どうも、FXトレーダー兼システムエンジニアのナオトです。
投資と心理の話の22回目です。前回は、同じ中身でも言い方で選ぶ方が変わる、フレーミング効果でした。
今回は、自分には悪いことは起きにくいと考えてしまうくせ、楽観バイアスです。
よく紹介されるのが、1980年にニール・ワインスタインが発表した研究です。
大学生258人に、42の出来事について、自分に起きる見込みを、同じ大学の学生と比べて答えてもらいました。
80歳を超えて生きる、家を持つ、といった良い出来事と、40歳になる前に心臓発作を起こす、肺がんになる、といった悪い出来事です。
結果は、良い出来事は平均より自分に起きやすく、悪い出来事は平均より起きにくい、という答えに偏りました。
1人ひとりの答えが当たっているかは、確かめようがありません。
ただ、ほとんどの人が自分は平均より上、と答えるなら、集団としては成り立ちません。平均より上の人ばかり、ということは無いからです。
その後、こうした楽観は数多くの研究で調べられてきました。
一方で、2004年には、どんな出来事でも楽観が出るとは限らず、まれな良いことや、よくある悪いことでは、逆に悲観が出る、という指摘も出ています。
相場では、悪い出来事は、大きな逆行です。
大きな逆行は、いつか誰かの口座に来る。でも、自分が入ったときには来ない。そう考えてしまうのが、楽観バイアスの形です。
EAを作るとき、私はこの見積もりを、気持ちに任せずに数字で出すようにしています。
使う物差しは、いちばん悪い日に始めた人の損です。
例を1つ挙げます。
ゴールドの押し目で買い下がるナンピンの型を、2003年からのデータで測ったことがあります。
守りの決まりを入れない形では、プロフィットファクターは2.2ほど。数字だけ見れば、とても良い成績です。
ところが、年ごとに分けると、2013年から2018年まで、閉じた組が1つもありませんでした。
2012年の天井の近くで始めた組が、ゴールドが大きく下げる間ずっと含み損のまま、6年持たれていたんです。
23年を通して見れば、良い成績です。
でも、2012年に使い始めた人は、6年間ずっと含み損を抱え続けたことになります。
PFや損益の合計は、全部の期間を通して使い続けた人の数字です。
実際に使う人は、どこかの日に始めて、どこかの日にやめます。
だから私は、EAの成績を見るとき、いちばん悪い日に始めた人がどれだけ損をするかを、先に確かめます。
自分はその日には当たらない、と考えずに、当たったとしても耐えられる大きさかで決めています。
投資と心理の3回目で書いた破産確率も、10回目の連敗の確率も、同じ考え方です。悪いことが自分に来る前提で、先に数えておく。
ご自分の手法やEAの、いちばん悪い場面を先に測る、過去検証のご依頼も受けています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。