どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の31回目です。前回は、極端な結果のあとは平均に戻りやすい、平均への回帰でした。
今回は、目の前の証拠の確かさばかり見て、もともとの割合を掛け合わせ忘れてしまうくせ、基準率の無視です。
トベルスキーとカーネマンが使った、タクシーの問題があります。
ある町には、緑のタクシーの会社と、青のタクシーの会社があります。町を走るタクシーの85%が緑、15%が青です。
夜にタクシーのひき逃げがあり、目撃者は、青だったと証言しました。
同じ夜の条件で目撃者を試すと、2つの色を80%の確率で正しく見分けられました。
さて、ひき逃げしたのが本当に青のタクシーである確率は、何%でしょうか。
いちばん多い答えは、80%だったそうです。目撃者の確かさを、そのまま答えにしています。
正しくは、約41%です。
青のタクシーは15%しか走っていません。青を正しく青と言うのは、15%に80%を掛けて12%。
緑は85%走っていて、そのうち20%を見間違えて青と言います。これが17%。
青だと証言される場面は、合わせて29%。そのうち本当に青なのは12%なので、12を29で割って約41%です。
目撃者がかなり確かでも、もともと青が少ないので、青という証言の半分以上は見間違いになります。
この、もともとの割合が基準率です。
取引で同じことが起きるのは、サインの勝率を見るときです。
このサインは勝率70%、と聞くと、強いサインに見えます。
でも、利確を損切りの半分の距離に置いていたら、話が変わります。
値動きに上下の偏りが無くても、近い利確には届きやすいので、勝率は上がります。
式にすると、勝率は1を、1と利確の倍率を足した数で割った値です。利確が損切りの半分なら、1を1.5で割って約67%。
でたらめに入っても67%は出る、ということです。70%は、そこから3ポイントしか上ではありません。
この67%が、サインにとっての基準率です。
検証ノートの23回目で、押し安値の手前で買う形を測りました。利確を近くすると、勝率はちゃんと上がりました。でも、上がった先は、この式の値とほぼ同じでした。
40回目では、損切りの2.6倍に利確を置いた形で、勝率が27%から28%。式から出る27.8%と、ぴったり合っていました。
どちらも、勝率の数字だけを見れば、高い、低いと言いたくなります。
基準率と並べると、どちらも、向きを当てていないという同じ結論になりました。
勝率を聞いたら、まず利確と損切りの比を聞いてみてください。
その比から出るでたらめの勝率を引いて、残った分がサインの力です。
ご自分のサインの勝率を、でたらめに入ったときの勝率と並べて確かめる、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。