発表された、ジャムの実験です。
アメリカの高級スーパーの試食の台に、ジャムを6種類並べる日と、24種類並べる日を作りました。
立ち寄った人は、24種類の日のほうが多かったと伝えられています。
ところが、実際に買った人の割合は逆でした。
6種類の日は約30%、24種類の日は約3%。選べるものが多いほど、買わずに帰る人が増えた、という結果です。
この話は本や講演で何度も引かれ、選択肢は少ないほうが良い、という考え方を広めました。
ただ、話には続きがあります。
2010年に、この種の実験を集めてまとめた研究が出ました。50の実験、63の条件、5,000人あまりの結果です。
選択肢を増やしたときの効果の平均は、ほぼ0でした。
選べなくなった実験もあれば、逆に多いほうがよく選ばれた実験もあり、ばらつきが大きい。
どんなときに選べなくなるのか、条件もはっきりとは分かりませんでした。まとめた研究者の1人が自分で試したジャムの追試も、同じ結果にならなかったと伝えられています。
この話から私が受け取るのは、選択肢の数そのものより、確かめ方のほうです。
1回の実験で、30%と3%という分かりやすい差が出た。分かりやすいので、広まる。
でも、同じことを何度も試して並べると、平均では消えていました。
検証ノートで、何度も書いてきたことと同じです。
1つの期間で強く出た結果は、期間を入れ替える、でたらめと並べる、を通すと消えることが多い。有名な話でも、それは変わりません。
インジケーターやEAの設定の数にも、選べるかどうかとは別の見方があります。
設定を1つ増やすと、過去の値動きに合わせ込める場所が1つ増えます。前回の3つ目の条件の話のように、足した分だけ過去の成績は良く見えてしまう。
だから、設定は選ぶ形にして、最初から安全に動く値を入れておく。投資と心理の18回目に書いた、既定値の話です。
有名な研究や手法の話を聞いたら、その後に追試がされているかを、一度調べてみてください。
1回の結果と、何度も試した平均とでは、見えるものが違うことがあります。
有名な手法を、期間を入れ替えて確かめ直す、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。