どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の29回目です。前回は、でたらめの中に固まりを見てしまう、クラスター錯覚でした。
今回は、判断の材料を増やすと、当たる割合は変わらないのに、自信だけが上がってしまう話です。
1965年に、オスカンプという心理学者が、こんな実験をしました。
集めたのは32人。臨床心理士が8人、心理学の大学院生が18人、学部生が6人です。
ある29歳の男性について書いた事例の資料を、4回に分けて読んでもらいました。
1回読むごとに、その男性について同じ問いに答えてもらいます。どれも5つの中から1つを選ぶ問いです。
あわせて、自分の答えが当たっている自信を、何%かで書いてもらいました。
1回目を読んだあとは、正答が26%、自信の平均が33%でした。
5択なので、でたらめに選んでも20%は当たります。少しだけ上で、自信も、それに近いところにありました。
ところが、資料を読み進めるにつれて、自信はどんどん上がっていきました。
正答のほうは、ほとんど上がりません。
4回目を読み終えたときには、9割を超える人が、実際の正答より高い自信を持っていました。
材料が増えて上がったのは、当たる割合より、当たっているつもりのほうだったわけです。
EAを作るときにも、同じことが起きます。
チャートの形の特徴ごとに点数を付ける表を作ったことがあります。1つずつの特徴で作った表に、2つの特徴の組み合わせを足してみました。
材料が増えると、表を作った年の中では、点数がはっきり出るようになります。
でも、作るのに使っていない年で確かめると、悪くなりました。
点数の上位の場面だけで入る形で、1つずつの表ではプロフィットファクターが1.67。組を30通り足すと1.32、100通り足すと1.05まで下がりました。
足した組が、作った年の偶然にまで合ってしまい、知らない年では外れたと読んでいます。
検証ノートの35回目でも、残った候補に条件を1つ足すと、PFが1.5前後まで上がりました。
同じ足し方をでたらめな入り口でやっても、1.55が出ました。
だから私は、条件や材料を足したときほど、疑ってかかるようにしています。
足したあとの数字を、作るのに使っていない期間と、でたらめな対照の両方で確かめる。それでも良くなっていたら、初めて採用します。
チャートを見る時間を増やすほど、自信は上がりやすくなります。その自信が、当たる割合と一緒に上がっているかどうかは、別に数えないと分かりません。
条件を足すたびに、使っていない期間とでたらめで確かめる、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。